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「酷暑日」っていつから使われ始めた? 酷暑日になりやすい地域、近年の酷暑日増加の一因についても解説


酷暑日とは、日最高気温が40℃以上になった日のことを指す、2022年夏に日本気象協会が命名した言葉です。この記事では、酷暑日の定義や酷暑日になりやすい地域、酷暑日に関する記録や酷暑日増加の原因について学ぶことができます。


酷暑日とは?「最高気温が40℃以上になった日」

酷暑日とは日最高気温が40℃以上になった日のことを言います。気象庁で定義されているのは最高気温が35℃以上の「猛暑日」までですが、近年の猛暑改め「酷暑」を鑑みて、より効果的に暑さへの注意喚起を行えるようにと、2022年夏に日本気象協会が命名した言葉です。


酷暑日は西日本で少なく東日本で多い?

近年観測することが多くなったとはいえ、日本で最高気温が40℃を超えるのは非常に稀で、2023年9月末現在、酷暑日を一度でも観測したことがある地点は全国約900の観測点のうち、わずかに33地点です。
最も観測回数が多いのは岐阜県で、次いで群馬県・埼玉県と、内陸県が多くなっているほか、新潟県などフェーン現象の影響を受けやすい日本海側の地域でも観測回数が多くなっています。

さて、ここで気になるのは西日本勢ですが、西日本での酷暑日の事例は愛媛県の宇和島市・高知県の四万十市の2地点しかありません。さらに、一般的に南国のイメージの強い九州・沖縄ではこれまで酷暑日の観測記録は一度もありません。特に沖縄地方は、四方を海に囲まれているため海洋性の気候色が強く、内陸に比べて気温が上がりにくい(下がりにくい)という特徴があります。そのため最高気温は過去の記録を全地点遡っても36℃台となっています。

※九州地方における最高気温記録は2018年8月13日の大分県日田市で「39.9」℃です。
https://tenki.jp/forecaster/takahitoishikake/2018/08/13/1713.html

※沖縄地方における最高気温記録は2013年8月7日の沖縄県南城市糸数(※他数地点あり)で「36.1」℃、那覇市の過去最高気温は「35.6」℃です


酷暑日に関するさまざまな記録 多治見では過去8回も酷暑日に

日本において40℃を超える「酷暑日」は稀有な現象なため、観測地点の偏りが目立ちます。

歴代最高※となる「41.1」℃をはじめ、これまで日本全国900を超える気温観測点のうち、33地点で計68回の酷暑日を観測していますが、最も観測回数の多い岐阜県多治見市でこれまで計8回、次に多い同美濃市で5回、山梨県甲府市・高知県四万十市・群馬県伊勢崎市で4回と、上位5地点で全体の1/3を占めています。
また、高知県四万十市の計4回の記録は、4日連続で酷暑日を観測しています。

※2018年7月23日「熊谷で41.1℃」
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2018/07/23/1441.html
※2020年8月17日「浜松で41.1℃」
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2020/08/17/9406.html


酷暑日が増えている?その原因は?

皆さんも肌感覚で分かるかと思いますが、近年の夏は昔より暑くなっています。
それは紛れもない事実※ですが、一方で、昔の記録と現在の記録を比較するには、一度立ち止まって考えなければならない項目があります。

その項目というのが、「猛暑日が増えている原因」の記事※でも説明している、「気温観測点の大部分を占めるアメダス観測点では、過去と現在で気温観測の統計方法が変わっている」という点です。
具体的には、2000年までは「1時間毎」の値を、2008~9年までは「10分毎」の値を、そして現在は「10秒毎」の値を、その日の最高気温として記録するようになっています。
例えば、「1時間毎」の値から最高気温を決めるのであれば、1日あたり24個のデータから最高気温を決めることになります。一方で、「10秒毎」の値から最高気温を決めるのであれば、1日あたり8640個のデータから最高気温を決めることになります。
つまり、8640÷24=360で、現在は2000年の時より360倍細かく気温をみて最高気温を決めていることになります。瞬間的な高温が以前より格段に拾いやすくなっているのが分かりますよね。

【アメダス観測点における気温統計方法の変遷】
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・~2000年まで:最高気温は1時間毎の値から採用(つまり24回/日)
・2001~2009年まで:最高気温は10分毎の値から採用(つまり144回/日)
・2009年~現在   :最高気温は10秒毎の値から採用(つまり8640回/日)
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※年々増加する猛暑日 意外な原因の1つ「統計方法の変更」
https://tenki.jp/suppl/d_tokuno/2023/08/24/32104.html
※気象庁 | 日本の季節平均気温
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/sum_jpn.html


記事のまとめ

酷暑日とは日最高気温が40℃以上になった日のことを指します。2023年9月末現在、「酷暑日」はこれまで68回観測され、今後も増えていくことが予想されます。
ヒトの体温である約37℃を優に超えてしまう酷暑日下では、熱中症へのリスクが極めて高くなります。
tenki.jpではアメダスランキングページからその日の全国最高気温を一目で確認できます。ぜひご活用いただき、目的地が極端な暑さになっている場合は、行動計画の変更をおすすめします。

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