島村楽器は、ギターの試奏体験をより気軽にすることを目指し、試奏サポートロボット『マティモ』を開発しました。共同開発には、音楽や楽器に関する革新的な発明やデザインを行う『ペノテアスタジオ』が参画しています。このロボットは2024年12月7日(土)から8日(日)に開催されるイベント『ギタラバTOKYO』で初めて展示されます。

楽器店でギターを試奏する際、多くの顧客が「自分の技術で弾いて良いのか」「恥ずかしい」といった不安を抱えていることが従業員へのヒアリングで明らかになりました。この課題を解決し、試奏体験をより気軽に楽しんでもらうために、『マティモ』が開発されました。

『マティモ』は、ギターの音を解析するプログラムや視覚的に楽しい表情を表示する液晶パネル、ストーリー性を提供するシステムを搭載しています。音声出力には一般的なスピーカーではなく、『ペノテアスタジオ』が独自に開発した「マテリアルハーモニクス」という技術を採用。これにより、人間や動物が発するような存在感のある音を再現し、セッション時のような温もりを感じられる独特の体験が可能です。

図1:ギターの音を解析するプログラムを搭載

実際の体験では、ギターをロボットに接続すると演奏が始まります。『マティモ』は液晶パネルにコードを表示し、演奏状況を感知してフィードバックを提供。最終的にはロボットがリズムを奏で、セッションすることで試奏体験を楽しいものにします。初心者向けのサポート機能を中心に設計されていますが、将来的には中上級者向けのセッション機能も追加予定です。

『マティモ』は現時点では試奏を気軽に楽しむためのサポートツールとして提供されますが、より高度な演奏機能の追加や、多様な音楽ジャンルに対応するプログラムの拡充が計画されています。このプロジェクトを通じて、楽器に対する興味や演奏への敷居を下げることを目指します。

図2:ロボットの表情が表示される液晶パネル
図3:ギターを挿し込むジャック部分とコード表
図4:ボタンを押して操作が可能

12月7日から開催される『ギタラバTOKYO』では、『マティモ』の実物が展示され、実際に体験することができます。この革新的なロボットは、楽器店での新しい楽しみ方を提案するきっかけとなることが期待されています。

丸みを帯びたデザインや、親しみやすい表情パネルを持つ『マティモ』は、試奏という行為そのものを遊び心あふれる体験に変える可能性を秘めています。詳しくは「島村楽器」の公式ページまで。

レポート/DXマガジン編集部折川

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 楽器店がロボット導入、来店者のギターの試奏をサポート!