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わんちゃんが嫌だなと感じても触らせてくれる、または大好きな飼い主さんであればどこを触られても問題ないと感じることがとても大切です。
そのためには日常的にスキンシップを行いながら徐々に嫌がる部分も触れるように慣らすことと、同時進行で飼い主さんに触れられることがうれしいと感じられるような関係性を築くことがよりスムーズに進めるためのポイントとなり得るでしょう。
犬種やそれぞれの性格にもよりますが、何かのきっかけでわんちゃんの興奮のスイッチが入ることが日常生活の中でパニックになったり、我を忘れて興奮をしてしまうこともあります。
興奮のスイッチは、動くものを追いたいという欲であったり、対象となる犬や人がいる場合、何かをされるという特定の行動で興奮のスイッチが入る場合もあります。
おうちのわんちゃんがどんなことで興奮するのか、どうしたら制御できるのかということをきちんと把握することは大切です。
制御すると一言で言っても、興奮をしてしまってからでは制御をすることは難しいケースも多いでしょう。
落ち着かせるためにかけた声の一言が、余計に興奮をさせてしまうこともあります。興奮のスイッチとなり得るものから注意をそらす、飼い主さんが声を掛けたらきちんと注意を向けられるということがとても大切です。
しつけというと飼い主さんに従うことや牙を向けないことが目的であるように感じてしまいがちですが、しつけができていることは実は健康管理をするうえでとても重要な役割を果たします。
例えばどんなしつけは健康管理と直結するのでしょうか。
どこでも触らせてくれることや体を触られることが好きであることは、日々楽しみながら体に触れて健康チェックを行うことにつながります。
動物病院での定期的なチェックは緊張をしたり、嫌がりながら行うケースも多く、ストレスに感じる場合もあるでしょう。
飼い主さんとの信頼関係が充分に築けているのであれば、大好きな飼い主さんから触れてもらえるという楽しいことをしながら、健康チェックも行えるためわんちゃんが感じるストレスが軽減される可能性が高いです。
また、飼い主さんが触れられるということは、次のステップである他の人が触ることに対しても受け入れられる可能性が高まり、動物病院でもストレスに感じにくくなる可能性も考えられます。
若齢の頃から楽しみながら行うことで習慣化し、飼い主さんとの適切な信頼関係を築くきっかけにもなるでしょう。
わんちゃんがどんなに興奮してもコントロールできたり、興奮のスイッチとなり得るものを把握して制御できる場合、興奮から起こるトラブルを避けることができる可能性が高いです。
例えば近くに犬や人がいて興奮をしてしまい、相手を傷つけてしまったり、けんかとなりわんちゃん自身がけがを負う場合があります。
大好きなものや食べてはいけないものを前にして、うっかり口にしてしまう場合もあるでしょう。
こんな時にいちはやく興奮をコントロールできるのは普段からわんちゃんと接している飼い主さんしかいません。
また、コントロールできるということは興奮のスイッチが入るサインにもいち早く気づけるということです。
おうちのわんちゃんをよく観察し、性質をよく理解することが必要とされます。
わんちゃんが自分の欲を通そうとする場合、嫌なことをさせてもらえなかったり、わんちゃんのわがままが通らないと怒るなどの問題が生じることがあります。
安静にさせるためにお散歩の要求や、もっと食べたいというわんちゃんの要求に「NO」をしないといけない場合もあるでしょう。
要求が通らないと威嚇する、かみつくなどの問題行動につながる場合、お家でのコントロールが難しくなることがあります。
飼い主さんが「NO」ということはどんな場合であっても従う必要がある、自分の欲求をセーブする必要があるということを身につけさせることでもあります。
では実際これらのしつけが健康管理とどんなつながりをもつのでしょうか。
どこでも触らせてくれることや、触られることを不快に感じないことで、お家での健康チェックを行えることになるため、早期発見につながります。
触られることを不快に感じる場合、嫌がるときに無理やり押さえつける必要が生じたり、わんちゃんにとって大きくストレスに感じる危険性があります。
嫌がることを無理やりすることでわんちゃんに負担をかけないためにも、わんちゃんが苦手と思うことが一つでも少ないと理想的です。
健康チェックなどの必要不可欠な作業を楽しみながら行えることで頻度も増すため、より有意義なものとなるでしょう。
病気によっては、一度の処置では済まずに日々の処置が必要となるケースもあります。
その際にお家でできない場合、日々受診をして先生や看護師さんに処置をしてもらったり、入院をして処置をしてもらう必要が生じる可能性があるでしょう。
わんちゃんが嫌なことでも飼い主さんにさせてくれることで、おうちでもできる処置が増え、受診頻度や入院の有無が変わります。
内服薬の投薬や傷口の消毒などわんちゃんにとっては嫌なことでも行わなければならないこともたくさんあります。
普段から飼い主さんとの適切な信頼関係を築き、飼い主さんの指示や行うことに従えるようになると安心です。
飼い主さんの指示に従うことや、興奮をコントロールができることで、けがや誤食などを起こす前に制止させることや、体に負担がかかってしまうことを避けるために安静にさせたいときに制止をすることが可能になるとトラブルを避けるだけでなく、入院だけでなく家庭での安静下での治療も選択肢の一つとなる可能性があります。
よくある誤食やわんちゃん同士のトラブルも、急にわんちゃんが口にしたり攻撃したりしたことで飼い主さんが制止できず起こってしまうケースが多いですが、わんちゃんのスイッチがどんな時に入るかということを普段から把握しておけると、わんちゃんの行動が次第に予測できるようになるでしょう。
制止をさせられるかどうかということは日々構築したわんちゃんとの信頼関係が必要となりますが、予測して未然に防ぐということはわんちゃんをよく知り、把握することで可能となります。
安静時の制止も可能となることで、リラックスできる家庭での安静が可能となると、わんちゃんにとっても負担が軽減され可能性が高まります。
治療の方針は先生のお考えもありますが、相談によってはお家での経過観察が可能となる場合もあります。
しつけがうまくいかないというお話をよく聞きますが、実はしつけにもいろいろな種類があり、その中に本当に生活に必要不可欠なしつけも潜んでいます。
今回お伝えしたしつけは、飼い主さんへの行動や問題行動につながるかどうかだけでなく、わんちゃんの健康にも関連するしつけです。
教育するというよりも日々の生活の中で、犬という生き物の本質とおうちのわんちゃんの個性を理解してあげたうえで尊重しながらお互いの信頼関係を築くことがとても大切です。
より深い絆で結ばれると、よりわんちゃんとの生活も充実したものになるに違いありません。