猫用けりぐるみとは?

「けりぐるみ」は猫が蹴って遊ぶおもちゃで、分類としてはヌイグルミやクッションの仲間と言えます。ちなみに、この「けりぐるみ」は株式会社ペティオの登録商標であり、本来は同社の製品にしか使えない言葉なのですが、一般にも広く浸透していることもありますので、ここではまとめて「けりぐるみ」として紹介しています。

つかむ・蹴る・噛むのは狩猟本能の名残

猫は狩りをする肉食獣です。捕らえた獲物を前足でつかんで後ろ足で蹴ったり噛んだりして弱らせる習性を持っています。「ケリケリ」とも呼ばれるこの習性は狩猟本能に根ざしたもので、狩りをしない室内飼いのイエネコにもしっかり残っています。

そのため、ほかの猫とじゃれあうときや飼い主さんと遊ぶときに、前足でつかまって後ろ足で蹴るという行動が見られるのです。小さな子猫が飼い主の腕につかまってケリケリするしぐさはほほ笑ましいものですが、成長して力がついてくるとまじめに痛いです。下手をすれば怪我だってします。

そういうわけなので、飼い主の腕ではなく、おもちゃにケリケリするように教えてあげないといけません。遊んでいるときに猫がケリケリしようとしてきたら、腕を引いておもちゃを与えます。これを繰り返して、おもちゃで遊ぶことを覚えてもらうのです。

運動不足やストレス解消の効果が期待できる

猫にけりぐるみを与えることは運動不足の解消やストレスを軽減するのにも役立ちます。猫がケリケリをする理由は、

  • 遊んでほしい
  • うれしい楽しい
  • 機嫌がよくない
  • 体力を持て余している

など。いろいろな理由やきっかけがあって狩猟本能が呼び起こされてケリケリするのです。そのため、ケリケリできずにいると運動不足になりますし、ストレスを感じてもしまいます。ケリケリは前足でつかまって後ろ足で激しく蹴る全身運動なので、運動不足になりがちな室内飼いの猫にはちょうどいいというわけです。また、狩猟本能を開放するのでストレス解消の効果も期待できるでしょう。

猫用けりぐるみの選び方

猫はおもちゃの好みにもうるさい生き物です。好みに合ったおもちゃを選んであげる必要があります。大きさや形状、表面の素材などで好き嫌いはわかれますし、またたびやキャットニップが使われているかどうかでも猫の関心を引けるかどうかは違ってきます。もっとも、猫が気に入るかどうかは買って試してみないことにはわかりません。そういうわけなので、ここではけりぐるみを選ぶ基準を説明していきます。

猫の体の大きさにあったけりぐるみを選ぶ

けりぐるみは前足でつかんで後ろ足で蹴るので、体格に合った大きさであることが重要です。前足でつかみやすい幅(太さ)で、その状態で後ろ足で蹴れるだけの長さがないと遊べません。幅は前足でつかめるぐらい、長さは少なくとも前足と後ろ足の間隔よりも長い必要があります。

おおまかな目安としては、幅70cm程度、長さは20〜30cm程度というのが標準的です。猫によっては大きなものや長いものが嫌いだったり怖かったりするようなので、40cmを超えるような長さのものはあまり遊んでくれない傾向となります。

けりぐるみの形状で選ぶ

けりぐるみにはさまざまな形状のものがあって、猫の好みなどに合わせて選べます。シンプルな抱き枕のようなストレートタイプもあれば、曲がった形のものもあります。また、エビや魚、ペンギン、ネギなど、動植物をモチーフにしたタイプも売られていて、見ていて飽きません。

気をつけなくてはならないのは、ボタンやヒモなどの飾りは取れたときに誤飲や誤食の心配があることです。けりぐるみを選ぶ際には、飾りなどが取れやすくないかどうかをよく確認することをおすすめします。ただ、問題は遊んでくれるかどうかは猫次第だということ。好き嫌いが激しくて気まぐれな猫のことですから、いろいろなものを試してみるしかありません。

