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エンジンもフレームも足回りも! その進化っぷりに脱帽|ホンダCRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES試乗


発表会レポートは既報の通り。技術説明で得られた新情報は実に盛りだくさんであった。順次投入されるバリエーションは基本的に2種類。ベーシックなアフリカツインと大型スクリーンや24Lビッグタンクを搭載しチューブレスタイヤを履くアフリカツインアドベンチャースポーツ。そしてアドベンチャースポーツに電子制御サスペンションを搭載した最上級モデルが同ESである。




REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

⚫️豊富なバリエーション展開を簡単解説。

CRF1100L Africa Twin (グランプリレッド)6MT
CRF1100L Africa Twin Adventure Sports (パールグレアホワイト)DCT


基本的な選択肢は二つ。Africa Twin、もしくは同Adventure Sports。(2020年2月14日発売)


いずれの機種でも6MT(マニュアルトランスミッション)と、DCT(Dual Clutch Transmission)から選ぶ事ができる。(DCTは11万円高)




⚫️スタンダードグレード


・CRF1100L Africa Twin 6MT.......1,617,000円(グランプリレッド)


・CRF1100L Africa Twin DCT.......1,727,000円(グランプリレッド)




・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports 6MT.......1,804,000円(パールグレアホワイト)


・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports DCT.......1,914,000円(パールグレアホワイト)




●電子制御サスペンション装備の最上級機種(2019年12月13日発売)


・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES 6MT.......1,947,000円


 (パールグレアホワイト/ダークネスブラックメタリック)


・CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT.......2,057,000円


 (パールグレアホワイト/ダークネスブラックメタリック)




これらに加えて2020年4月17日からは受注期間限定ながら、ロングサスペンションの《s》仕様がAfrica Twin と同Adventure Sports ES においてリリースされる。 ※価格は共通、受注期間は2019年12月12日〜2020年5月31日迄。
CRF1100L Africa Twin〈s〉(グランプリレッド)DCT
CRF1100L Africa Twin Adventur Sport ES〈s〉(パールグレアホワイト)DCT


パールグレアホワイト ※:オプション装着車

 1988年デビューのXRV650 でビッグ・オフロード市場を開拓したアフリカツイン。2代目XRV750を含め、大自然のステージを走れる本格的なオフロード性能と長距離ツアラーとしての機能性は、今や主力カテゴリーに成長したアドベンチャー・ツアラー系モデルの人気拡大に貢献した1台と見て間違いない。


 2016年にトゥルーアドベンチャーとしてCRF1000Lアフリカツインが復活。DCTも加わり快適性は飛躍的に向上し、改めて大きな注目と高い人気を獲得。そして今回、エンジンもフレームもサスペンションも明確な革新を得てCRF1100Lアフリカツイン としてフルモデルチェンジされたのである。




 基本コンセプトこそ共通だが、この新型アフリカツインは最新の電子技術の導入によってめまぐるしい進化を見せた。6軸IMU(慣性計測装置)の搭載を始め、最新のタッチパネル・ディスプレイも目立っているが、前モデルにプラス100ccの余裕を獲得したエンジン特性と、よりフレンドリーで快適なライディングポジションをもたらす軽量フレーム。そして電子制御サスペンションのEERA(Electronically Equipped Ride Adjustment)まで、総合性能の進化の大きさは驚く程だ。


 


 エンジン性能曲線を見ると、パワー/トルク共に全回転域で性能向上を達成。出力は7%アップ。特に中低速域でのトルク向上が目立っている。しかもセラシギヤの廃止を始め細部にわたる見直しで大幅な軽量化を実現。MT仕様で2.5kg、DCT仕様で2.2kgもの軽量化を果たしている。


 


 フレームやスイングアームでも軽量化を徹底。しかもリヤフレームのスリム化を追求することで、足つき性が改善されたのも見逃せない点である。2016年デビュー以来4年ぶりのフルモデルチェンジを機に達成された熟成進化の度合いは過去の変遷を振り返る中でもひときは大きく、歓迎できる革新ぶりが印象的である。

