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世界中には約1億人もの人が安全な飲料水を飲むことが出来ていないと言われています。
そのため、仕事や学校に行けずに、ひたすら安全な飲み水を探し回る人たちも少なくありません。
しかし、そんな人達に希望の光を当てるある種が発見されました。
それが、「Miracle tree(奇跡の木)」とも呼ばれている木から採取される『ワサビノキの種』です。
news.psu.edu
ペンシルバニア州のペンシルバニア州立大学の化学工学教授Darrell Velegol氏は、ワサビノキから摂れる種に着目、研究の結果「ワサビノキには浄水効果がある」ということが分かりました。
このワサビノキの種に含まれるプロテインが、生水内のバクテリアを駆除し、ボトルの底に沈殿させる役割を持っていたのです。
news.psu.edu
また、古代エジプト人もこの種を砕いて浄水に使用していたのではとも言われています。
しかしながら、2010年にこの発表がなされてから、どのようなメカニズムでこの種がバクテリアが死滅させているのかは分かっていませんでした。
そんな中、先日ペンシルバニア州立大学からそのメカニズムが解明されたという発表がありました。
そのメカニズムとは、ワサビノキの種がバクテリアの細胞膜を溶かすことで死滅させているという内容でした。
pubs.acs.org
細胞膜とは、細胞を守るために存在するものであり、一旦この膜が破られてしまうと細胞は生存不可能になってしまいます。
ワサビノキは、この大腸菌や微生物などの細胞膜を自らのプロテインで溶かしていたのです。
メカニズムが解明され、人体に安全であるということが証明されたことで、研究チームは植え込みの計画を開始しました。
しかしながら、ワサビノキの種の効果は収穫時期などに左右されることがあることも分かっており、現在は最適な時期を調査中とのことです。
現状、雨季に収穫されたものが最も浄水効果が高いことは分かっていますが、雨季以外にも収穫が出来なければ安定した収穫が望めません。
そのため、雨季以外にも浄水能力が高い種を収穫できる時期を探しているのです。
安全な水を飲むことが出来ない人たちの救世主となるこの「奇跡の木」。
研究が進み、植え込みが世界各地で行われれば、飲み水に悩む人達は激減するでしょう。
今後の発表を待ちましょう。
出典:popsci.com