はじめに

仕事や用事が済んだ帰り道。そのまままっすぐ帰宅する前に少しひと息つきたい、そんな気分の時がたまにありませんか? しっかり食事をするほどお腹は空いていない、お酒が飲みたい気分でもない、誰かを誘うには遅い時間になってしまった……。寒さが身にしみるこの季節、特におすすめしたいのは「純喫茶」です。オフィス街や住宅街では閉店時間が早いお店も多いですが、眠らない街・新宿や中央線沿いには夜遅くても灯りを点し、皆さまの訪問を待っているお店がいくつもあるのです。

Text&Photo:難波里奈(東京喫茶店研究所二代目所長) あの人気喫茶の2号店がオープン 「珈琲西武 西新宿店」(新宿駅・新宿西口駅/~22:30)

あの人気喫茶の2号店がオープン 「珈琲西武 西新宿店」(新宿駅・新宿西口駅/~22:30)

新宿駅東口からすぐの場所にある本店は、東京オリンピックが開催された1964年創業。駅からのアクセスも良く、2階は喫煙、3階は禁煙と分煙され、広々とした店内とその雰囲気が人気で、平日でも行列ができるほど。それを受けて、2019年9月26日には新宿西口駅ほど近くに2号店がオープンしました。 新しく造られた空間にも関わらず、一歩店内に入るとそこにはすでに何十年もの時を重ねたかのような昭和空間が広がっています。本店の見どころでもあった天井の大きなステンドグラスも、国会議事堂中央広間の修復事業などを手掛けた世界的に有名な「松本ステインドグラス製作所」が見事に再現。ゆったりとしたボックス席と仕切りで区切られているので、混雑していたとしても周囲の気配をあまり気にすることなく、ゆっくりと自分だけの時間を過ごすことができます。 ナポリタンやオムライスなどの食事メニューも揃っていますので、時間帯を選ばず食事にも最適です。また、珈琲西武の名物、ボリュームたっぷりのパフェたちもおすすめです。


◆珈琲西武 西新宿店
住所:新宿区西新宿7-9-16 西新宿メトロビル2F
電話:03-3361-2828
営業時間:7:30~22:30(日曜・祝日 8:00~22:00)
定休日:なし
自家製メニューでお腹も大満足 「それいゆ」(西荻窪駅/~23:00)

自家製メニューでお腹も大満足 「それいゆ」(西荻窪駅/~23:00)

次におすすめしたいのは、23時まで営業している西荻窪の「それいゆ」です。東京オリンピックが開催された翌年に2人の姉妹が開いたお店。窓が多く、外からも様子が分かる明るい店内のため、遅い時間でもいつも多くの女性客たちが寛いでいるのがわかります。 手頃な価格で食べられる自家製ケーキや種類豊富な食事メニューが揃っていて、私が特に好きなのは「鉄骨パスタ」。「鉄骨」は、カルシウムをイメージするじゃこがのっていることからネーミングされたそう。ほうれん草や目玉焼きも添えられていて彩りがよく食欲をそそります。

また、見た目にも美しいカレーオムライスもぜひ食べてもらいたい逸品です。ターメリックとカルピスバターで炒めた具のないシンプルさが癖になるごはんをふんわり焼かれた卵で包み、アーモンドスライスと生クリーム、レーズンで飾り付け。カレーも、牛骨とガラで4時間煮込み、たくさんの野菜とスパイスで炒めた肉、数えきれないほどたくさんの種類のスパイスで煮込まれていて本格的なんです。 店内中央の大きなテーブルの上には、日々美味しそうな珈琲を抽出する大きな水出し器と季節を感じるオブジェたちが並び、お腹だけではなく目をも満足させてくれるお店なのです。 ◆それいゆ
住所:東京都杉並区西荻南3-15-8
電話:03-3332-3005
営業時間:10:00~23:00
定休日:なし
まるでジブリの世界でゆっくり読書を 「gion」(阿佐ヶ谷駅/~2:00)

まるでジブリの世界でゆっくり読書を 「gion」(阿佐ヶ谷駅/~2:00)

最後に、終電を逃してしまったとしても安心の、深夜2時まで年中無休で営業しているお店を紹介します。それは、阿佐ヶ谷にある「gion」。光る緑色のネオン管の店名が目印です。ピンク色の壁の中で揺れるブランコ席、大きなアイスクリームが2つ乗った青色と緑色のクリームソーダなどを目当てにやってくる人たちで連日賑わっています。 輪切りのレモンが爽やかな熱々のピザや、注文を受けてから焼かれる自家製の大きなワッフル、香ばしくてボリュームたっぷりのナポリタン、高品質なミルクを使用している珈琲などの中から自分のお気に入りを見つける楽しさも。 「将来、カウンターで読書をしたくて喫茶店を開いた」というマスターの想いや願いが込められた空間は、ジブリの世界をイメージして造られ、毎週入れ替えられるみずみずしい季節の花々や植物たちに囲まれて、時間を気にせず読書出来るのも人気の秘密。少し前に全席禁煙になったことも新しいニュースです。やって来るお客さまはもちろん、働く人たちの居心地の良さも重視されている空間なのです。


◆gion
住所:東京都杉並区阿佐谷北1-3-3 川染ビル1F
電話:03-3338-4381
営業時間:8:30~翌2:00(日曜 9:00~翌2:00)
定休日:なし

おわりに

ふと出会った純喫茶の扉を開けるのも楽しいですが、たまにはこの場所だけを目指してみるのも良いものです。気の済むまで一人で過ごす、ゆったりとした時間。本日の夜の寄り道に、さっそくいかがでしょうか?



◆難波里奈
日中は会社員、日暮れから東京喫茶店研究所二代目所長として活動中。自身のブログ『純喫茶コレクション』や著書『純喫茶とあまいもの』(誠文堂新光社)、『クリームソーダ 純喫茶めぐり』(グラフィック社)などにて、これまでに訪れた喫茶店を記録している。

情報提供元:旅色プラス
記事名:「純喫茶愛好家・難波里奈さん連載vol.1 寒い夜に寄り道したい21時以降に行ける店3選【中央線沿線】