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GMOコマースは2025年2月6日、店舗向けCX(顧客体験)プラットフォーム「GMOマーケティングコネクト」の提供開始を発表しました。このプラットフォームは、実店舗の売上向上とマーケティングDXの推進を目的としており、店舗が保有するアンケートやアクセスログなどの顧客データをAIが分析して各顧客の購入可能性を判断する機能を備えています。これにより、各顧客に最適な商品レコメンドが可能となり、同じ特徴を持つ顧客へのパーソナライズ配信が実現される仕組みです。
また、本プラットフォームはLINE、公式アプリ、メール、Instagramという主要な4チャネルの使い分けを効率化する機能を国内初で搭載しています。各チャネルの顧客データを統合して分析することで、費用対効果の高い販促施策が実現されるとともに、各チャネルの特性に合わせた最適なアプローチが可能となります。さらに、競合店舗の来店状況を日時単位で把握できる分析機能が加えられており、商圏内の消費動向を踏まえた最適なプロモーションタイミングの特定を支援する仕組みが整えられています。
近年、実店舗とオンラインの接点が多様化する中で、顧客は複数のチャネルを通じた情報収集や購入検討を行うようになっています。そのため、実店舗とオンラインの接点を連携させた一貫性のある顧客体験の提供が求められており、複数店舗を展開する企業にとっては、チャネルごとに分断されたデータ管理や高額な販促費が経営負担となる場合がありました。こうした課題に応えるため、GMOコマースは「GMOマーケティングコネクト」を開発し、効率的なマーケティング施策の実現と業務負担の軽減を目指しています。
また、ダイニングイノベーションの協力のもとで先行実施されたパーソナライズ配信の検証実験では、単一商品を訴求するクーポンを一斉配信したグループと、AIが各顧客の購入確率を推定してパーソナライズ配信を行ったグループとで比較した結果、購入率がパーソナライズ配信の場合、一斉配信と比べて約10倍に改善する成果が確認されました。この結果は、AIによるパーソナライズ配信が販促効果を大幅に向上させる可能性を示しており、手間をかけずに効率的なマーケティングが実現できることが明らかとなりました。
GMOコマースは、「GMOマーケティングコネクト」を通じて、実店舗とオンラインを連携させた一貫性のある顧客体験の提供と、効率的なマーケティング施策の実現を目指しています。初期費用は無料で、月額基本料金と配信数に応じた料金体系が用意されており、店舗運営におけるコスト負担の軽減にも寄与することが期待されています。今回の取り組みが、実店舗の販促活動に新たな可能性をもたらし、マーケティングDXの加速に貢献する事例として注目されています。
レポート/DXマガジン編集部折川