⚫️一目瞭然の新旧比較

右は従来モデルのCRF1000L Africa Twin 、左が新型CRF1100L Africa Twin。
Adventure Sportsの2台。左が新型のCRF1100L。右は従来モデルのCRF1000L。


一段と良く粘る、扱いやすく快適性の向上した乗り味が心地よい。

 気になるロングツアラーとしての乗り味はどうか。標準装着されたブリヂストン製バトラックス・アドベンチャークロス・ツアラーを履くESの試乗車で一般公道へと繰り出した。


 途中荒れたガレ場の続く林道にも立ち寄り撮影&乗り味をチェック。装着タイヤは主に舗装路用。林道を走るならそれに相応しいタイヤを履かせた方がベターである事は間違いない。ライダーの体重移動もしやすいし、オフでもグリップ力が優れているからだ。




 とは言えアドベンチャースポーツもフロント21インチサイズと、210mmのロードクリアランスのおかげで険しい道に遭遇しても躊躇なく進入して行ける心強さがある。狭い場所で引き返すようなシーンでも、バイクに跨がったまま切り返しターンすることができたのはとてもありがたかった。


 そんな時、違和感なく扱えてしまうDCTの熟成ぶりには感心させられた。クラッチのつながり具合と切れ具合が、ほぼライダーの意志通りになり、右手のスロットル操作だけで扱えてしまう。前述のオフロードコースでも同様に実に賢いシフト制御が成されていたのである。


 まして舗装路の一般的な走行シーンでは絶妙のシフトワークを披露してくれ、とても上手にライディングできてしまう。電子制御技術の進化熟成がもたらす性能向上には、改めて侮れない魅力があると痛感させられた。




 エンジンはトルクが太く、かつスムーズで頼り甲斐の増した出力特性が印象的。電子制御系も熟成されて、制御の介入がライダーの気分を害すようなシーンも避けられるようになっている。それらの効力には素直にありがたいと思える事ばかりである。




 前車追従式で無いのが残念だが、クルーズコントロールも装備され、ビッグタンク装備と相まって、遠くまで一気に快適ワープできる、ツアラーとしてのポテンシャルも魅力的。




 電子制御式サスペンションはダンピング具合が緻密にコントロールされ、凹凸を通過した時のバイクの挙動自体が穏やかで、乗り味として落ち着きが感じられる。21インチホイールも奏功してコーナリング時も素直な操縦性の中に、しっとりとした安定感が伴い、終始快適な走りを提供してくれるのだ。


 


 レッドゾーンは7800rpmからで、開発陣によると8300rpmでレブリミットが作動するという。全域で頼れる高トルクゆえに、実用的にはどんな場面でも右手を一捻りするだけで十二分に満足できるダッシュ力があり、この点も気持ちよい。因みにローギヤで5000rpm回した時のスピードは53km/h。6速トップ100㎞/hクルージング時のエンジン回転数は3250rpmだった。


 


 余裕綽々なエンジンと落ち着き払った操縦安定性は絶妙のマッチング。ロングツアラーとして抜群の快適性が楽しめるのである。

⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)



ご覧の通り、両足の踵で大地を捉えることができる。シート高は830mm。シートの取り付け位置を下げると810mmとなり、足つきはさらに改善する。

⚫️参考①:CRF1100L Africa Twin 《s》(ロングサスペンション仕様)



2020年4月17日から限定受注販売される《s》仕様。踵は軽く浮いてしまうが、足つき性に不安は感じられなかった。シート高は870mm。

⚫️参考②:CRF1000L Africa Twin Adventure Sports(2018年型)

