1958年(昭和33年)8月に登場以来、今年で60周年を迎えるスーパーカブ。1970年代には通称“行灯(あんどん)”と呼ばれるスモールランプ付きのスーパーカブや郵政カブも誕生。ここでは1970年から1979年に生まれた個性派のスーパーカブをご紹介しよう。

REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)

撮影協力●ホンダコレクションホール

PHOTO●4ミニ.net http://www.4-mini.net/

1971年(昭和46年)

スーパーカブデラックス C50

 スーパーカブシリーズは1969年末に生産台数700万台を突破。世界145カ国で販売されるまでに成長した。



 1971年のモデルチェンジでは、フレーム構造を刷新し、燃料タンクをシート下に内蔵。フェンダーやレッグシールドも細身にするなど、よりスマートな外観にするとともに、メタリック塗装で豪華なフォルムに仕上げられた。



 写真のスーパーカブデラックスは50(49cc)のほか、二人乗りも可能な原付二種の70(72cc)と90(89cc)もラインナップ。また各排気量にはセルフスターター付きモデルも用意された。

●主要諸元

エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC49cc/ボア×ストローク:39mm×41.4mm/最高出力:4.8ps/10,00rpm/最大トルク:0.37kgm/8,200rpm/ミッション:自動遠心式クラッチ3段リターン/最高速度:75km/h/重量:67kg/価格:6万8000円(発売当時)※1970年の公務員初任給:約3万6100円

ヘッドライト下のカバー部には通称「行灯(あんどん)」と呼ばれるスモールランプを装備。
当時の流行を取り入れた花柄模様のシート。当時は女性ユーザーに好評だった。


肉抜き処理されたクラッチカバーは現在でも人気の高いアイテムの一つ。
80km/hまで表示されたスピードメーター。


1971年(昭和46年)

ニュースカブ90

 生産累計600万台達成記念モデルとして反響のあった新聞配達用のニュースカブ(受注生産)を、「ニュースカブ90」として本格的に設定。



 雨天時の停車も安心できる視認性の高いブライトイエローの車体、瞬時に発信できるセルフスターター付きのパワフルな89ccエンジンを採用。未舗装路でも車体が沈まないよう、接地面の大きなサイドスタンドを装備しているのもポイントだ。

●主要諸元

エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC89cc/最高出力:7.5ps/9,500rpm/最大トルク:0.67kgm/6,000rpm/ミッション:自動遠心式クラッチ3段リターン/重量:96kg/価格:10万5000円(発売当時)※1970年の公務員初任給:約3万6100円

大型リヤキャリアの両横には、新聞収納用の大型バッグを設置。

1973年(昭和48年)

スーパーカブ デリバリー MD50

 1972年、郵政省との共同開発で、乗車のしやすさや重積載時の安定性を図り、小径14インチホイールを採用したMDシリーズを生産。



 MDとは、郵政=メール、配達=デリバリーから命名。燃料タンク別体の専用高剛性車体、テレスコピック型フロントフォークを採用し、「郵政カブ」の愛称で親しまれた。

●主要諸元

エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC49cc/ボア×ストローク:39mm×41.4mm/最高出力:3.8ps/8,500rpm/最大トルク:0.35kgm/7,000rpm/ミッション:自動遠心式クラッチ3段リターン/重量:88kg

フロントキャリアには〒マークのロゴ入りバッグを装備。

1970年(昭和45年)

スーパーカブC70(マレーシア)

 1958年、ホンダのバイクの輸入を開始したマレーシアの「文秀ホンダ」は、1969年から技術提携によりバイクの生産をスタートした。



 第一号モデルはスーパーカブC65で、翌年の1970年からC70の生産が始まった。以降、C70はマレーシア国内でロングセラーを続け、1996年までの26年間で100万台を生産した。

●主要諸元

エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC72cc/最高出力:6.2ps/9,000rpm/最大トルク:0.53kgm/7,000rpm/ミッション:自動遠心式クラッチ3段リターン/重量:75kg

二人乗りも余裕でこなせるロング&ワイドなシート。シート前部には荷物積載用のカゴも装備。
リヤ部分に大量の荷物を積載した時の、センタースタンド掛けに重宝するサイドバーを装備。


情報提供元:MotorFan
記事名:「 スーパーカブ60年の歴史を辿る(1970年~1979年編)