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野生の動物が群れで生活する時には、統率をはかるために上下関係が徹底されます。自分よりも力が強く敵から守ってくれる存在や、生き延びるために必要な食料を確保し、群れや自分に与えてくれる存在をリーダーとして認め、信頼し、従います。
この犬のもともと備わっている習性を利用し、おやつを有効に使うなら、自分をリーダーとして認めさせ、愛犬との信頼関係を確かなものにするために役立ちます。
先ほど触れたように、犬はおやつの内容で感情が変わるということはなく、食べ物をくれる回数分だけ喜び、食べ物をよくくれる人のことを自分のリーダーと認識するようになります。
そしてリーダー決めたルールを守り食べ物をもらえることがわかれば、飼い主の指示に忠実に従ったり、共に快適に生活していくために必要な、トイレトレーニングや無駄吠えをしないことなどを学習していきます。
つまり、犬にとっておやつとは、食べ物に過ぎないが、もらえることは非常に嬉しく、くれる人のことを信頼するようになるものであることがわかります。
このことを理解するなら、躾やトレーニングのを始める頃に、犬におやつをあげることには確かにメリットがあると感じるのではないでしょうか。
もちろん、おやつ抜きで躾をすること可能ですが、「飼い主の指示を聞くと良いことがある」と覚えこませるのに、食べ物は一番わかりやすく、手っ取り早い方法ですので、活用しない手はないと思います。
ここまでで、愛犬との良い信頼関係を築き、必要なことを教える時に、おやつは助けになることがわかりましたね。
そうすると次に、「いつから躾を始めるのか」「トレーニングを始めたらすぐにおやつを与えても良いのか」という疑問が出てきます。
結論から言いますと、絶対におやつをあげてはいけない時期があります。
離乳食を卒業する時までは、胃腸が未熟な状態ですので、おやつを消化できずに小さな体に負担になってしまいます。ですから、ミルクを飲んでいたり、ふやかしたドッグフードなどの離乳食を食べている赤ちゃんには、おやつをあげてはいけません。
事情によっては、月齢が低い子を家に迎えることになったり、今まで食べていた離乳食を食べさせるように、獣医やペットショップの人に言われている小さなワンちゃんを飼うことになる場合もあるでしょう。
そんな赤ちゃん犬でも、家に来たならトイレトレーニングや、最低限のことを教えようと躾を始めるかもしれません。しかし、そのような小さなワンちゃんを教えたり、コミュニケーションをとるために、おやつを使用することは絶対にやめてください。
犬は自分で食べない方が良いと判断したり、断ったりすることはありません。飼い主さんが与えたものを疑うことなく食べてしまいます。しかし、受け入れる準備ができていない未発達な体に、大人の食べ物をあげることは子犬の健康に深刻な影響を及ぼします。
子供の時に、消化できないものを食べたことが原因で、アレルギーになってしまい、一生苦しむこともあるそうですから、「ちょっとくらい大丈夫」「可愛いから食べさせたい」などと、無責任な考えはやめましょう。
飼い主の責任として、愛犬の健康を最優先した食事内容を実行し、自分のエゴは捨て去るようにしてください。
あくまで目安ですが、だいたい生後4ヶ月くらいまでは離乳食のことが多いので、おやつを控えることをお勧めします。
離乳食を卒業して、日増しにたくましく成長していく様子を見るのは、飼い主にとって嬉しいことですよね。
今までは、ふやかして食べさせていたパピーフードも、固いままでもガツガツ食べるようになり、体格も良くなり、力もついてきて、やんちゃも盛んになって、可愛いながらも困らせることも増えてきます。
生後6ヶ月になると、反抗期を迎えると言われていますので、躾もいよいよ本格的に、厳しく行わなければと、覚悟を決めておられるでしょう。
確かに、子供の時の躾は非常に大切で、この時期に甘やかしてしまうと、自分が飼い主より偉いと勘違いしてしまい、飼い主に要求吠えをして、自分のわがままを通したり、人間に対して偉そうな態度を取る困った犬になってしまいます。
ですから、おやつを有効活用して、正しい主従関係を教え込み、飼い主に忠実で従順で、みんなからも愛されるお行儀の良い子に育てるために、きちんとした訓練を行うことは大切です。
生後10ヶ月になれば、大抵の犬は、乳歯から永久歯に生え変わるので、成犬が食べるドッグフードは問題なく食べられます。ですから、生後6ヶ月~10ヶ月になれば、様子を見ながら、少しずつ、おやつを与えてもいいでしょう。
もちろん、犬の個体差があるので、おやつをあげても絶対大丈夫ということではありません。ですから、おやつを食べさせた後の便の状態、食欲の変化、嘔吐はないかなど、愛犬の様子をよく観察しながら、臨機応変に対応するようにしてください。