バレリーナ(爪先立ち)状態になる先代のCRF1000L。シート高は890mm。


⚫️ディテール解説

キリリとより精悍なイメージに仕上げられたフロントマスク。ツインライトの下にあるのは左右それぞれ照射範囲が3段階に自動変化するコーナリングライトだ。

両眼のツインライトが同時点灯するように一新された。
従来モデルのCRF1000Lは通常片目点灯だった。


フルアジャスタブル・フロントフォークのストロークは185mm。フローティング・ダブルディスクにはNISSIN製対向4ピストン油圧キャリパーをラジアルマウント。

新開発された水冷ツインエンジンは1082ccの排気量を得て豊かな出力特性を発揮する。

プロリンク式サスペンションは180mmのホイールトラベルを発揮する。
ESに採用されているフルアジャスタブルのSHOWA製電子制御式リヤショック。


CBR1000RRと同様の排気バルブを新採用。高回転域では1経路でストレートに抜ける方式。
マフラーのカット写真。下がCRF1100L用に新開発。回転数に応じてバルブが制御される。上はCRF1000Lのマフラー。


ナックルガードが装備されたハンドル周り。ハンドルグリップ位置は従来モデル比で25mm高められた。

ギッシリと各種制御スイッチが並ぶ左側スイッチボックス。これも新設計されたものだ。
比較的シンプルに仕上げられているハンドル右側スイッチ。赤がエンジンキル&スタータースイッチ。下段がクルーズコントロール。中断はDCT用のスイッチだ。


停車時に活用できるタッチパネル式の6.5インチ・フルカラーTFT液晶ディスプレイを搭載。Bluetooth接続でスマホやインカムも使える他、Apple CarPlayにも対応している。
大型ディスプレーの下にはモノクロ液晶表示のシンプルなデジタルスピードメーターも装備。上側を全面ナビゲーション画面に活用できる。


前後セパレート式クッションを持つダブルシート。細身で足つき性の良さに貢献している。

リヤシート下にはETC機器が標準装備されている。堅牢なリヤキャリアは車体を取り回す時やタンデム時のグリップにも活用できる。
フロントシートは取り付け位置を変える事でシート高は2段階設定が可能。低い方にすると高さ810mmになる。


シートから後方へフラットに伸ばされたリヤキャリアは堅牢なイメージを醸し出す。コンパクトにまとめられたテール&ウインカーランプはLED式だ。

新設計されたフレームはもちろん重装備も考慮済み。ワンキーシステムタイプのトップボックスやパニアケースはアルミ製と樹脂製が揃えられている。

流石に24Lタンク搭載はワイドでボリューミー。しかし乗車位置はスリムに絞られている。

◼️主要諸元◼️

車名・型式:ホンダ・2BL-SD10 【Africa Twin】[DCT]《s仕様》


全長(mm):2,310 《2330》


全幅(mm):960


全高(mm):1520《1560》(最上位置1580《1620》)【1355《1395》】


軸距(mm):1,560 《1575》


最低地上高(mm):210 《250》


シート高(mm):830 《870》(ローポジションは810《850》)


車両重量(kg):238(ESは240)[248(ESは250)]【226[236]】


乗車定員(人):2


燃料消費率(km/L):


 32.0(60km/h)〈2名乗車時〉


 21.3(WMTCモード値 クラス3-2)〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):2.6


エンジン型式:SD08E


エンジン種類:水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒


総排気量(㎤):1,082


内径×行程(mm):92.0×81.4


圧縮比:10.1


最高出力(kW[PS]/rpm):75[102]/7,500


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):105[10.7]/6,250


燃料供給装置形式:電子式 〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式:圧送飛沫併用式




燃料タンク容量(L):24【18】


クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式:常時噛合式6段リターン[電子式6段変速(デュアル・クラッチ・トランスミッション)]


変速比:


 1速:2.866[2.562]


 2速:1.888[1.761]


 3速:1.480[1.375]


 4速:1.230[1.133]


 5速:1.064[0.972]


 6速:0.972[0.882]


減速比(1次/2次):1.717/2.625[1.863/2.625]


キャスター角(度):27゜30′


トレール量(mm):113


タイヤサイズ(前/後):


 90/90-21 M/C 54H(チューブレス)【90/90-21 M/C 54H(チューブタイプ)】


 150/70R18 M/C 70H(チューブレス)【150/70R18 M/C 70H(チューブタイプ)】


ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク


懸架方式(前/後):テレスコピック式/スイングアーム式(プロリンク)


フレーム形式:セミダブルクレードル

◼️ライダープロフィール

元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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