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最大の特徴である被毛は、とっても独特です。
独特のフェルト状のコートを着ている大きな牧羊犬です。
羊などをオオカミや泥棒から守り、とっても優秀な護蓄犬として、人間のパートナーとなって暮らしてきました。
極寒の中などの厳しい気候にも耐えることができます。
日本では、ほとんど会う機会がないかもしれませんが、それでも海外から輸入され日本で暮らしているベルガマスコもいるようです。
性格は優しく、知性的で忍耐強いのですが、少し頑固なところもあるようです。
しつけの飲み込みも早く、判断力も高いので、とても優秀な作業犬として活躍してきました。
ベルガマスコは、体高がオスの場合約60~62cm、メスの場合は56~58cmほどにもなる大型犬です。
なんといっても、この犬種の一番の特徴は、ボリュームのある被毛です。
体も顔も全体を覆っている被毛は、厳しい気候にも耐え、さらにオオカミの鋭い牙も通すことがないほど、体を守っています。
多分、この犬種を初めて見ての多くの人が持つ感想は、「すごい大きなモップ犬がいる!」という感じでしょう。
コモンドールも”モップ犬”として有名で、その愛らしい姿が人気ですけど、ベルガマスコはコモンドールよりも1本1本がより太く束になっています。
被毛で眼が隠れていることがありますが、リボンなどで止めてあげると、チェスナットのつぶらなかわいい瞳が見えます。
目は顔のお肉に埋もれているような感じで、ちょっとまぶたが重そうです。
表情はとても癒し系で、ときに「おじいさんのように見える」なんて言われています。
キリッとした表情というよりは、ほがらかな表情をしているんですね。
耳はたれ耳です。
被毛でどんな耳かも見えづらいのですが、ピンと立ち上がっているわけではなく、三角形のやらかい耳が垂れているんですね。
あごひげがたっぷりで、頭の被毛は真ん中から分かれるようにして流れています。
頭部が長く体高の10分の4くらいあるほどです。
マズルは短めで、しっぽはサーベル型です。
ベルガマスコは、とても筋肉質な体をしています。
被毛でよくわかりませんが、がっしりとした体つきをしています。
四肢もしっかりとしていて、足は握りがしっかりとしていて、いかにも牧羊犬として活発に、そして勇敢に働く事ができそうです。
体重ですが、オスの場合32~38kg、メスの場合26~32kgほどになります。
平均的な寿命ですが、約13年と言われています。
ベルガマスコの持つ特性などを理解しながら、適切な飼育をすることによってもっと長生きしてくれることもあるかもしれません。
基本的にとても丈夫な犬種のようです。
michelangeloop/shutterstock.com
ベルガマスコは、最初に原種が飼われていた時代はよくわかっていないのですが、イランやイラクの国境をまたぐ山脈で、2千年以上前に羊飼いによく飼われていたようです。
ですから、そのルーツはかなり古く、古代から人間とともに暮らしてきた犬種です。
紀元前1000年から紀元前元年の頃に、フェニキア人がイタリアにつれてきて、その後イタリアで飼育され始めたようですね。
高山では大変貴重だったことから、1頭の犬が何百の羊を扱うことが多く、大変活躍していました。
原種はアジアから持ち込まれたといわれていますが、時代があまりに古くあまり詳細な文献が残されていません。
その後フランスやスペインにも持ち込まれました。
この犬種は、とても体が大きいのでオオカミや泥棒たちから大事な羊を守るために大活躍するとともに、羊を誘導させて移動させるという、ボーダーコリーが得意とするような優秀な誘導犬としての働きもしました。
そして、あの分厚い被毛のおかげで厳しい天候にも耐えることができ、丈夫な体をしているので、本当に優秀な牧羊犬だったことがわかります。
しかし、この優秀なベルガマスコにも試練とも言える時代を迎えます。
それは、第二次世界大戦のさなかですが、放牧でのウールの需要が激減し、さらにこの犬種は手入れが大変なこともあり、第二次世界大戦勃発により頭数がかなり減ってしまい、絶滅の危機に瀕します。
しかし戦後に、イタリアのブリーダーであるAndreoliさんという女性が、科学者として品種の遺伝を研究し、40年かかって繁殖後、現在に通じる被毛を持ったベルガマスコ・シープドックの誕生となったのです。
そして、とてもめずらしい被毛を持つ変わった犬種として、国内外から注目されるようになります。
19世紀のショードッグで登場した後には、さらに被毛を厚くするように改良されました。
現在も、ほとんどのベルガマスコがショードッグとして活躍しているようです。
ペットまたは作業犬として飼育されている個体は少ないみたいですね。
しかし、セラピードッグとして活躍するなど、その性格の良さと穏やかで明るい性格は、今でも人間を癒やし、とても素晴らしいパートナーとなってくれています。
名前の由来は、繁殖されていた土地から取られているようです。
昔は「カネ・ダ・パストーレ・ベルガマスコ」と呼ばれていたこともあったようです。
その後、北イタリアにあるベルガモという街の名前から、現在の「ベルガマスコ・シープドッグ」という名前になったそうです。