猫はボンネットの上やエンジンルームが好き?

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みなさんは野良猫がポカポカと温かい陽だまりの中、気持ちよさそうにお昼寝をしている姿を見かけたことはありませんか?猫は寒がりなので、暖かい場所を求めて過ごしています。特に寒い季節になると、車のボンネットやエンジンルームで寝ることがお気に入りの猫が多いようです。

でももし猫がエンジンルームにいることを知らずに、そのまま車を発車してしまったら猫ちゃんはどうなるのでしょうか。この記事では、大切な猫の命を守るためにどのように事故を未然に防ぐことができるかについて詳しく解説していきます。

猫がエンジンルームが好きな理由

猫がエンジンルームに侵入していることに気づかず、そのままエンジンをかけてしまう事故がよく発生しています。なぜ猫はエンジンルームを好むのでしょうか?

そもそも猫が温かい場所や狭い場所を好む生き物です。運転し終えたばかりの車はエンジンの余熱でポカポカと程よく暖かい状態となっていますので、まさに猫好みの場所です。

特に家がなく野外での生活が強いられている野良猫たちは、寒い日にエンジンの暖かさを求めて、ボンネットの上やエンジンルームの中を寝床とすることが少なくありません。またボンネットは雨風が入りにくいため、周囲と比較するなら暖かく、猫にとっては最高の寝床と言えるでしょう。

さらに暗くて狭い空間というのも猫好みとなっています。駐車場は人の行き来も少ないので、警戒心の強い猫にとっては絶好の場所なのです。

猫は自分が気に入った場所は何度も繰り返し訪れる習性を持っています。そのため、車のボンネットの中が”暖かくて気持ちいい~”とか”お昼寝に最高の場所~”と学んでしまうと、毎日のように寝床として使用することでしょう。

車のエンジンルームは猫だけでなく、ネズミやヘビ、鳥などが巣を作ることもあり、1年を通して何かしらの事故が発生しています。ですから、エンジンルームに猫のような小動物が入り込まないように対策を打つことはとても大切です。

猫はどこからエンジンルームに入り込むのか

では、猫などの小動物はどのように車のエンジンルームの中に入り込むのでしょうか?それはエンジンルームの真下にある、わずかな隙間から入り込んでいると言われています。

車の下のエンジン周辺をみると、エンジンやサスペンション、トランスミッション、ステアリングラックなど車のパーツが密集しているためとても狭くなっていますが、柔軟な体を持つ猫であれば、わずかな隙間からでも簡単に侵入することができるのです。

もちろん肥満気味の猫ちゃんにとっては狭すぎて入りにくいこともありますが、子猫など体が小さければ小さいほど入りやすいでしょう。エンジンルームに入ってしまう猫の約9割は子猫と言われています。

事故防止のために”猫バンバン”をしよう

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”猫バンバン”とは、車に乗る前に猫がエンジンルームに入っていないかどうかを確認するために、車のボンネットをバンバンと叩くことです。

わざと大きくバンバンと叩くことで爆睡している猫を起こし、今から車を動かすことを猫に知らせることを目的としており、自動車メーカーも推奨しています。

たいていの猫はバンバンという音を聞くと、驚いて急いで飛び出し逃げていきます。暖かくて狭い空間で気持ちよく寝ていた猫ちゃんを起こすのは気の毒ですが、事故を回避するためには必要な対策です。ただ、バンバンと叩く際あまりにも強く叩くとその音に驚きすぎてしまい、ボンネットの中に取り残されてしまう子もいます。

また狭い隙間から入ったものの、叩かれた音でパニック状態になってしまって出口が分からなくなってしまうとか、生まれたばかりの子猫たちを残して親猫だけが逃げる・・などのケースもあります。

ですから猫バンバンをした後は、猫の鳴き声がしないか耳を澄ましてみましょう。そしてもし猫の鳴き声が聞こえるようなら、ボンネットを開けて隠れている猫を見つけてみましょう。

他にもできるボンネット対策

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エンジンルームにいる猫は、ドライバーが車内に乗り込んでもそれい気づかずに逃げない子もいるので、上記でご紹介した”猫バンバン”をすることは有効です。

それに加え、クラクションを鳴らしたり、ドアを強めに閉めたりすることも効果的です。さらに次のようなボンネット対策もおススメです。

①車用カバーを使用する
屋外で車を保管している場合は、野良猫が車に近づかないよう対策することは大切です。そのひとつとして車用カバーを使用するのがおススメです。

車用カバーは車をタイヤまで覆うこともできるカバーもあるので、タイヤを爪研ぎしたり、車の上に乗って汚されたりすることも回避できます。また、野良猫が隙間からエンジンルームへ侵入することを防ぐために”重し”を利用するなら、車をしっかり守ることができるでしょう。

②忌避剤グッズを使用する
野良猫予防には忌避剤グッズも有効です。液体タイプの忌避剤は原液のまま使用するとニオイがキツイので、必ず水で薄めて使用することを忘れないようにしましょう。

市販の忌避剤のほかにも、猫は柑橘系のニオイを苦手とするので、柑橘系の芳香剤の使用も効果的です。またコーヒーの出がらしや木酢液、漂白剤、クレゾールなども忌避剤として使えます。

ただし壁などに囲まれていない共通の駐車場などでは、ニオイが空気の流れで薄くなってしまうので、思うような効果を期待することができないかもしれません。

③別の場所に車を保管する
野良猫がいつもくつろぎに来る憩いの場になっているなら、車の駐車場を変えることもひとつの方法です。

今注目されている”超音波発生器”!

近年注目されているボンネット対策は、”超音波発生器”です。超音波発生器は人間の体ではなく、猫の身体のつくりに合わせて作られているため、有効な働きが期待されています。

人間は14~20kヘルツ程度の音までしか聞くことができませんが、猫の場合は100kヘルツ程度の周波数まで聞きとることができます。超音波発生器は、猫が聞き取ることができる周波数を流すことで、猫が嫌がって車に近づかないことを目的としています。

しかし機種によっては、耳の良い人は聞こえてしまうことがあるので、購入の際には周波数をチェックされることをおすすめします。


情報提供元: mofmo
記事名:「 “猫バンバン“って何のこと?事故防止のためにできるボンネット対策とは?