けりぐるみの素材で選ぶ

けりぐるみの外側の素材には綿やフェルト、フリースなどのほか、毛糸やメッシュ素材のものもあり、猫の好き嫌いにも影響するようです。けりぐるみは爪を立ててつかみ、ケリケリしたり噛みついたりして遊びますから、触った感覚や噛み心地によって好みがわかれるのでしょう。

生地の織りが粗いと爪がかかりやすくなる反面、傷みも早いので中綿が飛び出しやすくなります。縫い目も細かくないと糸が切れやすくなりますから、こちらも要注意です。

また、噛むことも考えると衛生面も気をつけたいところです。洗濯可能なものでもそう頻繁に洗えるともかぎりません。最近は明るい場所に置いておくだけで汚れやにおい、雑菌の繁殖を抑える効果のある光触媒加工をほどこしたけりぐるみも選べます。

またたびの有無で選ぶ

猫と言えばの「またたび」を使ったけりぐるみもあります。またたびはフェロモンを感知する器官をとおして脳や中枢神経に作用し、性的な興奮状態をもたらすとされています。酔っぱらったようになったり、激しく攻撃したりなど、さまざまな反応が見られます。またたびや、またたびに似た効果があるキャットニップなどを使って、猫を夢中にさせようというわけです。

ただし、性的に未熟な子猫には効果が薄い傾向があるだけでなく、神経系の成長を妨げるリスクもあると言われています。ですから、子猫のうちはまたたびやキャットニップを使っていないけりぐるみを用意するのが安心でしょう。また、ごくまれに強く効きすぎて呼吸困難におちいる可能性があるほか、老猫や心臓が悪い猫にも悪影響があると考えられますので注意してください。

猫用のけりぐるみおすすめ10選!

ここからはネット通販で買えるおすすめのけりぐるみを紹介します。もちろん、遊ぶかどうかは猫自身が決めることですので100%の保証はできませんが、Amazonや楽天市場などで高い人気を得ているだけに、多くの猫から支持されているのは間違いありません。愛猫のためのけりぐるみ選びの参考にしていただければ幸いです。

ペティオ「猫用おもちゃ けりぐるみ タフレザー 最強のエビ」

SNSなどで人気の「エビ」のレザータイプです。通常タイプの4倍の引き裂き強度を持つ牛革を使用。革のにおいとキャットニップで猫を誘います。思い切りケリケリしてもへこたれないタフさが魅力です。愛猫の力が強いせいで頻繁におもちゃを壊してしまうとお悩みならぜひ検討してほしいひと品です。

ペティオ (Petio) 猫用おもちゃ けりぐるみ タフレザー 最強のエビ

ペティオ「らくらくデンタルTOY けりぐるみ サメ」

サメをモチーフにしたけりぐるみです。猫の興味を引くシャカシャカ音がするフィルムと、においでアピールするまたたび入り。外側はメッシュ仕様で、噛んだときに歯の汚れをからめとってくれます。歯磨きをさせてくれない猫のデンタルケア用としてもおすすめです。

ペティオ (Petio) らくらくデンタルトイ けりぐるみ サメ

Ducky World「Yeowww! Banana」

猫が好きなカーブに仕上げられたバナナ型のおもちゃです。外側は丈夫なコットンツイル製で、中には有機栽培の米国産キャットニップだけがぎっちりと詰め込まれています。レビューを見ると、キャットニップを使ったほかのおもちゃよりも猫の食いつきがいいと評判です。ただし、夢中になりすぎる猫も多いようなので、見ていられるときに時間をかぎって遊ばせることをおすすめします。

Ducky バナナ キャットニップおもちゃ

貝沼産業「ダンシングフィッシュ ウグイ」

リアルな魚がプリントされた電動タイプ。充電はスマホなどの充電器を利用できます。猫が叩いたり蹴ったりする衝撃を検知すると、まるで本物の魚のように尾を振って暴れるのが特徴です。音に敏感な猫だとモーターの音を嫌がるかもしれません。でも、クオリティーは高いのでSNS映えを狙うのにはぴったりかも。お腹の中にキャットニップのパックを収納するポケットがあります。

