コーギーってどんな犬?

イギリスのエリザベス女王が18歳の時に、お父様からプレゼントされて以降、80年以上も寵愛され「ロイヤルドッグ」とも言われているコーギーですが、王室の人までも魅了するとは一体どんな犬なのでしょうか?

コーギーの特徴や飼育の仕方、さらにお勧めのドッグフードなどをご紹介します。

コーギーには二種類ある

まず基本的な点として、コーギーといっても「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の二種類に分かれます。

「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」は少し小柄で、丸い耳をしているのに比べて、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の方は、少し低い位置にピンとたった耳がついており、胴も長めで、コーギーの特徴である胴長短足が強調されています。

さらに、ペンブロークの方は生まれてすぐに断尾されることが多いので、短い尻尾か全くないことが多いですが、カーディガンの方は、尻尾はそのままの状態で残されて、ふさふさとした長い尻尾をつけていることが多いです。

しかし、二種類ともよく似ており、長らく区別されることなく「ウェルシュ・コーギ」という同じ犬種として登録されてきていました。しかし1934年に、イギリスの犬の品種を認定する団体であるケンネルクラブにより、別の犬種として登録されることが決定されました。

日本の家庭で飼われている割合は、2016年の犬種別犬籍登録数によると「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」が5,458頭で、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」は63頭と圧倒的にペンブローが多い状態です。

ですからこの記事では、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」をさしてコーギーと呼ばせていただき、特徴や飼育方法などの内容も、ペンブロークに合わせて書かせていただきます。

ちなみに、エリザベス女王が寵愛されているのも「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」の方で、私たちがコーギーと聞いてまずイメージするのは、ペンブローでしょう。

起源

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コーギーの起源は、スェーデン周辺の犬が海を渡ってイギリスに来たという説と、フランス人によって持ち込まれたという説の二つが有力とされています。

いずれにせよ、名前の一部にもなっているイギリスのウェールズ地方で、12世紀頃から牧畜犬として飼われて、長きに渡り人間とともに暮らしている歴史のある犬です。

牧畜犬とは、牛や羊などの家畜の群れを牧草地に誘導したり、厩舎に入れたりする時に、群れから外れるものを正したり、脱走したりすることがないように見張ったり、または群れを守る番犬としての、牧場主の指示に従って働く犬のことです。

ですから、牧場主の指示を理解しその通りに行える、聡明さと忠実さが必要になりました。さらに牛や羊など、自分より大きな動物を管理し、しかも敵から守ることもするわけですから、勇気と力を兼ね備えている必要もありました。

「コーギー」とは、ウェールズ語で、「小人の犬」という意味があるそうでが、平均体高が30cm、平均体重は8kg?18kgと確かに小柄です。しかし、系統的には北方のスピッツ系で、運動量も体力もあり、顎の力も非常に強いパワするな犬です。

しかも頭が良く、自己判断能力にも長けているので、小柄ながらも牧羊犬として必要な資質を全て持ち合わせている犬として、長年牧場主に愛され、群れを管理するパートナーとして信頼されてきたのです。

しかも、その小柄な体型が牛を管理するのに特に重宝されました。なぜなら、群れから離れないように牛の足を噛むと当然牛は反撃に出ますが、コーギーは体高が低いので、牛の反撃をかわしやすかったのです。

断尾されるのが習慣になっているのも、牧畜犬としての名残で、牛や羊に踏まれて怪我をしないようにカットされたのが始まりです。本当は、フサフサの長い尻尾があるので、牧畜犬としての働きが必要ない現代では、オリジナルの美しさを認める働きも起きています。

被毛のタイプ

一般的なコーギーのイメージとして、茶色と白のフサフサの毛に覆われている姿を想像されると思います。短い足でちょこちょこと歩くたびに、美しい毛で覆われたモコモコの体が揺れ動くのがなんともキュートですね。

そんな可愛らしいコーギーの被毛のタイプと、カラーバリエーション、お手入れの方法などをこれからご紹介します。

ダブルコート

コーギーは、ダブルコートと呼ばれる被毛で、外側には硬めで中くらいの長さの被毛が生えており、内側には短くて柔らかい被毛が生えています。

内側の毛は寒さから身を守るためのものなので、寒さの厳しいウェールズ地方出身のコーギーには、ふわふわの被毛がびっしり生えています。そして、気温が暖かくなる夏場には、それらがごっそり抜けるので、びっくりする人もいるほどです。

とにかく抜け毛が多く、日々のブラッシングは欠かせませんし、季節の変わり目など、特に抜け毛がふえる時期には念入りな被毛のケアが必要になります。

トリミング

基本的にサロンでのトリミングは必要ではありません。しかし、夏場は暑さを軽減するために、サマーカットをして少しでも快適に過ごせるようにしてあげる飼い主さんもいらっしゃいます。

また、冬場に増える内側の毛を処理するレーキングを行って、抜け毛が否塞なる換毛期のお手入れを楽にすることも勧められています。

さらに、毛足が長い子の場合には、毛先が地面について汚れたり、排泄の時に邪魔にならないように、衛生面から毛先をカットしたり、バリカンなどで整える部分トリミングをしてあげる場合もあります。

このように、トリミングは必要のない犬種ではありますが、飼い主さんの負担を減らし、愛犬も快適に過ごすためにドッグサロンを上手に活用するなら、愛犬との時間をより楽しむことができるでしょう。

被毛の色

公式に認められているコーギーの被毛の色は、4種類あります。一番目は、オーソドッグスな色で、小麦色のような濃い茶色の「レッド」です。そして二番目は、レッドをベースに毛先が黒くなっている「セーブル」で、この二種類は日本でもよく見かけます。

公式に認められているコーギーの被毛には、どのカラーであっても白色がところどころに混ざる必要があり、「レッド&ホワイト」、「セーブル&ホワイト」と呼ぶこともあります。

三番目は、ブラックがベースに白や茶色などが混ざっている「ブラック&タン」です。これ以外にも「ブラックタン&ホワイト」、三色混ざっているので「トライカラー」とも呼ばれます。

最後の四番目は「フォーン」です。これはとても珍しいタイプで、茶色というよりは金色に近い色で、明るく輝いて見えます。他の色と同じように、ホワイトがところどころに混じっており、「フォーン&ホワイト」とも言われています。

特殊なカラーとして、大理石のような模様の「ブルーマール」や、白い模様が全く入っていないもの、さらには「フラッフィー」と呼ばれる、被毛が長い個体も生まれることがありますが、これららは公式には認められていません。

公式以外のカラーバリエーションや被毛の長さでも、可愛らしいものが多いですが、劣性遺伝とされているので、一般家庭に迎える際には去勢や避妊手術をすることが必要になります。

情報提供元: mofmo
記事名:「 「ロイヤルドッグ」とも言われているコーギーってどんな子?特徴や飼育の仕方も紹介!