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東京都世田谷区の豪徳寺は、招き猫の発祥の地のお寺として知られています。
話は江戸時代までさかのぼります。彦根藩の2代目藩主である井伊直孝が、鷹狩りをした帰りに豪徳寺の前を通りかかったとき、このお寺の和尚さんの猫が井伊直孝に手招きするようなしぐさをしたため、お寺に立ち寄ったようです。
すると急に雷雨が降り出してきました。雨宿りをしながらお寺の和尚さんを話しをしているうちに二人は仲良くなります。
後日、猫によって雨に濡れずにすんだ井伊直孝は、荒れていた豪徳寺を建て直すために多額の寄進をします。その後、寺は井伊家の菩提所となり、寺は栄えていったという言い伝えです。
■浅草の今戸神社説
現在、東京都台東区今戸1-5-22にある今戸神社は縁結びとして有名な神社です。1963年の平安時代に建設されました。招き猫の今戸神社説は、江戸末期に浅草に住んでいたある老婆と猫の話が言い伝えとなっています。
江戸末期、貧しさのゆえ飼い猫を手放さなければならなくなった老婆は泣く泣く猫を手放し、親戚の家に行くことになりました。するとある日、夢にこの猫が現れて「自分の姿を焼き物にしたら必ず大きな福を授かります」と言い残しました。
老婆はその夢の言葉通り、猫の姿を今戸の焼き物にし、片手を挙げた猫の人形を作り浅草神社の参道で売ったところ、生計が立つようになり自分の住んでいた家に戻ることができました。
昭和の終わり頃、今戸神社は招き猫の社と看板を掲げ、パワースポットとしてブームになり現在に至っています。
■新宿の自性院説
新宿区西落合1-11-23に自性院という猫地蔵を祀った寺があり、招き猫の発祥の地として知られています。
時は室町時代・文明九年のにまでさかのぼります。江古田・沼袋原の戦いで、太田道灌という武将が敗れて道に迷っていると、黒猫が現れて手招きをし自性院に案内して危機を救ってくれました。
そのため道灌は命拾いをし、後の戦いで勝利することができました。この黒猫が死んだあとに手厚く葬り、作られたのが猫地蔵です。
境内には猫地蔵を祀る地蔵堂があり、入り口の門柱の上に招き猫があります。
招き猫は、挙げている手によって意味やご利益が違ってくると言われています。では、それぞれの意味やご利益をみていきましょう。
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右手を上げている招き猫の意味は、金運や幸運を呼び寄せてくれると言われています。
宝くじに当たるような運を呼んでくれたり、財宝を手に入れさせたりしてくれるといった運を呼びたい方が右手を挙げている招き猫を置きます。
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左手を挙げている招き猫は、商売繁盛や良縁に恵まれるなど、人に関する福を呼び込んでくれることを意味しています。
商売繫盛を願うお店の場合、たいていお客を呼んでくれる左手を挙げているタイプの招き猫が置いてあります。また、恋愛や結婚の相手を見つけたい人にはいい人を呼んでくれるという、新しい出会いを招くという意味で左手の招き猫を置く人もいます。
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招き猫と言えば、どちらかの手を挙げているイメージを持つ方が多いことでしょう。でも、実は両手を挙げているタイプの招き猫もいることをご存じでしたか?
両手を挙げた招き猫は、一見すると両手なのでたくさんの運を運んでくれるように見えますが、お金も人間の縁もいろいろ欲張りすぎてお手上げ状態という意味があるようです。
両手でバンザイすることで倒産や破産、手放すなどの意味があり、あまり喜ばしいものではないと言われています。
しかし中には、両手を上げているので金運にも良縁にも恵まれるという意味だと捉える人もいるので、考え方次第と言えるでしょう。
でも一般的にはマイナスイメージが強いため、招き猫が売られているお店で両手を挙げている招き猫を見ることはほとんどありません。
手を挙げている姿が可愛い招き猫ですが、よく見ると手の高さが異なっています。では、手の高さにはどのような意味があるのでしょうか?
招き猫は、手を挙げている高さが高いほど遠くの金運や大きな幸運を呼び寄せる力があるようです。一方、耳の下あたりまでしか手を挙げていない控え目な招き猫は、近くの金運や幸運を引き寄せると言われています。
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招き猫の模様は、三毛猫が一般的です。しかし、近年の風水ブームの影響で、招き猫に色をつけて風水の要素を取り入れた招き猫が人気となっています。
色によって、ご利益など意味が違うものとして扱われています。また、風水では方角がとても大事なので、置く場所によってもご利益が変わってくると言われています。
白い招き猫は「開運」、風水では全体運を上げる色と言われています。
昔は招き猫と言えば白い色でした。今では風水の影響もあり白色以外の色の招き猫もありますが、白色の招き猫の人気は不動です。
リビングや寝室などに置いても、気分をリフレッシュできるでしょう。
黒猫と聞くと不吉なイメージがあります。なぜなら、黒い色には強力なパワーがあると考えられているからです。そのため、黒い招き猫は「魔除け」に効果があると言われています。
悪い運気が入ってこないように、玄関や店先に置くことができるでしょう。
招き猫の中でも赤色猫はとても珍しく、「無病息災」をもたらしてくれると言われています。
健康を維持しいつまでも元気でいたいことを願う方には、赤色の招き猫がおすすめです。デスクやリビングなどに置くとその効果を期待できます。
金色の招き猫は白色の招き猫の次に人気があります。金色という色の通り「金運」を招く効果があります。金色同様、黄色も「金運」を呼び込むと言われており、どちらも部屋の西側に置くと効果があるようです。
ただ、招き猫を置く場所が汚れていると金運が逃げてしまうので、常にキレイに掃除することが大切です。西側に置くことができない場合は、太陽の光が当たる場所に置くことが推奨されています。
青色の招き猫は、交通の安全を招くと言われています。
また知性をあらわす色としても青は知られており、青色の招き猫には学業の向上のパワーもあると考えられています。
緑色の招き猫は、学業を向上させる効果があります。特に受験生の味方として、合格を招き寄せてくれると言われています。
ピンクと言えば「恋愛運」です。特に女性に人気がある色で、南西に置くと女性をイキイキさせてくれる効果があると言われています。
また、ピンク色には若返りの効果もあるようです。
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招き猫は縁起物のひとつです。縁起物は、購入した人の気持ちが注入されることではじめて意味を持ちます。つまり、置く場所や置き方が深く関係してくるということです。
招き猫は人が大好きなので、人に見られる場所や声をかけてもらいやすい場所に置くなら、多くの人に幸運や福を招いてくれることでしょう。
ですから、人が良く通る場所や集まる場所に置くようにしましょう。一般家庭の場合は、家族や来客の目に一番触れるリビングが最適と言えます。
一方お店の場合は、ひとりでも多くのお客様を招くために、入り口や店先に置くのがベストです。
〇リビング
招き猫は人が集まる場所が大好きです。家の中に置く場合は、家族が一番集まるリビングに設置しましょう。
〇食卓
家の中でリビングの次に人が集まるのは食卓です。招き猫は、家族が揃って会話をしながら食事をしている姿を見ることが好きと言われています。
〇玄関
玄関は人が出入りする場所なので、招き猫に適している場所と思われがちですが、玄関で招き猫が運を吸い取ってしまい、家の中まで持ってきてくれないとも言われています。