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日本テキサス・インスツルメンツ:HEV/EVのシステム信頼性を向上する 高精度の監視/保護機能を発表


日本テキサス・インスツルメンツは、ハイブリッド自動車および電気自動車(HEV/EV)向けに、高精度モニタIC『BQ79606A-Q1』と高精度アナログ出力温度センサ『TMP235-Q1』およびバッテリ管理およびトラクション・インバータ・システム用の完全テスト済みリファレンス・デザインを発表した。これらは、CO2排出量の削減を実現し、走行距離、走行時間を延ばし、HEV/EVのシステム信頼性を向上させる。

■ より精度の高いバッテリ管理で市場投入までの時間を短縮


『BQ79606A-Q1』は、温度および電圧レベルにおいて高精度の監視機能を備え、バッテリ駆動時間と走行時間を最大限に向上させるのに役立つ。また、『BQ79606A-Q1』バッテリ・モニタには安全状態での通信機能が搭載されており、この機能を活用すれば、ISO26262道路車両規格に定められた最高の機能安全性目標、ASIL-D(Automotive Safety Integrity Level D:車載用に用いられる電子部品の安全性要求レベルD)の要件を満たすことができる。




 直列6セルから96セルまで拡張可能な監視回路である、TIの新しいバッテリ管理システム(BMS)リファレンス・デザインには、先進的な高精度バッテリ・モニタとバッテリ・バランサである『BQ79606A-Q1』が使用されている。バッテリ・モニタをデイジー・チェーン構成で実装したリファレンス・デザインを使用し、3~300セルの12Vおよび48Vリチウムイオン・バッテリ・パック向けに高精度かつ高信頼性のシステム設計を実現することで、車載機器の市場投入までの期間を短縮できる。




■ トラクション・インバータ・システム全体での信頼性に優れた熱管理


 電気自動車のトラクション・インバータとバッテリを介してキロワット単位の大きな電力が供給されている状況では、高温の影響により、熱に敏感で高価なパワートレイン素子が損傷する可能性がある。車両の性能を確保するだけでなく、ドライバーや同乗者を保護するためにも、優れた方法でシステムの熱管理を行うことが不可欠だ。


 高精度アナログ出力温度センサ『TMP235-Q1』は、48Vスターター・ジェネレータのようなパワートレイン・システムを過熱から保護する。この低消費電力、低静止電流(9µA)デバイスによって得られる高精度(標準±0.5℃、最大動作温度の-40℃~150℃で±2.5℃の最大精度)は、トラクション・インバータ・システムが温度の急上昇を検出し、熱管理テクノロジに適応させる。




■ トラクション・インバータ・システム内のスペースを圧迫せずに高度な保護を提供


 今回の新製品温度センシング・デバイス『TMP235-Q1』を、最近リリースされた『UCC21710-Q1』および『UCC21732-Q1』と併用することで、より小型かつ高効率なトラクション・インバータ設計を実現できる。これらのデバイスは、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)と炭化ケイ素(SiC)電界効果トランジスタ向けのセンシング機能を統合した最初の絶縁型ゲート・ドライバであり、最大1.5kVRMSで動作するアプリケーションのシステム信頼性を高めることができる。また、過電流状態から保護するための検出時間を短縮しつつ、システムを安全にシャットダウンさせることもできる。


 


 さらに、新しいゲート・ドライバに車両の12Vバッテリから直接電力を供給するため、TIは、トラクション・インバータ・パワーステージ向けIGBT/SiCバイアス電源ソリューションの3タイプでデモンストレーションしたリファレンス・デザインを新たにリリースした。この設計は、逆極性保護、電気的過渡クランピング、過電圧および低電圧保護回路で構成される。このコンパクトな設計には、スタンバイ時の標準静止電流が10µAと非常に低い、100V、1Aの新しい同期整流降圧型コンバータ『LM5180-Q1』が使用されている。

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