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吉野家が8月28日より、ダチョウの肉「オーストリッチミート」を使用した「オーストリッチ丼~スープ添え」を発売しました。全国400箇所の「クッキング&コンフォート」店舗を通じて、約6万食を限定販売。さっそく体験しに行ってきました。
ちなみに「クッキング&コンフォート」店舗とは、吉野家のHPによると「はじめにレジで注文を伺い、会計を済ませた後、お客様がご自分で商品を受け取り、席まで運んでいただくスタイル」のお店とのこと。近ごろ増えている店舗運営スタイルです。
そして今回発売された「オーストリッチ丼~スープ添え」は、吉野家ホールディングスのオーストリッチ(ダチョウ)事業として展開されるもの。茨城・筑波の牧場で育ったダチョウの良質なモモ肉とヒレ肉をローストビーフ風の「オーストリッチ丼」に仕立て、ダチョウからとった“ガラスープ”とともに提供します。
オーストリッチミートは牛肉や豚肉、鶏肉同様に高たんぱくでありつつ、低脂肪で鉄分が豊富。特にモモ肉には、抗疲労成分である「イミダゾールジペプチド」や「コエンザイムQ10」が多く含まれ、日常生活における一時的な疲労感を軽減する機能があるとされています。
期待は十分といったところですが、肝心のお味はいかに……?
筆者が訪れたのは、東京都葛飾区の東小岩店。JR総武線の新小岩駅北口から徒歩15分ほどの蔵前橋通り沿いにあります。店頭には「オーストリッチ丼」ののぼりがかけられていました。
「クッキング&コンフォート」店舗の特長である、明るくゆったりとしたボックス席に座りながら、タブレットで注文。しっかりとメニューに「オーストリッチ丼」の項目がありました。お値段は税込1683円。牛丼の3倍近い高級価格ですが、その分期待も高まります。
注文してしばらくすると「オーストリッチ丼〜スープ添え」が運ばれてきました。ローストしたダチョウのヒレ肉、モモ肉に山わさび醬油だれがかかり、サワークリームのホワイトソースと新鮮なサラダが添えられています。なんとも食欲をそそるボリューミーな姿。これならお値段にも納得です。
まずは「オーストリッチ丼」から。オーストリッチ=ダチョウの肉と聞いて「鶏肉っぽいのかな?」と予想していたのですが、出てきたお肉は鮮やかな赤色をしていて、まるで牛肉のよう。
一口食べると香ばしいお肉の風味とともに、力強い旨味が口の中を包み込みました。野趣に富みつつも臭みはまったくなく、予想のはるか上を行く高級感にびっくり。山わさび醬油だれのキリッとさわやかな後味もたまりません。
お肉の味だけでもご飯が欲しくなるほどの濃厚さを味わったら、生卵を投入してボウルをまぜまぜ。お肉の力強い味を卵とサワークリームが包みこんで、まろやかな味わいになりました。シャキシャキ野菜のアクセントも相まって、とにかく楽しい食感です。
オーストリッチ丼を食べ終えたら、いよいよ「ダチョウの“がらスープ”」へ。焼肉屋さんで見かけるテールスープのような、白濁した見た目をしています。レンゲで表をすっとすくってみると、溶け込んだコラーゲンの膜が。たっぷりとダチョウのエキスが溶け込んでいることがわかります。
一口飲むと、ほんのりとした甘さとお肉のしっかりとしたコク。ふんわり優しい口当たりとともに、あとひく旨味が芳醇さを醸し出します。オーストリッチ丼とはまたベクトルの違った美味しさ。しめくくりの一杯に最高です。単品でもオーダーしたいくらいでした。
思わず時を忘れるほどの美味しさに満ちていた「オーストリッチ丼〜スープ添え」。これまでの吉野家感をくつがえす衝撃のメニューであることは間違いありません。
全国400店舗で約6万食という販売数は一見多そうですが、これだけ美味しいとすぐに売り切れてしまいそう。食べたい方はお早めに。
(天谷窓大)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024082905.html