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【ラット塗装とは?】錆びた外観を演出するバイクカスタムに人気の手法


「ラット塗装」とは、錆びてくたびれてしまったように見せるペイント術。バイクやクルマのカスタムを始め、装飾や芸術作品などにも用いられる、特殊な塗装方法だ。バイクカスタムの場合、発売から時を経た、ビンテージモデルに多用される「ラット塗装」の魅力に迫ってみた。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)


PHOTO●澤田優樹(SAWADA Yuuki)

錆び錆びの「ラット塗装」で、ビンテージムードをUP!

ラット塗装に加え、ローダウンなど足周りもカスタマイズ。中央部のメインフレームを切削し、ビッグキャブレターのVMΦ26を装着した“シャリィの定番カスタム”も実施。

 錆びてくたびれてしまったような外観に演出する塗装テクニックを「ラット塗装」と呼ぶ。ラット塗装は、バイク、クルマ、ディスプレイ、アートなど幅広く用いられる手法。あえて汚く、見すぼらしくすることにより、素材が持つ“趣のある旧さ”を、良い方向に引き出す効果を持っているのがポイントだ。




 写真はメインフレームや前後のカブトフェンダーに、錆びをイメージしたラット塗装を施したシャリィカスタム。ペイントは、静岡県にある塗装のエキスポートショップ『ジェイ・グラフィックス』が担当した。


 実際に近くで実車を見ても、外観は“ホンモノ”の錆びのよう。錆び(茶色の部分)の配置、バランス、デザインなど、すべてにおいて、素人には決して真似のできない、プロならではの仕上がりの良さがうかがえる。




 ラット塗装とは対照的な、クラッチカバーやエアファンネルなどのメッキパーツ、アルマイト処理された美しい前後のアルミホイール、程よくローダウンされた前後の足周りもポイント。素人には真似のできないペイントの巧みさはもちろん、素晴らしいコーディネイト力を持つ、卓越したオーナーのカスタムセンスにも脱帽の1台だ。

薄いベージュカラーをベースに、絶妙な色合いの茶色い“錆び”を表現。

ラット塗装の基本とは?

 発売されてから年数の経っていないモデルでラット塗装を施した場合、ユニークではあるが、「こんなに早く錆びてしまうわけないでしょ?」と、見る者への“説得力に”欠ける。つまり、見る者が持つ、“潜在的な車両のイメージ”に背くことになるわけだ。




 「年式など関係ない! カッコ良ければそれでいい!」と、あえて最新モデルを使うという手もあるが、その場合は、ベースモデルの選出、ラット塗装する箇所、範囲など、かなり高度なセンスが問われることを付け加えておく。

 年数が経ち、錆が発生しているような保管状況の悪い車両は、基本的に太陽の紫外線や雨によって塗装もくすんでいる。仮に新車のような美しいベースカラーに、茶色い錆びをアレンジしても、チグハグした感覚が増してバランスの悪さが目立ってしまう。




 上記のシャリィ改の完成度が高い理由の1つは、下地になっているベージュカラーも、あえてくすんだような、薄いものを選んでいること。錆びとなる茶色いカラーと違和感のある下地はNGだ。

「ラット塗装」は素人にも真似できる?

 「塗装する面積の狭いミニバイクならば、自分でラット塗装できるのでは?」と考えた人もいるだろう。仕上がりの良さを考えた場合、プロに依頼することをおすすめするが、「予算がない」という場合は、自分で実施することになる。




 塗料の専門店や、品ぞろえの豊富なホームセンター、インターネットショップなどでは、錆びを演出するエイジング塗料が、各社から多数ラインナップ。「全面錆び風用」「部分錆び風用」など、様々なタイプがリリースされている。




 塗装の基本は、




1:剥離剤等を使い、元の塗装を剥がす


2:対象物に「プライマー」を塗り、塗装が乗りやすいように下処理をする


3:ベースカラーを塗装する(個人の場合、手軽な缶スプレーを使用するのが一般的)




 ラット塗装は上記に加え、




 「部分錆び風用」のエイジング塗料を布に染み込ませ(塗料の濃淡の調整が難しいハケは、一般的に使わない)、ポンポンと叩いたり、擦ったりする要領で、下地に乗せていく。




 という方法が定番だ。




 ラット塗装を上手に仕上げるポイントは、錆びを演出するエイジング塗料の濃淡、また、錆びと下地のバランスに気を配ること。茶色い錆びのカラーが多すぎても、少なすぎても、濃すぎても、薄すぎてもダメ。上記のシャリィ改を見てもお分かりの通り、とにかく全体のバランスが重要だ。




 ラット塗装ビギナーは、不要なパーツ等で練習するなど、テクニックをよーく磨いてから本番に挑むべし!

その他のカスタムメニュー

シート下はSnap-onのロゴ&ペイントでドレスアップ。スケルトン素材を使った「見える工具収納スペース」もポイント。

 女性ユーザー向けに発売された「ホンダ シャリィ」を、ラット塗装でカスタマイズ。その他にも、丹念にチューンされている。主なカスタム箇所は下記の通り。




・SP武川製スーパーヘッド・スカットボアアップキット(106cc)


・4速クロスミッション


・VMΦ26キャブレター(エアファンネル仕様/フレーム切削加工で取り付け)


・オイルキャッチタンク(ワンオフ)


・水野板金製オイルクーラー(ワンオフ)


・水野板金製マフラー(ワンオフ)


・水野板金製ハンドル(ワンオフ)


・水野板金製トップブリッジ(ワンオフ)


・水野板金製サイドスタンド(ワンオフ)


・純正フロントフォーク(ショート加工)


・純正スイングアーム(ワイド加工)


・220mmリヤショック


・前10インチ3.0Jアルミホイール


・後10インチ5.0Jアルミホイール


・前2.50-10タイヤ


・後3.50-10タイヤ


・スライスシート(ワンオフ)


・チェーンカバー(ワンオフ/メッキ処理)


・クラッチカバー/ジェネレーターカバー(メッキ処理)


・ウインカー:社外クリアレンズ


・テールランプ:社外クリアレンズ


・ラット塗装:ジェイ・グラフィックス

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