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それぞれには様々な意味があるようです。一つずつ見てみましょう。
猫が爪とぎをするのもマーキングの一つですが、これは気分が盛り上がって、自分が元気な猫であることをアピールしたい時に行います。
猫は肉球から自分が元気であることを表すフェロモンを出しているので、爪とぎをすることで、ここに元気な猫がいる!ということをアピールしているのです。
たまに猫が家具に顔をこすりつけていることがありませんか?飼い主のそばにやってきて脚に顔をこすりつけることもあります。
このように猫は自分が好きなものに顔をこすりつけることがありますが、これもマーキングの一つなのです。これは猫がリラックスしているときに行います。
猫はほほや顎の分泌腺からにおいを出して、好きなものに顔をこすりつけることで自分のにおいを付けます。こうして自分の縄張り内に好きなものがあって、それらににおいを付けることで安心できる場所にしているのです。
上記の二つのマーキングは人間にはほとんどわからないようなにおいなので、私たちは特に気にならないマーキング行為かもしれません。
しかし最後に挙げる「おしっこをかける」マーキングは、猫のマーキング行為の中でも一番迷惑な行為ともいえるでしょう。一般的に「スプレー」行為ともよばれるマーキングです。
しっぽを上にあげて壁などに勢いよくおしっこを吹きかけますが、スプレーの時のおしっこは普段のおしっこよりも濃いおしっこをするため、においも強くなっています。そのため家の中でスプレー行為をされるとにおいが強く大変迷惑な話となるのです。
なぜ猫はスプレーをするのでしょうか?スプレーは去勢をしていないオス猫がメス猫を引き付けるための性的な意味や、知らない猫が自分の縄張りに来た時や新しい環境下に置かれるなど不安になった時、自分の縄張りを示すために行う行為です。
室内で何度もスプレー行為をする場合は、もしかしたら生活環境に対してのストレスが大きいのかもしれません。一般的にスプレー行為をするのは去勢していないオス猫ですが、去勢済みのオス猫やメス猫にも見られることがあります。
De Visu/shutterstock.com
ここまで猫のマーキングについてみてきましたが、マーキングの一つである「スプレー」は、猫の困った行動でもいつも1位にあげられるほどの迷惑行為です。
というのもただでさえ臭い猫のおしっこですが、スプレーのおしっこはさらに濃く、そのニオイは強烈で家の中でやられてしまうと大変なのです。ではこの厄介なスプレー行為に対して飼い主は何ができるでしょうか?
スプレー行為をやめさせる一般的な方法は「避妊・去勢手術」をすることといわれています。避妊・去勢手術によって約90%に効果があるといわれています。
スプレー行為は性ホルモンが関係しているといわれているので、特に性的に成熟する前に避妊・去勢手術を行うことによってスプレー行為はなくなります。というのもスプレー行為の多くは発情期に異性へのアピールのためでもあるからです。
ただし一度でもスプレー行為をした猫の場合は、そのあとで手術をしたとしても100%やめさせることは約束できません。たとえ去勢してもスプレー行為が続くこともあるようです。
ですから避妊・去勢手術を考えているなら早めが良いですね。しかし避妊・去勢手術を行うと子供は産めなくなるので獣医ともよく相談してから行うと良いでしょう。
スプレーをする間だけ、おむつをさせるのも一つの方法かもしれません。
例えばスプレーをする原因が発情期のメスに対するアピールだった場合、去勢手術をしていないとどうしてもスプレーをします。ですからその期間だけおむつを使用するといった具合です。
ペット用のおむつは犬用がほとんどで、猫用のおむつは販売されていません。ですから小型犬用や犬猫兼用といったおむつを選びましょう。
とはいえ猫におむつを付けるのは、猫にとって大きなストレスです。ですからずっとおむつをつけっぱなしでいるのはやめましょう。一時的な方法にとどめておいてください。
もしも家の中でスプレーされてしまったら素早くきれいにしましょう。早めに雑巾やペーパーでふき取ります。そして消臭スプレーやアルコールを使ってにおいを消して消毒します。
猫は一度においが着いた場所に再びスプレーをする傾向にあります。ですから一度スプレーされた場所は徹底的にきれいにして、ニオイを残さないようにしましょう。
ペット用品売り場ではマーキング臭専用の消臭剤も販売されています。しっかりにおいをとりましょう。
猫のスプレー行為は同じ場所に何度もする傾向があります。そのため一度されてしまったらしっかり掃除をして、ニオイを残さないようにしなければなりません。
とはいえ縄張りを主張するためににおいが消えたら、また同じ場所にスプレーする可能性もあります。自分のにおいが消えないように定期的に行うかもしれません。
そこで利用できるのが「トイレシーツ」です。スプレー行為される場所が特定できたなら、そこに前もってトイレシーツを貼っておくことができるのではないでしょうか?
トイレシーツはおしっこをしっかり吸収して消臭してくれます。ですからにおいが残りにくく、また簡単に取り換えができます。とっても便利なアイテムですよ。
猫がスプレー行為をするのにはいろいろな原因があります。ですからまずどうしてスプレー行為をするのか原因を探ってください。そしてその原因を取り除いてあげましょう。原因がある限りはスプレー行為もなくならないかもしれません。
原因を知ることは簡単ではありませんし、根気強く調べなければいけないかもしれませんね。ではどんなことが原因に考えられるでしょうか。
・同居猫がいる、他のペットがいる
・引っ越して環境が変わった
・さみしい
・部屋が気に入らない
・トイレが気に入らない
・発情期
こういったことが原因として考えられます。
同居猫がいたり他のペットを飼っていたりする場合、それらのにおいがする場所にスプレーをするかもしれません。その場合は時間をかけて慣れさせる、完全に部屋を分けるなどできるでしょう。
またきれい好きの猫にとってトイレは重要です。トイレはこまめに掃除することができますし、もしトイレ砂や場所が気に入らないことが理由であれば変えてあげることができるかもしれません。
また気ままな動物の猫ですが、飼い主の気が向けられていないと感じると寂しく感じてストレスとなります。こちらから遊びに誘うことも大切です。
このように原因となっている不安やストレスを取り除くことでスプレー行為も落ち着くかもしれません。
決まった場所にスプレーをするようでしたら、そこに猫の食器やベッドを置いてしまうことも一つの方法です。
猫は習性として自分の使っている食器や食べ物、寝床にはスプレーをしません。ですからスプレーされたくないところに食器やベッドを置くことで、スプレー行為の防止になるでしょう。
また市販の忌避剤を使うのも一つですね。どうしてもスプレーされたくない場所には猫除けを使用してはいかがでしょうか?他にも猫のフェロモン製剤を使用するのも一つの方法です。科学的に合成したものでマーキング防止スプレーとして販売されています。
これはタイミングが大事ですが、猫がスプレー行為をしそうになったなら猫の気をそらします。おもちゃを差し出したり、音を鳴らしたりして注意をそらすのです。またおしりを下げるように体を撫でるなども効果的なようですよ。
しかしこれはタイミングがよくないとスプレー阻止にはなりません。
スプレー行為をする猫に対して絶対にしてはいけないのは「怒る」ことです。
スプレー行為は猫の本能による行為ですし、飼い主が怒ったとしても猫にとってはどうして怒られているのかわからないため、怒ったところでスプレー行為をやめさせることはできないでしょう。むしろ愛猫と飼い主の信頼関係が悪くなってしまうだけです。