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これこそ間違いなく最高峰ラグジュアリーオープンカーだ! ベントレー・コンチネンタル GT コンバーチブル


先代モデルでも人気のあったコンバーチブルが、新型コンチネンタルGTにも加わった。ツイード生地を採用したソフトトップ、独立したトランクを持つノッチバックスタイルなどにより、そのエレガントさをさらに高めたGTC改め、GTコンバーチブルに試乗した。




REPORT◉西川 淳(Jun Nishikawa) PHOTO◉Bentley Motors




※本記事は『GENROQ』2019年5月号の記事を再編集・再構成したものです。

 第三世代となって劇的に変わったコンチネンタルGT、とはいっても、心からそれに賛同していただけるのは旧世代から新世代へと乗り換えた、つまりは身をもって真実を体験した新型の現オーナーだけ、かもしれない。なるほど、見た目の雰囲気のみで判断すれば“あまり変わっていない”と思われても仕方はないだろう。基本的なデザインテーマ、特にエクステリアスタイル、は同じと言っていいからだ。




 よく知る人ならインテリアが大きく変わったことをもって劇的に変化した、と言うかも知れない。確かに。いっそう豪勢になったうえ、特徴的なWウイングシェイプをやめて、コンサバティブなT型ダッシュボードとなった。これには事情があって、旧来のデザインテーマではカスタマーデマンドで大きくなる一方のモニター類を納めきれなくなったからだ。だがそれも、第三世代の進化の本質ではない。本当の価値は乗れば分かること。つまり、そのパフォーマンスの発露にこそあった。

クローズド時にはノッチバッククーペ風のスタイルとなる。フロントオーバーハングの短さもあり、躍動的な雰囲気だ。

 実をいうと、そのことを外観から想像することは可能である。フロントホイールの位置が旧型に比べて135㎜も前進したため、フロントのオーバーハングが劇的に短くなっているからだ。しかも見た目に平べったい=ワイドな車体となっている。明らかにプロポーションがよくなった。その意味するところは何か。




 端的に言って、ハンドリング性能が圧倒的に向上している。よくできたGTとしてその名を馳せた旧世代のコンチネンタルGTも、ことハンドリング性能に関しては、苦労に苦労を重ねて何とか高みを目指し続けてきた。モデル末期に必ず登場したスーパースポーツなどはその際たるもの。けれども根本的にはフロントヘビーの特徴がはっきりと感じられるハンドリングから脱せられずにいた。電子制御4WDを駆使することで、度重なるパワーアップに耐えてきたようなものだ。




 それももう限界だったということだろう。三世代目へと進化させるにあたり、ベントレーは重大な決意を下す。アウディA8系からポルシェ・パナメーラ系へのプラットフォームチェンジだ。ベースがFRとなり、フロントアクスル位置を前進させた。その結果、ハンドリングを中心にスポーツカーとしての性能も大幅にアップしたというわけだ。GTC改めGTコンバーチブルが追加されて、“前進したフロントアクスル”がスタイル的にいっそう貢献することにな


った。



 従来型GTCは、クーペの特徴的なキャビンスタイルを失うことで、やや腰高なイメージが強調され、しかも前後のオーバーハングが長く、クーペよりも落ち着きのないデザインになってしまっていた。新型は違う。


 


 真横から見ると、タイヤ位置のバランスがいい。ロングノーズが強調され、しかも特徴的なリヤのフェンダーラインがいっそうエレガントに映えている。ドロップヘッドでありながら、ロングノーズ&ショートデッキの強調された、美しいスポーツカーシェイプを手に入れているのだ。




 パワートレインにクーペからの変更はない。気になるコンバーチブル化に関しては、同時設計とすることでリヤの足まわりやボディフロアなど変更点は最小限に留まる。



フロントの重量を感じない走りはクーペと同じくスポーツカーのよう

 旧世代に引き続きソフトトップとした。リトラクタブルハードトップはエレガントではない。五層からなるZフォールド式の軽くて頑丈なソフトトップには合計七色のスタンダードカラーを用意する。なかでもブリティッシュ・ツィードのアウターパターンが珍しい。英国車にしか似合わない。トップを閉じた状態で、なんと旧型クーペよりもキャビン内は静かになったというから驚くほかない。




 国際試乗会はスペインのマルベーリャ・セビーリャ間で開催された。試乗車に乗り込み即座にルーフを開ける。開閉スイッチを押す指先でも感じられるほどスムーズにトップが作動した。開閉音も静かだ。




 ドライブモードセレクタをエンジニアが勧めてくれたクルマにお任せのBモードにして走り出す。コンフォートからスポーツまで、ドライバーの意思や走行環境に応じてきめ細やかに自動で変えてくれるモードだ。



ウッドとレザーに包まれるエレガントなインパネはクーペと同様。ツィードのソフトトップはZ状に折り畳まれる。

リヤシートはクーペよりもややタイトなスペースだが、完全に独立したフルレザーシートの座り心地は素晴らしい。

ルーフの開閉スイッチはセンターコンソールにある。50㎞/h以下であれば走行中でも操作が可能だ。

 パワートレインや足まわり、ボディ、ステアリングホイールなど多くの動作が可変の電子制御となり優秀な頭脳が備わった今、自分でモードを決めてかかるなんてナンセンス。事実、いろんなモードを試してみたが、Bモードが街乗りやワインディングロード、高速道路、どこでもしっくりときた。ただし、ひとつだけ文句をつけるとすれば、ゼロ発進や微速領域におけるDCTのギクシャクとした制御である。プリプロダクションの個体とはいえ既にクーペはマーケットに存在する。およそベントレーには似つかわしくない。コンチGT系はともかく、フライングスパーが不安になってしまう。




 それはさておき、クーペと同様の走りに感動した。フロントの重量を以前より感じることなく操ることができる。前輪と両手がダイレクトに繋がっている感覚さえあって、少々狭めのワインディングロードでも嬉々としてドライブできたW12ツインターボによる怒濤のパワー&トルクに加えて、コントロール性、効きともに抜群のブレーキが、ついつい乱暴な走りを許してしまう。




 コンチネンタルGTがそういうクルマでないことは百も承知だ。コンバーチブルはなおさらだろう。けれども望めばスポーツカーのように走ってくれることを知っただけでも、新型を欲しいと思う動機としては十分だと、ボクは踏んでいる。

ベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブル


ボディサイズ:全長4850×全幅1954×全高1399㎜ ホイールベース:2851㎜ 


■車両重量:2414㎏ 


■エンジン:W型12気筒DOHC


ツインターボ 総排気量:5950㏄ 最高出力:467kW(635㎰)/6000rpm 最大トルク:900Nm(63.2㎏m)/1350~4500rpm 


■トランスミッション:8速DCT 


■駆動方式:AWD 


■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡマルチリンク 


■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク 


■タイヤサイズ:Ⓕ265/40ZR21 Ⓡ305/35ZR21


■パフォーマンス最高速度:333㎞/h 0→100㎞/h加速:3.8秒 


■車両本体価格:2818万円
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