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「ロービジカラー」の波がジムニー のサスペンションカスタムに襲来中!【スズキ・ジムニー偏愛連載・第13回】


ジムニーカスタムの中核となるのは、やはりサスペンションの変更だ。リフトアップをすることでロードクリアランスを拡大し、悪路走破性を向上させる。同時に、見た目の迫力を増幅させるドレスアップ効果も望める、一石二鳥のカスタムだ。市場では各社からサスペンションが発売されているが、最近あるムーヴメントが起きている。それが「ロービジカラー(目立たない色)」の流行だ。




TEXT●山崎友貴(YAMASAKI Tomotaka) PHOTO●APIO

ジムニーのサスペンションチューンは「見せる脚」から「さりげない脚」へ

1980年代の四駆ブーム以前から、オフロード4WDのサスペンションを交換するというカスタムはあった。リジッドアクスル式という特殊な構造のオフロード4WDのサスペンションだが、基本はやはりスプリングとショックアブソーバー(ダンパー)の交換が基本となる。純正よりも長いものに替えることで、サスペンション自体のトラベル量(動く領域)を拡大させ、同時に最低地上高を高くすることができる。これにより、悪路走破性が向上できるのである。いわゆる「リフトアップ」という手法だ。




加えて、スプリングのバネレートやショックアブソーバーの減衰力を純正とは違うものにすることで、オンロードでの運動性能も向上させる狙いもある。




オフロード4WDの場合は、サスペンションを交換すると、ラダーフレームとサスペンションの位置にズレが生じるため、ラテラルロッドも替えたサスペンションに合わせて交換しなければならない。さらに、場合によってはリーディングアーム、トレーリングアームといったリンク類も変更が必要になってくる。

もちろん見た目を変えるという意図も、サスペンション交換には存在する。例えばジムニーの場合、先代のJB23/43型もそうだったし、現行型のJB64/74も何となく車高が低すぎるのではないか...という印象がある。ほんの少しリフトアップさせるだけで、全体のバランスがグッとよくなるはずと思っているユーザーは少なくないと思う。




乗り心地やハンドリング、そして見た目の変化を考慮した様々なアフターのサスペンションが発売されているが、性能は本当に千差万別だ。発売しているショップ・メーカーの考え方がはっきりと現れており、何一つとして同じものがない。どれを選ぶかは、まさにユーザーの感覚しかないのである。自分の好みのサスペンションが見つかれば、オンロードでもオフロードでも、乗るのが本当に楽しくなる。

さて、昨今ジムニーサスペンションの世界では、ちょっとしたムーヴメントが起こっている。これまでジムニーのサスペンション市場では、「見せる」ということを考慮した商品作りがメインとなってきた。具体的には、サスペンションに明確な色を付けていたのである。




ノーマルサスペンションはスプリングもショックアブソーバーもリンクも、すべて真っ黒というのが定番だ。しかし、せっかく高いアフター品に交換したのに、真っ黒ではつまらないということで、装着した時に目立つように、赤や青、黄色といった派手な色に商品を塗るようになっていった。これはジムニーの世界だけの話ではないし、オートバイなどでも同じだ。




特にジムニーの場合は意味がある。リフトアップをすると、特にリアの足回りが後部からよく見えるようになってします。ゆえに、「○○のサスペンションを付けています」というアピールもしたいというユーザー心を反映した商品作りでもあったわけだ。ところが、最近になって状況が少々変わりつつあるのだ。

つい最近、複数のカスタムジムニーを取材する機会があったのだが、なんと黒やグレーといったロービジカラー(目立たない色)に塗ったサスペンションがやたらと増えているのだ。なぜ、このようなムーヴメントが起きているのだろうか。今年に入ってロービジカラーのサスペンションキットを発売した、アピオの河野仁社長に話を聞いてみた。




「以前から、ウチの若いスタッフの間では“赤いサスペンションってイマイチですよね”という話は出ていました。最近、某ファッションブランドの社長からも同じことを言われて、ハッとしたんですよね。そもそも、クルマ業界全体でアースカラーのボディ色がトレンドですし、オートバイでも派手な色のサスペンションやボルトなどをカスタムで使わないのが流行です。中高年層はやはり派手なサスペンションを好みますが、JB64/74の新規ユーザーである若年層は、やはりロービジカラーが好評なんですよ」と語る。

モノトーンな雰囲気でコーディネイトされたアピオのジムニーシエラ。

アピオのサスペンションキット。コイルスプリングはガンメタリック、ショックアブソーバーはブラックメタリックだ。

ちらりと見える足まわり関係のアイテムだが、その存在を主張することはない。

リヤも同様。ヨシムラ製マフラーのロゴもモノトーン仕様になっている。

たしかに、現行型ジムニーにラインナップされている「シフォンアイボリー」や「ミディアムグレー」といったボディカラーには、派手な色のサスペンションはミスマッチな感もある。




ちなみにジムニー市場を俯瞰してみると、人気カラーは白、グリーン、アイボリー、グレーと地味系。メーカーが発売当初にプッシュしていたイエローは、日本では思ったほどバズらなかった。ジムニーのマイナーチェンジでは、もしかするとハスラーなどにあるベージュ系の新色が追加されるかもしれない(ちなみに先代ジムニーでは、特別仕様車でベージュ色があった)。アースカラーの拡充により、カスタム業界でもそれに合わせた商品開発が進むことは十分に予想できる。




“見せる脚”から“さりげない脚”へ。ジムニーのサスペンションチューニングをする場合は、色にも気を遣って自分のスタイルをアピールする時代が到来したようだ。

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