南仏リゾードでブルキニ着用禁止、人権団体などが反発

　南仏を代表するリゾート地カンヌ市は7月28日、イスラム教徒の女性用水着「ブルキニ」の着用を禁止すると発表した。その3週間後、ブルキニを纏ったムスリム女性10人がカンヌ警察に逮捕され、ブルキニ着用を巡って、フランス国内の500万人ともいわれるイスラム教徒や人権団体などから反対の声が上がっている。
　　フランスでは2015年11月、イスラム教過激派グループの襲撃で130人が命を落とし、今年の7月の革命記念日には南仏のニースで、同じく過激派がトラックを暴走させて85人が死亡した。
　こうした事件を受けて、イスラム教徒に対して敏感になっている国民感情を背景に、ブルキニの着用はフランスが理念とする「世俗主義」に反するとして、カンヌ市が着用を禁止。これに倣って大西洋岸のル・テュケとオワ・プラージュ、地中海沿岸のルカートの3自治体もブルキニを禁止すると発表した。
　ブルキニは、レバノン系オーストラリア人のデザイナーがイスラム教女性信者向けに考案した水着で、「ビキニ」と「ブルカ」を掛けあわせた造語。フランスは2011年、公共の場でのブルカ着用を禁止した。
　カンヌのブルキニ着用は、9月1日から解禁される。

（オーストラリア、シドニー、8月24日、取材・動画：ロイター、日本語翻訳：アフロ）