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最新プラットフォームがもたらすスマートな進化


XC90およびS/ V90の90シリーズに続き、最新プラットフォームのSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)を採用した新型XC60。電動化や将来の自動運転まで見据えた最新技術を投入し、あらゆる面で大きな進化を遂げている。その詳細をレポートしていこう。




TEXT●安藤 眞 (ANDO Makoto)




※本稿は2017年10月発売の「ボルボXC60のすべて」に掲載された記事を転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

SPAとCMA“Compact Modular Architecture”

90シリーズや60シリーズよりもコンパクトな40シリーズ用には、CMAというプラットフォームを開発。先頃、欧州で正式発表された新型SUVの「XC40」から導入される。いずれもプラグイン・ハイブリッド化を念頭に入れて開発されており、モーターやバッテリーの搭載位置、ECUの高速ネットワークのレイアウトを最初から織り込んでいる。

トースランダ工場で生産

写真はスウェーデンにあるトースランダ工場から、記念すべき新型XC60の顧客向け完成車第一号がラインオフされる様子。ボルボは現在ベルギーのゲントや中国にも生産工場を構えるが、2018年に稼働予定のアメリカ工場も建設中である。

広々とした室内

SPAの導入により、ホイールベースは先代より90㎜拡大。その分、室内の前後スペースにもゆとりが生まれ、快適な空間を生み出している。

赤外線方式のタッチスクリーン

インパネ中央のタッチパネルは、一般的な静電容量方式ではなく、赤外線を使ったシステムを採用。フォトダイオードから出る赤外線が指先で遮断されることで位置を特定するので、パネルに指を押し付ける必要がない。手袋をしたままでも操作しやすいというのが、北欧生まれらしい発想だ。

T5 直列4気筒DOHCターボ

最高出力254㎰、最大トルク350Nmを発揮する2.0ℓ直4ガソリンターボエンジン。最大トルクをわずか1500rpmの低回転から4800rpmまで持続させるフラットなトルク特性と、ディーゼルエンジンのD4に勝るピークパワーが持ち味だ。

排気量:1968㏄


ボア×ストローク:82.0×93.2㎜


圧縮比:10.8:1


最高出力:187kW(254㎰)/5500rpm


最大トルク:350Nm(35.7㎏m)/1500-4800rpm

T6 直列4気筒DOHCターボ&スーパーチャージャー

T5がターボでのみ過給されるのに対して、スーパーチャージャーも追加されるT6。スーパーチャージャーが低回転域を、ターボチャージャーが高回転域を担うツインチャージ仕様とすることで、最高出力320㎰、最大トルク400Nmを発揮。最大トルクの発生回転数は2200~5400rpmと、こちらも豊かなトルクバンドを誇る。

排気量:1968㏄


ボア×ストローク:82.0×93.2㎜


圧縮比:10.3:1


最高出力:235kW(320㎰)/5700rpm


最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/2200-5400rpm

D4 直列4気筒DOHCディーゼルターボ

ガソリンエンジンとのモジュラー設計が採用されているディーゼルエンジンは、グローバルで見るとD2からD5まで合計4種類をラインナップ。新型XC60の日本仕様に導入されるのはD4で、最高出力190㎰、最大トルク400Nmを誇る。ボア×ストロークはT5やT6と共通だが、圧縮比は15.8:1と低く、1750rpmという極低回転から2500rpmに至る領域で最大トルクを発揮する。

排気量:1968㏄


ボア×ストローク:82.0×93.2㎜


圧縮比:15.8:1


最高出力:140kW(190㎰)/4250rpm


最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/1750-2500rpm

8速AT

トランスミッションは全車にアイシンAW製の8速ATを採用。前進ギヤにはすべてロックアップ機構が備わり、伝達効率の向上とダイレクトフィールの創出に貢献している。

T8ツインエンジン(プラグイン・ハイブリッド)

ターボとスーパーチャージャーによるダブル過給のT6エンジンとほぼ同じ2.0ℓ直4ガソリンエンジンを搭載し、後輪側には電気モーターとディファレンシャルを一体化したリヤアクスルドライブを装備。200Vの普通充電に対応するリチウムイオンバッテリーは、車体中央に搭載される。クランクシャフトにインテグレートされたジェネレーターも備わり、発電のほかスターターモーターとして働くほか、駆動力をアシストするパワーブースターとしての役割も果たす。

排気量:1968㏄


ボア×ストローク:82.0×93.2㎜


圧縮比:10.3:1


最高出力:233kW(318㎰)/5700rpm


最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/2200-5400rpm


モーター出力:65kW(87㎰)


モータートルク:240Nm


バッテリー容量:10.4kWh


EV走行距離:45.4㎞

ERAD(エレクトリック・リヤ・アクスル・ドライブ)

後軸には電気モーターに変速機構とクラッチ、ディファレンシャル、ドライブシャフトを組み合わせた複合ユニットを搭載。電気駆動のみで走行する、いわゆるEV走行時に機能するのはもちろん、大きな出力要求があった際のエンジン駆動アシスト、AWD動作中のサポート、ブレーキ回生、アクセルペダルオフ時のエンジンブレーキ効果など、多彩な役割を果たす。

リチウムイオンバッテリー

高電圧バッテリーは公称電圧約3.7Vのセルを16個組み合わせたモジュール6個を直列に接続。イラストでは上から二段目に並ぶモジュールが5個しかないように見えるが、ひとつ下の段にもうひとつあり、わざと隙間を開けて積層されたセルを見せている。セルの容量が従来の27Ahから30Ahに増加したことで、電力貯蔵量は9.2kWhから10.4kWhへ、使用可能電力量は6.7kWhから8.0kWhへ増加している。

IEM(インバータ・ERAD・モジュール)

ERADをコントロールするモジュールは車体後方に装備。高電圧バッテリーの直流電流を三相交流電流に変換し、ERADを駆動する。ERADによる電力回生を行なう際には逆に交流から直流へと変換する。

頑強なボディストラクチャー

ボディには高張力鋼板やアルミを適材適所で使用。なかでも超高張力鋼板とも呼ばれるボロンスチールの使用比率は、従来より20%増。特にBピラーを中心とした側面の環状骨格に使用されており、側面衝突に威力を発揮する。

厳密な衝突安全テストを実施



安全を第一とするボルボは、独自に基準を設けた衝突試験やロールオーバー(横転)試験を実施。2020年までに新しいボルボ車に搭乗中の交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする「VISION2020」の達成に貢献するべく、パッシブセーフティにも磨きがかけられている。

加害損害にも配慮

フロントサブフレームの先端にはロアコリジョンメンバーを装備。XC60よりも車高の低いクルマと衝突した際、相手車両のフレームにメンバーが当たることで衝撃を吸収し、加害損害を軽減する。

フロントサスペンション

重量軽減のためにアルミ製パーツも多用したダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。ダンパーに曲げ入力が入らない設計により、スムーズにストロークすることで乗り心地の向上を図っている。

リヤサスペンション

マルチリンク式のリヤサスペンションには、グラスファイバー複合素材のリーフスプリングを装備。コイルスプリングに対して約4.5㎏の軽量化を実現し、アンチロールバーとしても機能。アンチロールバー自体の径を細くできるので、これも軽量化につながる。

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