輸出入のプロセスを知る人なら誰もが頭を悩ませる「税番判定」。その煩雑な作業をNECが生成AIで支援します。専門知識を要する通関業務に、最新のAI技術が導入されたことで、経験が少ない人でもスムーズに業務を進められる時代が到来しつつあります。

専門家のノウハウをAIが再現、関税業務を効率化へ

NECは2025年6月、生成AIを活用して輸出入品目の税番(輸出入統計品目番号)を自動で判定するサービス「AI税番判定サポート」をリリースしました。

税番とは、国際貿易において商品分類の共通言語ともいえる10,000種以上の番号体系。適切な税番の選定は、関税の金額や通関処理に大きく影響するため、これまではベテラン通関士の経験と知識に頼らざるを得ませんでした。

NECの新サービスでは、品目名やHSコードを入力することで、生成AIが関連情報を分析し、適切と思われる税番の候補とその根拠を提示。情報が不足している場合には、追加すべき情報(用途・機能など)をAIがガイドしてくれるため、利用者は対話形式で判断精度を高めることが可能です。

従来のキーワード検索や類義語検索に比べ、生成AIは税番の背景となる関税率表解説まで読み解く力を備えており、より的確な判定が期待されます。

NECは同サービスを、同社の安全基盤である「NEC Generative AI Service」経由で提供。今後は、技術継承に悩む通関士の支援や、事業会社における国際物流の業務効率化に向けて、本格導入が進むと見られます。

詳しくは「日本電気株式会社」まで。
レポート/DXマガジン編集部 海道

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 通関士の技術継承をAIで支援!NECが“税番判定”に生成AIを導入