日本を代表する山といえば「富士山」です。富士山を見に海外から多くの観光客が訪れるほど、いわば日本のシンボルとも言える存在。その富士山がある県といえば「静岡県」と「山梨県」。どちらの県にも深く愛されている山でもあります。

 たとえば「静岡県」では県のシンボルマークに「富士山」が入っています。また静岡県のイメージキャラクター「ふじっぴー」は富士山がモチーフ。そんな富士山をこよなく愛する、普段からよく目にしている静岡県民であれば、富士山と違う山の見分けはすぐにつくはずです。

 そこで今回、静岡県民に2枚の写真をみせて「どちらが富士山か」という質問をしてみました。

◾️ どちらが「富士山」ですか?

 今回、とつぜん編集部内で「たまちゃんこれどっちが富士山かわかる?」「富士山見てそだった静岡県民ならわかるよね?」と見せられたのがサムネールにも出している画像。二つの似たような山があるのですが、片方が富士山、片方が違う山だというのです。

 申し遅れました、筆者「静岡県」出身で、この画像の区別は瞬時につきます。むろん、県外の皆様にはなかなか難しいでしょうから、間違えても大丈夫です。問題の画像をあらためてじっくりみてください。

 筆者はこれを見せられたとき即座に答えましたね。自信満々で。回答は「B」です。なぜならば「B」の富士山には「宝永山」という右の盛り上がった部分があるからです。念のために、別の日に撮った富士山の写真を見ていただけるとよりわかりやすいでしょう。中腹あたりにあるのが宝永山です。

 では、他の人たちはどのような答えになるのでしょうか。静岡県民の仲間に聞いてみました。

◾️ 静岡県民の仲間に聞いてみた結果……

 静岡県民の仲間にLINEおよび口頭で確認したところ……

 やはり多くの方が「B」と答えました。中には「A」や「両方富士山」という方もいましたが、「A」が1人そして「B」が6人という結果となりました。

◾️ Twitterで聞いてみた結果……

 さらに、Twitterでも確認してみました。フォロワーの多くが静岡県民で構成される私のアカウントで試した結果……

静岡県民ならわかるよね
静岡県民格付けチェック、富士山はどっち!?
AはRT
Bはいいね!
をしてください!

 やはり「B(いいね)」のほうが圧倒的に多く、その差は「A」に比べ「B」は7倍ほどの開きがあります。(RT[A]:6件、いいね[B]:43件)

 コメントではやはり「宝永山がある」「静岡市寄りの場所からの眺めである」という点が自信満々に挙げられております。

 ただし中には「A」という答えもあり、その理由として「傾斜が緩やかである」という意見も出ておりました。

 では結果はどちらが「富士山」なのでしょうか。まぁ、静岡県民にとっては楽勝すぎる今回の問題ですから。

■ 「A」が富士山

 結果、「A」が富士山でした。

 マジかよ!!マジかよ!!(二度目)意外や意外、富士山をこよなく愛す「静岡県民」の多くが勘違いしてしまう、想定外の結果となりました。

 ちなみに「富士山」と勘違いした「B」の山は、鹿児島県の薩摩半島の南端に位置する標高924mの「開聞岳」。別名「薩摩富士」といい、まさに富士山にそっくりの山ですが、写真を引いてみると見慣れない海などの地形があることで瞬時に「富士山ではない」ということがわかります。

 つまり、この画像は「宝永山っぽいのがあるから静岡県民は富士山と勘違いするだろう……」という、悪意をもったとある編集部の人間が恣意的に一部をトリミングした巧妙な罠だったのです。(やってくれたな!)

 更に雪がかぶっていない状態と、その周囲の地形がわからない状況下だと、勘違いを誘発しやすいのかと思われます。

 静岡県民の愛する富士山は、山の地形だけでなく、眼下に富士市の街並みや工場が広がるイメージ。つまり我々にとって「富士山」とは、単純な「山」だけでなく、それら景色も含めたモノなのかもしれませんね。

(たまちゃん)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 静岡県民に「この画像、どちらが富士山か?」と聞いたら想定外の結果に