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CB400スーパーフォア試乗|今や貴重な直4ミドルは、令和時代に乗るからこそカッコいい!


教習車でもお馴染みのCB400スーパーフォア(SF)は、4半世紀近くも基本設計が変わらずに進化を続ける、バイク界の重鎮だ。2017年のマイチェンで大幅に戦闘力をアップし、熟成を遂げつつあるこのモデルの魅力にあらためて迫る!




REPORT:川越 憲(KAWAGOE Ken)


PHOTO&EDIT⚫️佐藤恭央(SATO Yasuo)

2019モデルは全3色展開でソリッドカラー(黒)は約4万円リーズナブル。なおハーフカウル付きのスーパーボルドールも同色展開で価格は1,064,880円~。

キャンディークロモスフィアレッド・アトモスフィアブルーメタリック……911,520円

ダークネスブラックメタリック……868,320円

貴重な4発ネイキッドは27年のロングセラー!

 PROJECT BIG-1のコンセプトの下、1992年に登場したCB400SUPER FOUR(以下・SF)は、兄貴分に当たるCB1000SFと同年に発売された。大型二輪免許が教習所で取得できるようになり、大型バイク市場が盛り上がる中、メーカーもリッタースポーツバイクの販売に力を入れ始めている中でのリリースだったが、CB400SFはライバルを寄せ付けない性能と乗りやすさに加え、普通二輪免許の教習車として広く採用されて、多くのライダーに馴染みがあったことから、現在まで安定したセールスを続けているロングセラーだ。


 実質はCB-1の後継機であり、当時のネイキッドブームを築いたゼファーに真っ向勝負! 翌年以降に登場するXJR400やGSX400インパルスとともに90年代のミドルネイキッドの文化を根付かせた立役者である。

CB1300SFの弟分ではあるが、その陰に隠れることはなくクラス以上の存在感を示し、バイク全体の主役を張るほど高い人気が伺える。

 さてこのCB-SFは、CB1300シリーズと同じく、ハーフカウル付きのCB400SUPER BOLD’OR(以下・SB)をラインナップするほか、マイナーチェンジを重ねて熟成を深めてきた。コンセプトが同じなので、CB1000SFやCB1300SBと同様のスタイリングや仕様変更も同じくする部分が多く、現在は400ccクラスでライバルがいないと言えるほどの成功を収めている。現行モデルは2017年のマイナーチェンジで、3psパワーアップし、小型2室構造のサイレンサーで重低音の効いた排気サウンドを実現。また、ヘッドライトをLED化するなど、装備面も充実させた。


 

CB1300SF SP仕様の試乗レポはこちら!【https://motor-fan.jp/article/10011359】

 取り回しやまたがった時など、なにも気負いがいらないのだが、絶対的な安心感がある。CB400SFというバイクをよく見慣れて、何度も試乗体験があることもその理由だが、熟成を重ねたライディングポジションをはじめ、メーター周り、ミラーの位置まで違和感がないことも挙げられるだろう。最近のホンダ車特有のホーンスイッチがウインカースイッチの上に位置するレイアウトも、左右に若干ずらされて配置されているので自然に操作できる。


 CB400SFの特徴を一言で表現すると「許容範囲が広い」ことに尽きる。ライダーのライディングスタイルから、走るシーンまで、相応の使い方が出来るのだ。通勤や通学に使用しても、サーキットでのスポーツランにおいてもライダーなりの満足感が得られる。そんな懐の深さが、長く支持されてきた理由のひとつだろう。実際に、前輪に積極的に荷重をかけた走り方も、後輪を軸にした走り方でもハンドリングがあまり変わらず、低速から粘り、スムーズに加速するエンジンは、ワインディングで多少スロットルワークを雑にしても破綻なく走行できる。


 ワインディングでの撮影時に雨が降ってきて、路面はウエットの状態だったが、しっかりとタイヤに荷重をかけながら走ることができたのは、車体のバランスが良く、トルクの出方がフラットでコントロールしやすい特性のおかげでもあるだろう。


 この、街中でもサーキットでも満足できる性能は、クラス唯一のV-TECエンジンによるところも大きい。バルブ作動タイミングを低中回転域と高回転域で切り替えることで、低回転域ではトルクを重視しながら、高回転では気持ちよく回り、加速の伸びもついてくる特性を得ている。この切り替わり特性がスムーズで、乗っていると排気音が変わったなと分かるのだが、特に意識すこともなくライディングに集中できる。そのため、見た目に派手さは無くツーリングスポーツ的な位置付けだが、誰が乗ってもワインディングやサーキットで速く走らせることができるはずだ。


