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【毎日更新企画】人生最後の3台を選ぶ:スズキ・ワゴンR/トヨタ・プリウス/ホンダ・フィット(渡辺陽一郎)


渡辺陽一郎さんは、常にユーザーの視点に立ったクルマ選びを指南してくれるカーライフジャーナリスト。その主張には常に一本筋が通っており、それは人生最後の伴侶候補として選んだ3台にも貫かれている。スズキ・ワゴンR、トヨタ・プリウス、ホンダ・フィットはどれも身近な車種であり、日々の生活に欠かせない貴重なパートナーとなってくれる存在だ。




TEXT●渡辺陽一郎(WATANABE Yoichiro)

1台目:スズキ・ワゴンR

2017年に登場した6代目ワゴンRは、フロントマスクが3種類あるのが話題に。こちらは標準モデル。初代を彷彿とさせるデザインだ。

「HYBRID FZ」というグレードでは、2段になったライトが特徴的なフェイスを採用する。

スティングレーは、縦長ヘッドライトが精悍な印象だ。なお、ワゴンRの価格は109万8900円〜177万6500円。

私はクルマを生活のツールとして使う人達の視点で執筆をしているため、愛車も大量に売られる一般的な車種を選びたい。その意味で取り上げるのがワゴンRだ。




今の販売台数はN-BOXが上まわるが、ワゴンRは初代モデルを1993年に発売して、多くのユーザーに愛用されてきた。そのために私も、ワゴンRに関して大量の原稿を書かせて頂いた。『スズキワゴンR』という単行本も上梓している。取材では遠方まで自分のクルマで出かけることも多いから、軽自動車の購入に踏み切れないが、本当は真っ先に買わねばならないのがワゴンRだ。




ちなみに今はダイハツを除いた日本の自動車メーカーは、世界生産台数の80%以上を海外で売る。そのために国内市場を軽く見て売れ行きを下げる日本車も増えた。しかし軽自動車は、日本のユーザーのために開発されるから、売れ行きも好調だ。今では国内で新車として売られるクルマの約37%を軽自動車が占める。ワゴンRのような軽自動車に乗ることは、日本のカーライフを改めて見直すことにも繋がるだろう。

2台目:トヨタ・プリウス

2015年から発売が開始されたプリウスは4代目。ハイブリッド車が世の中にすっかり普及した今、セールスは落ち着いてきてはいるが、ハイブリッドの先駆者としての功績は決して色あせない。価格は260万8000円〜355万7000円。

プリウスの初代モデルは、1997年に世界初の量産ハイブリッド乗用車として発売された。初代プリウスの報道試乗会に出かけた時のことは、今でも鮮明に覚えている。何も音がしないので「これで本当に走るのかな?」と思いながら慎重にアクセルペダルを踏むと、エンジンを始動させずにモーター駆動だけで発進したから驚いた。




ハイブリッドは今では一般的な動力だ。2019年度(2019年4月から2020年3月)に国内で販売された小型/普通乗用車の内、ハイブリッド(プラグインを含む)や電気自動車などモーター駆動を併用する車種は約40%を占めた。その根幹に位置するのがプリウスだ。




フォルクスワーゲンの販売店で「ゴルフを買うユーザーが選択に迷う日本車は何か」と尋ねたら「プリウス」と返答された。今のクルマ選びでは、さまざまな場面でプリウスが基準になっている。日本車の魅力を凝縮した車種がプリウスなのだろう。

3台目;ホンダ・フィット

2001年に初代が登場し、2020年に4代目へとバトンタッチ。数値よりも「心地よさ」を重視して開発されたことが話題となった。価格は155万7600円〜253万6600円。

私が生まれたのは1961年6月1日で、フリーランスになるべく、出版社を退職したのは2001年6月末日だった。40歳を迎えてフリーランスに転向したことになる。そして初代フィットの発売も、2001年6月22日だった。




初代フィットは、今と同じく燃料タンクを前席の下に搭載して、全高を立体駐車場が使える高さに抑えながら車内は広い。特に荷室の容量と使い勝手は抜群だった。ツインプラグの1.3ℓ・i-DSIエンジンは、最大トルクの12.1kgmを実用域の2800回転で発揮する。高効率で燃費も優れ、価格は売れ筋のAが114万5000円と安い。ヴィッツなどのライバル車は、フィットの登場後に、価格を一斉に改定した。フィットはシンプルなグレード構成ながら、2002年には国内販売の1位になっている。




2001年6月、新登場したフィットを見て感心させられた私は「フリーになった自分も負けていられない」と思った。フィットから、前に進む元気をもらったように感じた。あれから約20年が経過して、フィットは立派に成長している。対する私は、まだまだ力不足だと思う。そんな私の良きライバル、そろそろ一緒に過ごしても良いかも知れない。

■渡辺陽一郎(わたなべ・よういちろう)




カーライフジャーナリスト。「読者の皆様にケガを負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

あとどれだけクルマに乗れるだろうか。一度きりの人生ならば、好きなクルマのアクセルを全開にしてから死にたいもの。ということで、『乗らずに後悔したくない! 人生最後に乗るならこの3台』と題して、現行モデルのなかから3台を、これから毎日、自動車評論家・業界関係者の方々に選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)

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