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即日300km試乗で判明した「XSR700」のホントの実力


発売されて間もない、ヤマハXSR700。ファーストインプレッションでは、270 度クランク特有の「蹴り出すようなエンジン特性」が非常に心地良いと好感触を得た。そのまま、ついプチツーに出かけてしまったほど、トータルの完成度も実に素晴らしいものであった。(REPORT:近田 茂)

ヤマハ XSR700 ABS ……899,640円

万人に愛される価格とパワーとサイズ感

11月6 日に発売されたばかりのニューモデル、「XSR700」に早速試乗してみた。春のモーターサイクルショーでヘリテージ外装セットのRZブラック(まるでRZ250 を彷彿とさせた)を公表し話題をさらったXSR900と同時発売された弟分だ。簡単に説明しておくとコストパフォーマンスに優れた秀作モデルとして既に定評のあるMT-09 と同07をベースに新開発されたバリエーションモデルである。




一目見た外観から受けるイメージはまるで異なる新作のネイキッドモデルながら、簡単に言うとフレームやエンジン、そしてサスペンション等はMT-07のものを共用している。記者はMT-07 でたっぷりサーキット走行も経験済みだが、出力特性と絶妙の操縦性を発揮するバランスのとれた完成度の高さは一級。これで710,640円〜という価格を実現しているのだから、正直言ってお買い得度ナンバーワンと本音で推奨できるモデルだ。


ヤマハでは「気負うことなくモーターサイクル本来の楽しみを存分に味わう」 という基本コンセプトを掲げていたが、まさにその通りの仕上がりに感心させられたのをハッキリと覚えている。




今回XSR700 を目前にすると、先ずはMT-07と異なる質感の高さを感じられたのが印象深い。全体にコンパクトなフォルムも実に手頃な感じ。それでいてドッシリとした重厚感を覚える。ちなみにヤマハ・ラインナップ上のカテゴリーとしてMT-07はロードスポーツに属し、XSR 700はスポーツヘリテージに属している。




アルミ素材の多用にこだわった各部の仕上げや、スエード調とレザー調素材を組み合わせて美しいステッチも配したダブルシート等、これに乗る時にはライディングウエアでオシャレな着こなしも楽しみたい雰囲気がある。今回は「街を楽しむ」というXSR700のキャッチコピーに誘われて、都内から近県までトコトコと散策。記者にとっては懐かしいJARI(谷田部)にあった自動車試験所の高速周回路跡を尋ねる等、約350 ㎞を走行してきた。あいにくの天候で雨にも降られたが、帰路の高速も含めて様々なシーンでXSR700 の走りを堪能した。

「これは、なかなか良い」

跨がっている時、そして走らせている時、実に気分が良いのだ。あくまで個人的な感想だが、まずは大き過ぎず重すぎない車格が絶妙で良い。狭い車庫からの出し入れもこれなら不自由しない。それでいてドッシリとした風格もある。頂点の大型バイクを楽しんだシニアライダーが、少し小さなクラスに戻る話は良く耳にするが、そんな場面でも実にシックリと来る程良さがある。あえてカウルのないピュアなネイキッドを選択する前提なら、性能的にもむしろピッタリではないかと思えたわけだ。

蹴り出し感が心地良いクロスプレーンの2気筒

水冷4 ストロークDOHC 688cm3、270 度クランク並列ツインが発揮する出力特性は、四つ足動物が着実に地面を蹴りだす様な感覚で、そのリズミカルな鼓動はどこか逞しい。不意に必要となる追い越し加速や、コーナー立ち上がりでのダッシュ力は必要にして十分なポテンシャル。ビッグバイクと一緒にツーリングしていたとしても、そのパフォーマンスに不足は無い。




そしてもうひとつ感じられたのは、MT-07よりも直進安定や峠道での身の翻しに、僅差ではあるが落ち着きが伴っていたこと。操舵性自体はワイドハンドルの影響も相まって軽快そのものだが、走りの雰囲気としてヒラヒラの自由度よりも、穏やかな安定感のスパイスをプラスした様な印象を覚えた。