 また、約300km走った際の燃費は22~23km/ℓとほぼ諸元通り(WMTCモード値)でランニングコストもまずまず。様々なスポーツで「いい道具は所有者のスキルアップをサポートしてくれる」と言われるが、これからもCB400SFは、まさにそのいい道具であり続けるだろう。

足つきチェック(ライダー身長182cm)





ライダーの体重(70kg)ではリヤサスペンションの沈み込みが大きめなので、足着き性は良好ステップに足を乗せた時にヒザの曲がりが大きく余裕があるためニーグリップがしやすい。ヒザとハンドル位置が近いので数値以上に車体がコンパクトに感じる。

⚫️ディテール解説

新騒音規制の実施を受けて、2017年のモデルチェンジでサイレンサーが小型2室構造仕様に変更された。アフターパーツの集合管のような、伸びのあるサウンドを実現。

PROJECT-BIG-1のコンセプトのひとつである水冷4ストDOHC直4気筒は、2017年のモデルチェンジしにスロットルボディと排気系の見直しで53→56psにパワーアップした。

フロントブレーキはダブルディスク&対向4ポッドキャリパーの組み合わせ。ホイールは左右にクロスする新形状10本スポークタイプを装着。ABS無しもラインナップする。

SHOWA製リヤサスペンションはトラディショナルな2本式だが、不等ピッチスプリングや別体タンクの付いた、グレードの高いタイプ。動き始めが分かりやすく、荷重をかけると奥で踏ん張ってくれる。

リヤブレーキはシングルディスクにニッシン製対向2ポットキャリパーの組み合わせ。扱いやすく十分な制動力を発揮する。

タンデム一体式のシートは2014年のモデルチェンジ時に、シート表皮を細かいディンプルが付いて滑りにくい仕様に変更。

シート下は書類や車載工具スペースのほか、レインウエアなどが収納できるインナーボックスを確保。インナーボックスの最大積載量は3kg。

リヤサスペンション固定ボルトは荷掛けフックと共通仕様。
タンデムステップ下の ボルトも荷掛けフックとして使用可。


コクピットのレイアウトは初代モデルから変わらないが、左右のスイッチボックスでホーンボタンとハザードランプボタンの色を変えて、見やすく、素早く操作しやすい位置に配置された。

メーターは右にアナログ仕様の回転計、左に速度計を置いた伝統的なレイアウト。中央に時計、シフトポジション表示や燃料計を配置。外気温や一日の走行距離も表示できる。
クラッチレバーに調整機構は無いが、フロントブレーキレバーは6段階の調整機構付き。


ヘッドライトは伝統的な丸型デザインとしながら、LEDの採用により先進的な雰囲気も醸し出す。

テールランプはクリアレンズにLEDの組み合わせでカスタマイズ感のあるリヤビューを演出。

◼️主要諸元◼️

車名・型式:ホンダ・2BL-NC42


全長(mm):2,080


全幅(mm):745


全高(mm):1,080


軸距(mm):1,410


最低地上高(mm):130


シート高(mm):755


車両重量(kg):201


乗車定員(人):2


燃料消費率*1(km/L):


 国土交通省届出値定地燃費値 (km/h)…31.0(60)〈2名乗車時〉


 WMTCモード値(クラス)…21.2(クラス3-2)〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):2.6


エンジン型式:NC42E


エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒


総排気量(㎤):399


内径×行程(mm): 55.0×42.0


圧縮比: 11.3


最高出力(kW[PS]/rpm):41[56]/11,000


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):39[4.0]/9,500


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式: 圧送飛沫併用式


燃料タンク容量(L):18


クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式 常時噛合式6段リターン


変速比:


 1速…3.307


 2速…2.294


 3速…1.750


 4速…1.421


 5速…1.240


 6速…1.130


減速比(1次/2次):2.171/2.933


キャスター角(度):25゜ 5′


トレール量(mm):90


タイヤ:


 前…120/60ZR17M/C(55W)


 後…160/60ZR17M/C(69W)


ブレーキ形式:


 前…油圧式ダブルディスク


 後…油圧式ディスク


懸架方式:


 前…テレスコピック式


 後…スイングアーム式


フレーム形式:ダブルクレードル




■製造事業者/本田技研工業株式会社

■ライダープロフィール

1967年生まれ。有限会社遊文社・代表取締役にしてバイク誌を中心に活動するフリーライター・編集。BiGMACHINE(内外出版社)や培倶人(エイ出版社)など多岐に渡り活躍中。愛車はBMW R1150GS・BUELL XB9SX・TZR250(1KT)、NSR250R(MC18)etc.。


趣味は草野球とバレーボールとアニメ(主に80年代)と映画鑑賞(16mm映写技師免許所持)。

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