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シフトミスのリヤロックを回避! ホンダグロム用スリッパークラッチを試してみた。


日本全国の4MINI系トピックスをズバリ紹介していくこのコーナー。今回は、ビッグバイクではいまや標準装備といえるアシスト&スリッパークラッチにグロム用が登場するという噂をキャッチ!その効果を確かめるため、モトチャンプ取材班は鈴鹿へ急行した。




PHOTO◉重松浩平/パパ水川


REPORT◉山下博央


取材協力◉JOSHO1/エンジョイ4MINI

付属のクラッチカバーはクラッチプレートをデザイン。F.C.C.コーポレートカラーのブルーメッキとクロームメッキの2種類を用意。

クラッチ本体のほかに、硬さの異なるクラッチスプリング(2種類)とクラッチカバー、ガスケットが同梱される。


TESTER:レジェンド おぎっち

80年代から90年代に活躍したミニバイクレース界のレジェンド。現在はHRCグロムなどでレースを楽しむ。

クラッチ操作が楽になりエンブレも穏やかになる

 ミッション車を運転したことある人なら、シフトダウンした際にエンジンブレーキが効き過ぎてしまった経験が何度もあるのではないだろうか。エンブレが効き過ぎてしまうと、急激に車速が落ちてしまったり、リヤタイヤがロックして挙動が乱れてしまう。つまり気持ちよく走れないのだ。とくに排気量の大きなバイクはトルク変動が大きくそうした挙動が出やすい。また、グロムやモンキー125のような4速ミッション車は、シフトダウン時における回転数の差が大きく、同様の扱いにくさを感じることも多い。




 そんな急激なエンブレを緩和するために開発されたのが「スリッパー」機構。かんたんに言えば自動で半クラッチの状態を作ってくれるというもので、ロードレースの世界ではデフォルトの装備かつセッティングパーツのひとつでもある。さらにスリッパー独自のカム機構によって、クラッチミート時は逆にミート力が高まるため、クラッチスプリングを弱くすることができる。これがクラッチ操作が軽くなる「アシスト」機構だ。街乗りなどで頻繁にクラッチ操作を行なう際に効果を発揮するだろう。




 ではなぜグロム用?と思うかもしれないが、この商品は台湾にあるFCCの現地法人が企画したもの。商品化の経緯をFCC台湾の大北氏はこう話す。「台湾はスクーターのシェアが多いのですが、趣味としてMSX125(日本名グロム)に乗っている人もいます。そこで当社が誇る技術であるアシスト&スリッパークラッチシステムを商品化すれば喜んでもらえるのではないか?と考えました。当社のシステムは国内外のビッグバイクに純正採用されていますが、小排気量車の場合は車体価格との兼ね合いもあってこれまで採用に至っていませんでした。この機構はレバー操作を軽くしたり、リヤタイヤのロックを防いだりするなど、安全性向上にもつながる商品です。企業理念に『安全に配慮して独走的な技術とアイデアでお客様に貢献』という一文があり、小排気量車のユーザーさんにも安全で楽しくお使いいただきたいという思いから、商品化に踏み切りました」




 今回、このアシスト&スリッパークラッチシステムを装着したグロムを、サーキットに持ち込んで試乗を行なった。テスターはモトチャンプ杯ミニバイクレースのレジェンドライダーおぎっちと、開発テストを担当したJOSHO1藤永さんだ。「驚きだったのはレバーの軽さ。僕はいま左手の靭帯を痛めていて、ミッション車のレースではすぐに腕の力が入らなくなってしまう。なのに今回の試乗では頻繁にギアチェンジを行なったにも関わらず“腕あがり”の症状はまったく起きなかった。シフトダウンもポンポンッと落してスパッとレバーを離しちゃえばOK。とにかく、このアシスト機能に助けられました」(藤永)




 「ハーフウエットという難しい路面で走り始めたんだけど、グロムは車重があるので、軽くバンクした状態でラフにクラッチを操作すると、すぐにリヤタイヤが滑ってしまう。けれど試乗車はわざとギヤを一速落としてもタイヤがロックすることはなかった。さらに、ブレーキング時にクラッチ操作に神経を遣わなくていいから、結果として奥まで突っ込める。これはレースでは大きな武器になるし、街乗りなら滑りやすい路面状況でも安全に走ることができるんじゃないかな。あと、シフトミスした時でも駆動力がうまく逃げてくれるからエンジンやチェーンにも優しい。良いことづくめだよね!」(おぎっち)




 バイク用クラッチで世界トップシェアを誇るFCCから、リリースされたアシスト&スリッパークラッチ。レースだけでなくストリートでも効果を発揮しそうなアイテムである。

「滑りやすい状況でも安心して走れる(おぎっち)」

アシスト&スリッパークラッチシステムのキモが、クラッチ本体にあるカム機構。 バックトルクがかかったときにカムがずれて半クラッチの状態にしてくれる。

商品化に向けて評価テストを担当した藤永さん。

「安全性にも貢献する商品です(大北氏)」 いわゆるレプリカ世代でもある大北氏は1986年にF.C.C.に入社。2015年より台湾F.C.C.総経理(日本でいう社長)に就任する。

SPECIAL THANKS

話を伺ったF.C.C.の皆さんと、発売元となるTSRの山下氏(左から3人目)。試乗マシンは本製品開発車で、TSR製マフラーに、2017-18EWC世界耐久選手権でチャンピオンを獲得したカラーリングを施している。


モトチャンプ2019年1月号

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