貝沼産業 猫用おもちゃ ダンシングフィッシュ 本体

ベストエバージャパン「LOVE PETS by BESTEVER ペットトイ アジの開き」

こちらは漫画っぽいデザインの魚型。裏側にはしっかり骨のプリントまでほどこされた本格派です。噛むとカシャカシャ系とキュッキュッ系の2種類の音がするので、音に反応する猫なら気に入ってくれるでしょう。なお、遊んでいるうちに尾びれがちぎれたというレビューがちらほらありましたので、元気のいい猫の場合はしっかり見守りながら遊ばせてあげてください。

【LOVE PETS by BESTEVER】鯵の開き型おもちゃ

ベストエバージャパン「LOVE PETS by BESTEVER スクィーキー ナガネギ」

猫にネギ類は厳禁ですが、このナガネギなら安心して与えられます。長さ35cmのロングサイズで、噛むとカシャカシャ、キュッキュッと音がします。SNS映えもしそうですから遊んでいる愛猫の写真を撮っても楽しめそうです。リアルに再現された根っこを食べてしまわないか心配な場合はあらかじめカットしておくといいでしょう。

【LOVE PETS by BESTEVER】 長ネギ型おもちゃ

キャティーマン「じゃれ猫 ケリケリネコパー トラにゃん」

猫の手をモチーフにしたケリケリおもちゃです。またたびなどを使っていないため、子猫から老猫まで安心して遊ばせられます。触るとシャカシャカ音がするしっぽも含めた長さが36cmの大きめタイプ。首が細めなので子猫でもつかみやすいでしょう。中綿も含めて洗濯可能なポリエステル素材なので、清潔さを保ちやすいのもうれしいですね。

キャティーマン (CattyMan) じゃれ猫 ケリケリネコパー トラにゃん

コメット「国産くねくねキックまくら みけ猫」

漫画チックにデフォルメされた三毛猫デザインのキックまくらです。前足でつかみやすく、後ろ足で蹴りやすいカーブの体に4本の足や耳、しっぽもついています。素材は外側がポリエステル、中綿はコットンなので洗濯はできますが、中に入っているまたたびのにおいが落ちるかもしれませんので要注意です。噛むとシャカシャカ音がするフィルムも入っています。

コメット【国産またたび入りおもちゃ】くねくねキックまくら みけ猫

マルカン「猫キック ピンク」

蹴ったり噛んだりしてストレスを解消できるおもちゃです。においと音で猫を夢中にさせるまたたび&シャカシャカフィルム入り。背面がメッシュ素材になっているのでデンタルケアの効果も期待できます。ポリエステル素材なので水洗いが可能ですが、またたびの効果は落ちるかもしれません。同じデザインで爪とぎ効果のある麻生地を使ったブラウンも選べます。

ゴロにゃんオリジナル「なめけるキッカー 光触媒加工タイプ」

猫用品専門店のゴロにゃんオリジナルのキッカー。デザインはシンプルな枕型ですが、国産またたびをたっぷり使っているので猫を引きつける力は強めです。光触媒加工がほどこされているのが特徴で、太陽や照明機器の光で汚れや雑菌を分解してくれます。また、コットン製のカバーは取り外して洗濯も可能。清潔に保てるのがありがたいです。

国産またたび100%使用 ゴロにゃんオリジナル なめけるキッカー

手作りの猫のけりぐるみもおすすめ!

