『運動不足の猫』にみられる兆候5選 放っておくと病気につながる?取るべき対策とは
猫の運動不足を示す兆候
猫が適切な運動量を満たしていない場合、さまざまなサインが表れることがあります。
次のような兆候がないかチェックしてください。
1.おしりが大きくなる
愛猫のおしりが大きくなったと感じたら、すでに運動不足かも知れません。
実は、日本で暮らす猫の約42%が肥満だといわれています。
自然界で生きていくためには、狩りが成功しないと食べることができません。そのため、猫の身体はエネルギーを節約するようになりました。その代謝傾向は、イエネコになった今も引き継がれています。
しかし、現代の飼い猫にとっては、このエネルギーの節約が肥満の原因となってしまうのです。
猫はおしり・お腹周りから太り、次第に背中や首にも脂肪がついてきます。もし、背骨や肋骨を触ったとき、皮下脂肪で骨に触れないようなら、それはもう「肥満気味」かもしれません。
2.過剰なグルーミング
猫が過剰なグルーミングをはじめるようになったら、運動不足によるストレスの可能性があります。
運動量が足りず、食事で得たエネルギーが適切に発散されないと、エンドルフィンが不足してストレスが解消されなくなるためです。
※エンドルフィンとは、運動によって放出される神経伝達物質のひとつで、気分の高揚や多幸感があるといわれています。
猫が過剰にグルーミングしすぎてしまうと、次のような弊害が出てきます。
- 脱毛(舐めハゲ)
- 舐めすぎによるキズ
- 毛の飲み込みによる消化器の不調や毛球症
運動不足がきっかけとなり、ケガや病気につながることもあるのです。
3.真空行動をする
真空行動とは、急に走り出したり、急にカーペットや布団などで穴を掘るような行動をしたりすることです。
これは猫が溜まったエネルギーを爆発的に発散させるために行うものです。
全速力で走るときの猫は、周囲に十分な注意を払わないことがあり、家の中であってもケガなどの事故になる危険があります。
真空行動は年齢問わず見られるものですが、比較的エネルギーにあふれた若い猫に多いようです。特に止める必要はありませんが、猫の安全のためにも気付いたときにはできるだけ見ていてあげましょう。
4.わがままの増加
運動不足が原因で、わがままが増える可能性があります。
運動で発散されない欲求が、退屈な気持ちやイライラになって発散されてしまうからです。
たとえば、不適切な時間や場所で食事や遊びを要求してくるようになるかもしれません。猫の早起きも、度が過ぎれば運動不足のストレスからきているかもしれません。
人間から見てわがままであっても、猫から見れば筋が通っているということ。怒ったり、叱ったりせず、自分にも猫にも負担にならない程度に対応するようにしましょう。
5.食事を残す
運動不足でエネルギーが溜まった状態の猫は、脳から「まだ、食べないでいいよ」という指示が出されるため、食事を残すことがあります。
健康的な猫であれば、半日も経てば空腹になるので、次の食事はいつも通り食べるでしょう。食事を食べないときは、嗜好性の高いペースト状のおやつなどを出して、「食べる気持ち」があるか確かめておくと安心です。
一方、猫が食欲不振のままでいると、今度は食べる気が全く起きずに食欲廃絶になりかねません。
猫は個体差がありますが、1日から数日絶食してしまうと肝リビドーシスという病気になる危険があり、肥満猫ほどそのリスクは高くなります。
食欲不振は病気との関連が深いため、いつもの食事に飽きたのか、ほかの不調が原因なのかを見定める必要があります。食欲低下には、獣医師の診察が必要なケースもありますので、日頃から食べる量には、気を配るようにしましょう。
猫に必要な運動量
猫に必要な運動時間は、子猫〜成猫までは1日に30分程度の運動が理想的です。
年齢や個体差がありますが、日常的な活動に加えて飼い主さんが遊んであげるようにしましょう。もし、遊び足りない場合は、いったん休憩してから追加して遊ぶようにします。
成猫になると性格がはっきりしてくるので、おとなしい猫は次第にあまり遊ばなくなります。運動不足かそうでないか大きく分かれるころなので、できるだけ遊びの習慣は毎日のルーチンにしましょう。
高齢猫でも、健康であれば一日10〜15分くらいの運動は必要です。適度に運動させて、筋力を保つようにサポートしましょう。
体力的な発散が健康状態から難しい場合であっても、知育遊びなどで代替してちょうどよい疲労感を感じられるような環境を作ってあげられると望ましいです。
愛猫の運動不足を解消させよう
猫の運動不足対策を解消するには、次のような方法があります。
- 時間を決めて飼い主が遊んであげる
- 家の中に猫が走れる動線を確保する
- 電動おもちゃを使ってひとり遊びさせる
- キャットタワーや棚の段差を利用して上下運動を促進
飼い主がいっしょに遊ぶときは時間を決めておもちゃで遊ばせ、そのあとに食事という順番を作ると、猫の狩猟本能(獲ってから食べる)が刺激できるので心身ともに健康的な生活が期待できます。
高齢になると、関節などを傷めやすくなるので高所への上下運動やジャンプを促すような遊びは避け、猫用トンネルなどを使って「歩かせること」をメインにするとよいでしょう。
まとめ
この記事では、猫の運動不足の兆候と対策を紹介しました。
猫が運動不足になると、肥満や過剰なグルーミングがストレスサインとなって表れます。
また、猫が溜まったエネルギーを発散させるために、真空行動やわがまま行為が増えることもあります。
運動不足が続くと、体内のエネルギー調整のために食欲不振に陥り、結果的に病気につながるような危険もあります。
猫に必要な運動量を把握し、適度に遊ばせて運動させることが重要です。
■関連記事
・猫が大好きという気持ちを飼い主に伝える9つのサイン
・『ブラシを抱っこしたまま寝たい猫』掴んで放さない様子に3万6000人が悶絶「可愛すぎる」「ぎゅってするのたまらん」と反響
・嫌いな人に見せる猫の10の態度
・猫に『ガンダムのコスプレ』やらせてみた結果→1000万再生突破の超話題に「ニャンダムいきま~す」「世界を乗っ取るかもw」の声
・『転がりながらパパに甘える三毛猫』が癒やされすぎると話題に→「国宝級のかわいさ」「脳みそ溶ける」と悶絶する人続出