実走燃費は21.1km/L

ちなみに試乗時の実用燃費率は21.1㎞/L。ざっくり2000円もあれば300 ㎞以上は楽しめるわけだ。


記者の個人的ニーズにも良く馴染み、いつしかユーザー目線で愛用している感覚になった程。で、気がついたのがMT-07ABSとの価格の違い。その差139,320円也。購入時には正直コイツに悩まされてしまうことだろう。




※ガソリンは130 円/Lで算出

大きくはないヘッドライトとステーから出る透明レンズのウインカーデザインにはどこか懐かしい雰囲気が漂う。多面反射鏡と60/55Wのハロゲンバルブ仕様だ。
ダイヤモンド式フレームに吊り下げられるようにマウントされたツインエンジン。エキゾーストパイプや冷却水通路がむき出しとなるデザインだ。


ピレリのファントムSPORTSCOMPを履く。フロントフォークは正立タイプのテレスコピック式。フェンダーはアルミのスタビライザーを介して取り付けられている。ブレーキは油圧ダブルディスク。右側にABS 用のセンサーが見える。
リヤにはシングルピストンのピンスライド式ニッシン製キャリパーを採用するシングル油圧ディスク。リンク式のスイングアームは、左右で形状が異なっている。


アルミの素材感を活かしたガソリンタンクカバー。試乗車はマットグレー。この他にダルレッドメタリックD も選択できる。両車趣がことなり、購入時は悩みの種になるかも。
幅740mm のアルミテーパーハンドル。ファーストインプレッションはややワイドに感じられるものの、おおらかなポジションと軽快なハンドリングを楽しませてくれた。


オーソドックスで扱いやすい左スイッチ。兄貴分にあるD-MODE(走行モード切替システム)スイッチは無い。実際、その必要性は感じられなかった。
シンプルかつコンパクトなシングルメーターだが、その内容は液晶マルチディスプレイで多彩な情報表示が成される。速度やエンジン回転はもちろんギヤポジション他、燃費等も把握できる。


脱着式シートを取り外したところ。良く使うであろう工具が整然とセットされており、取り出しやすい。シート裏にも工具袋がありリヤサス用のリンク回しが入っていた。
車体左側のシート下方にはキーロック付きのヘルメットホルダーが装備されている。オーソドックスな手法だが使いやすい。


アルミ製のピリオンステップ。両側ともに吊り下げ式のパイプステーが伸ばされている。シートデザインは後席がやや狭く、タンデムは近距離用の設定と思われる。
シート高は835mm とやや高めだが、スリムに仕上げられたシートデザインのおかげで、足着き性は悪くない。写真は身長約170 ㎝の記者の例だが、若干膝にもゆとりを持って両足はピタリと地面を捉えることができた。


・認定型式/原動機打刻型式:2BL-RM22J/M410E


・全長/全幅/全高:2,075mm/820mm/1,130mm


・シート高:835mm


・軸間距離:1,405mm


・最低地上高:140mm


・車両重量:186kg


・燃料消費率:国土交通省届出値定地燃費値 *2 38.4km/L(60km/h) 2名乗車時


/WMTCモード値 23.9km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時


・原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ


・気筒数配列:直列, 2気筒


・総排気量:688cm3


・内径×行程:80.0mm×68.5mm


・圧縮比:11.5:1


・最高出力:54kW(73PS)/9,000r/min


・最大トルク: 68N・m(6.9kgf・m)/6,500r/min


・始動方式:セルフ式


・潤滑方式:ウェットサンプ


・エンジンオイル容量:3.00L


・燃料タンク容量 :13L(無鉛レギュラーガソリン指定)


・吸気・燃料装置/燃料供給方式 :フューエルインジェクション


・点火方式:TCI(トランジスタ式)


・バッテリー容量/型式:12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S


・1次減速比/2次減速比:1.925/2.687


・クラッチ形式:湿式, 多板


・変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式


・変速比 :1速:2.846 2速:2.125 3速:1.631 4速:1.300 5速:1.090 6速:0.964


・フレーム形式:ダイヤモンド


・キャスター/トレール:25°00′/90mm


・タイヤサイズ:(前/後) 120/70R17M/C (58V)(チューブレス)/ 180/55R17M/C (73V)(チューブレス)


・制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ


・懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式)


・ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1


・乗車定員:2名
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