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東京都狛江市で、ローカル5Gを活用した遠隔型自動運転バスの実証実験が行われています。この取り組みは、狛江市、多くのパートナー企業や団体で構成されるコンソーシアムが、総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業」の一環として実施しているもので、多摩地区で初の公道を利用したローカル5G活用の自動運転実証です。2024年12月20日と21日には住民試乗会が予定されており、地域住民が実験に参加してその進捗を体感する機会が設けられます。
狛江市の多摩川住宅地区では、再開発計画に伴う人口増加が予想されていますが、公共交通機関の乗務員不足や利用者減少により持続可能な交通サービスの確保が課題となっています。この実証実験は、遠隔型自動運転バスを導入し、地域における安心・安全な公共交通を実現するための解決策を探る目的で行われています。
実証では、特に歩行者や自転車が行き交う多様な交通環境下で、自動運転バスと新技術の適用性を検証します。主な取り組みとして、公道での自動運転走行、ローカル5Gを用いた遠隔監視システムの通信実証、そしてスマートポールを活用した交通状況の先読み技術の評価が行われます。これにより、信号のない横断歩道や混雑する駅前ロータリーといった場面で、遠隔型自動運転の有効性を確認します。
試乗会では、和泉多摩川駅から多摩川住宅を経由し、駅に戻る約5キロのルートで自動運転バスが運行されます。参加には事前申し込みが必要で、地域住民にとっては新たな交通手段を身近に感じられる機会となるでしょう。
今後、この実証実験で得られる知見をもとに、狛江市をモデルケースとして全国の自治体へ展開することが目指されています。乗務員不足や地域交通の課題解決を進める中で、2027年度にはレベル4自動運転の社会実装が予定されており、持続可能な交通システムの実現に向けた重要なステップとなっています。詳しくは「unerry」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部折川