2021年末より上映が続くアニメ「劇場版 呪術廻戦 0」。主人公の乙骨憂太の前に立ちはだかり、百鬼夜行の決行を告げる最悪の呪詛師・夏油傑(げとう すぐる)をモチーフにしたファンアートの立体クッキーがTwitterに投稿されました。

 非術師を淘汰し、呪術師だけの世界を作ることを望む夏油の冷たい眼差しが印象的な立体クッキー。作者のいずむさんに話をうかがいました。

 いずむさんは砂糖やアイシングなどを使い、立体感のあるクッキーを作ってはTwitterやYouTubeに投稿しています。今回、夏油傑をモチーフにしたのは、以前に高専(東京都立呪術高等専門学校)時代の五条悟と一緒の姿を立体クッキー化したことがあり、今度は単体で対比できるようなものを作ってみたいと思ったからなんだそう。

 いずむさんは「本当はずっと2人で笑っていてほしかったですが、夏油がいびつに歪んでいってしまうところが、すごく人間らしくて、幸せになってほしいなと思いました」と語ります。高専時代は五条以上に正義感の強い呪術師だっただけに、そこから非術者に失望して闇堕ちしていく様子は、ある意味夏油の理想主義ゆえ、という気もしてきますね。

 イメージしたのは、原作「呪術廻戦」第78話(コミックス9巻)で盤星教の代表役員・園田を殺し、恐れおののく幹部たちに向かって「私に 従え 猿共」と言い放つシーン。盤星教を乗っ取り、本格的に呪詛師として五条と決別していくきっかけとなった場面です。

 YouTubeで公開されたメイキング動画を見ると、下絵を参考に、まずはシュガーペーストで土台作り。顔の造作はデザインナイフで彫り込んでいきます。


 大きなポイントである右腕は、まるで粘土で塑像を作るように砂糖細工を加工していきます。指の爪までも別パーツで再現しているのは驚きです。

 袈裟や髪の毛も立体的に形作り、頬と指には血のりをつけます。背景となるクッキー表面にも、血をイメージした赤黒いアイシングで彩色。


 こうして完成した夏油傑の立体クッキー。正面から見ただけでなく、少しずらして見ても破綻なく立体が成立しているのが分かります。


 いずむさんはこれ以外にも、多くの立体クッキー作品をTwitterに投稿し、YouTubeではメイキング動画を公開しています。きめ細やかな作業が芸術的なクッキーに変化していくさまに、時間を忘れて見入ってしまいますよ。

<記事化協力>
いずむさん(@kiri0izm)

(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 最悪の呪詛師がクッキーに降臨 ファンアート「呪術廻戦」夏油傑の立体クッキー