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可変バルブタイミング&リフト『UniAir』を採用したアルファロメオとジャガーの最新エンジン


英・伊の最新2.0ℓ直4エンジンに共通しているのは、そのシリンダーヘッドに組み込まれた可変動弁機構。シェフラーとフィアット・パワートレインが開発したUniAir(ユニエアー)というユニークな可変動弁機構がそれだ。

PHOTO:シェフラー

通常のバルブ制御システムでは、回転する吸気用カムシャフトのカムがバルブを開閉させる。バルブの開閉タイミングを最適にするために、さまざまな可変バルブタイミング機構があるわけだ。タイミングだけでなく、リフト量(バルブが大きく開けばその分空気が入る。小さく開けば空気量は減る)も変えたい、となると、ホンダのVTECなどの仕組みが必要になる。バルブタイミングとバルブリフトを可変にする仕組みの代表例がBMWのバルブトロニックだ。




リフト量を最適にコントロールできれば、流入空気量をスロットルバルブで制御する必要がなくなるから、つねにスロットルは全開、いわゆるポンピングロスがなくなる、というのが可変バルブタイミング&リフト機構のメリットだ(実際にはスロットルバルブは存在するが)。問題点は、システムが複雑になること、そしてシリンダーヘッドの重要が嵩むことだ。




さて、今回、ジャガー、アルファロメオの最新エンジンが採用したUniAirシステムでは、吸気バルブが吸気カムシャフトによって直接制御されるのではなく、介在する油圧室を通じて間接的に制御される。排気側のカムシャフトによって作り出された油圧で吸気バルブを開き、バルブのコントロールは電制ソレノイドバルブによって油圧が解放されることで行なわれる。




UniAirを開発したのは、フィアット・パワートレインとシェフラー。UniAirという名前でシステムを供給しているのは、シェフラーのINAブランドだ。




これまでは、フィアット、そしてクライスラーの一部のエンジンで採用されてきた。ここへきて、ジャガーにも採用されたわけだ。

アルファ ロメオ・ジュリアの2.0ℓ直4直噴ターボ

Alfa Romeo 2.0ℓ直4ガソリンターボ


排気量:1995cc


圧縮比:84.0mm×90.0mm


圧縮比:10.0


最高出力:206kW/5200rpm


最大トルク:400Nm/2250rpm


給気方式:ターボチャージャー


カム配置:SOHC


ブロック材:アルミ合金


吸気弁/排気弁数:2/2


バルブ駆動方式:ロッカーアーム


燃料噴射方式:筒内燃料直接噴射(DI)


VVT/VVL:In/○

アルファロメオ・ジュリア

新型ジュリアのスタンダード・グレードが積むエンジンは、新開発の2.0ℓ直列4気筒直噴ターボだ。久しぶりの縦置きFRアルファのエンジンだから、もちろんあらゆる点が新しいわけだが、注目なのはUniAirを採用したことだ。0.9ℓTwinAirエンジン、1.4ℓMultiAirエンジンなど、UniAirを使った可変動弁機構をフィアットクライスラーは好んで使うが、この2.0ℓも例外ではない。UniAirは、FPT(フィアット・パワートレーン・テクノロジー)とシェフラーが共同開発した排気側のカムシャフトの回転で作った油圧を利用したユニークな可変バルブタイミング&リフト機構だ。




吸気側のバルブはカム駆動ではないので、カムは1本。ゆえにSOHCエンジンである。ターボチャージャーは電動ウェイストゲート付きのツインスクロール式。ブロックはアルミ合金製で鋳鉄ライナーを鋳込んでいる。直噴インジェクターはセンターレイアウトで最大噴射圧は、20MPa(200bar)と発表されている。




次ページではジャガーのIngenimエンジンのハイパワー版を見てみよう。

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