愛猫が市販のけりぐるみに興味を示さないなら、自分で作ってみてもいいかもしれません。もっとも簡単なのは靴下を使う方法です。編み物や縫い物が得意なら手作りのけりぐるみにチャレンジしてみるのもいいでしょう。ネットには作り方を紹介していたり、編み図や型紙がダウンロードできたりするサイトもあります。興味があれば、検索してみてください。

簡単!靴下を丸めてけりぐるみにしよう

材料は靴下などの家の中にあるものだけでOKです。穴が開いていたり、薄くなっていたりするものさえ避ければ使い古しで問題ありません。作り方はいたって簡単。靴下の中にもう片方の靴下や古布、綿などを詰めて、履き口を縫い留めるか結ぶかして閉じるだけで完成です。

ペットボトルのラベルやコミックスの包装フィルムをいっしょに入れるとカシャカシャ音が出せますし、鈴入りの小さなおもちゃを入れるのもあり。音が出るおもちゃが好きな猫ならいい反応を見せてくれるはずです。

本格的に作るなら編み込みタイプのけりぐるみ

編み物が得意なら、手製の編みぐるみを愛猫にプレゼントするのもいいかもしれません。かぎ針で編んで綿を詰めればいいだけですし、手芸用品メーカーのサイトや個人のブログでも作り方が公開されていますから、ハードルは高くありません。

ウールなどは毛玉ができやすいうえにホコリがつきやすいので避けたほうが無難です。丈夫で繊維の出にくいコットンなどのほうが、猫が蹴ったり噛んだりしてもけば立ちにくく、目もゆるみにくいでしょう。また、飾りをつける場合は、誤飲・誤食のリスクがないように、しっかりと取り付けること。それから、清潔に保ちたいので洗える素材を選ぶことをおすすめします。

100円ショップの材料で作る布製けりぐるみ

ミシンを持っていれば、手作りのけりぐるみにもチャレンジできます。布や中に詰める綿は100円ショップでも手に入りますし、ネットで検索すれば無料の型紙も見つかります。基本的には、袋状に縫って綿を詰めればいいだけですから、初心者でもそれほど時間はかかりません。

市販品にはないオリジナリティーを狙ってもいいですし、力の強い猫でも簡単に壊せないぐらいの頑丈さを目指してもいいでしょう。やはり誤飲・誤食のリスクを考えて、飾りは最小限に。食いちぎる可能性のあるヒモ類は避けるのがおすすめです。

猫がぬいぐるみに興味を示さないときの遊ばせ方

猫がけりぐるみに興味を示さないのは、多くの場合、単純に興味がないからです。無理に興味を持たせようとするよりも、あきらめて別のおもちゃを用意したほうが賢明でしょう。しかし、猫は気まぐれな生き物ですから、なにかの拍子に遊んでみる気になる可能性もありえます。

たとえば、ぽいっと投げてみたり、目の前で振って見せたりすることで、動くものを追いかけたり襲ったりする本能的な反応を引き出せるかもしれません。あるいはまたたびの粉末やスプレーを使うとそれまでとは違った態度を見せてくれる場合もあるでしょう。

なお、おもちゃは出しっぱなしにすると見慣れて遊ばなくなるケースもあります。普段は猫の手が届かない場所に片づけておいて、遊ぶときだけ見せるようにするほうが飽きにくいです。

まとめ

けりぐるみは、猫にとって狩猟本能を刺激するおもちゃです。猫が持っている「狩りをしたい」という欲求を満たすことができ、同時に運動不足やストレスを解消する効果が期待できます。

ただし、爪を立ててつかみ、蹴ったり噛んだりするので傷みやすいところには注意が必要ですし、飾りや部品が取れると誤飲・誤食の危険があります。ですから、遊ぶ前に生地や縫い目などに問題がないかどうか、部品などが取れかけていないかどうか確認するようにしましょう。

また、噛むとよだれが付着して不衛生になりやすいのも気をつけたい点です。遊んだあとはきれいに拭いて、よく乾かしてから片づけるのがおすすめです。あとは、愛猫が気に入ってくれるけりぐるみを見つけられるかどうか。猫の気まぐれさを考えるとこれがいちばんむずかしいところかもしれませんけどね。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫のけりぐるみおすすめ10選!エビや魚、またたびが付いたものまで