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PCベースのVRシステムでコアとなるのがAMDやNVIDIAのグラフィックチップだ。
SIGGRAPHではAMDとNVIDIAの次世代グラフィックボードが公開されていた。
これらの次世代チップはプロ向けで$5000以上になる。
AMDではパフォーマンス向上のためテラバイトメモリーを搭載したグラフィックボード”Solid State Graphics”が2017年に発売される。
値段はデベロッパーキットが$10,000となる。
NVIDIAはアイトラッキングカンパニーSMIとチームと組んで開発しているfoveated renderingと呼ばれるパワー消費を減らすためにVRシーンをトリミングする技術を使ったプロジェクトを公開した。
見ている人が気づかない程度の細かなところがなくなるだけなので、クオリティに大きな変化はない。
NVIDIAはその次世代ハイコストビジネスワークステーションを使ったデモを二つ公開している。
まず一つ目のデモの部屋には二つのレーザーベースステーションがあり、二つのHTC ViveヘッドセットがbeefiestPCワークステーションにつながれている。
ヘッドセットをつけてみるとまだ完成していないクラシックカーが現れる。
このデモでは二人の人がそれぞれ別々の場所にいながら、一つの車を組み立て、カスタムすることができるようになっており、近くにあるテーブルではタイヤ、シート、カーボンなどをつけたりなどのカスタムの設定ができる。
現実の世界でかがむめば、バーチャルカーの中のフロントシートに座れるようになっており、車からの眺めをみることもできる。
このデモはLAでAIを使って車を作る技術を研究しているチームが開発したもので、AutodeskとNVIDIAのチップを使ったソフトウェアでクラシックカーの新しいデザインを制作中だ。
また、これらは全てコンピューターに入力したテストドライブのデータをもとに作られている。
今回NVIDIAがSIGGRAPHで披露していたプロ向けのデモのうち一つがマルチプレイヤー型のVR体験で、もう一つはDassaultのシティプランニングである。
NVIDIAのVRプロフェッショナルディレクター、David Weinstein氏はデモのスピーチでこう語っている。
「VR未来はコラボレーティブなものになるだろう。
チームでモデルやプロジェクトを開発した方が協力しあって、良い判断を早く出すことができる。
コラボレーティブVRとは散らばったチームが一つのところに集まる必要がなく協力しあってデザインができることだ。
デザインプロセスを簡素化することもでき、時間も節約、そしてその結果コスト削減にもつながる。」
二つのオフィスにだいたい$20000から$30000かかるとして、この方法なら長い目でみればコストと時間削減が期待できる。
そのもう一つのデモはOculusRiftとTouchコントローラーを使ったもので、現実世界にある建物を3DスキャンしてVR内に再現するというものである。
デモではまず最初にNVIDIAの本社のモデルを小さいモデルで手に取り、近くでみることができる。
そして、腕を引き延ばすような動作をすると、今度は原寸大の建物の中に入れる。
タッチコントローラーで親指をフリック操作すると前と後ろで建物の位置を変えたり、また部屋を歩いて違うアングルで建物の中と外を見学できる。
もちろんスケールなどの調節も可能だ。
Titans of SpaceやSculptrVRなどVR空間のスケールなどを操り遊べるVRソフトウェアはあるが、NVIDIAのデモでは現実世界の建物がVR内で完全に再現されており、どのパートもてに取るように見ることもできれば、ヘリコプターから見たような角度で建物を見ることもできる、こんなソフトは今までなかった。
これらのデモはここ数年ほどで改良されるであろうハイパワーVRデバイスのプレビューとなった。
バーチャル世界での空間をあやつることはほんとうに複雑な作業だが、VR内で作業することで時間もお金も節約することができ、これからたくさんの人に必要なものとなるかもしれない。
参照元サイト名:uploadvr
URL: http://uploadvr.com/nvidia-siggraph-2016-demos/
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