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秋にも花粉は飛ぶ?簡単にできる対策も紹介


花粉症というと春をイメージする人が多いかもしれませんが、実は秋にも花粉は飛散しています。春の花粉症と秋の花粉症はそれぞれ原因が異なるため、人によっては春と秋の両方で花粉症の症状が出て悩むケースもあるでしょう。

そこで今回は、秋の花粉に関する基礎知識と、秋の花粉症の原因、秋の花粉症対策について解説します。


秋にも花粉は飛ぶ?

花粉症の原因となる花粉は、大きく分けて木本植物によるものと、草本植物によるものの2種類に分類されます。[注1]

このうち、木本植物に由来する花粉にはスギやヒノキ、シラカンバ、ハンノキ属などがあり、主に春を中心に花粉が飛散します。一方、草本植物由来の花粉であるイネ科やブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラは、夏の終わりから秋にかけての時期に飛散する傾向にあります。なかでもイネ科の植物は、カモガヤやオオアワガエリなどを筆頭に種類が多いため、春~初秋にかけての長い間飛散します。また、木本植物由来の花粉も、少量ですが秋に飛散することがあります。

このように、花粉の種類によっては秋を中心に飛散するものもあるため、秋の花粉症に悩まされる人も少なくありません。

[注1]環境省:花粉症環境保健マニュアル2022[pdf]


秋の花粉症の原因

秋の花粉症の主な原因を4つご紹介します。

■1. カモガヤ
イネ科の雑草であるカモガヤは、同じイネ科の中でもとくに花粉症の原因になりやすい植物といわれています。草丈は60~120cm程度で、緑色の葉と、枝の先につける白っぽい花が特徴です。河原や公園などでよく見られますが、住宅の庭や道路脇などにも多数見受けられます。

カモガヤの花粉症になると、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、スギ花粉とおおよそ同じ症状が出ます。カモガヤの花粉はあまり遠くに飛散しないので、近づかなければあまり影響は及びませんが、身近なところに生えているぶん、知らない間に近づいて花粉症の症状が出る人もいるようです。

■2. ブタクサ
ブタクサはキク科の一年草で、明治初期に北アメリカから入ってきた外来種の雑草です。
非常に繁殖力が強く、本州や四国、九州など、広い範囲の道端や公園、畑の周辺などに生えています。草丈は30~100cm程度で、秋頃には黄色くて小さな花を房状に咲かせます。

カモガヤ同様、飛距離は長くても数百m程度ですが、スギ花粉よりもサイズが小さく、踏まれるとさらに小さくなって気管支や肺に侵入しやすくなります。そのため、ブタクサの花粉症にかかるとくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの諸症状に加え、咳が出やすくなるのが特徴です。

■3. ヨモギ
ブタクサと同じキク科であるヨモギは、夏から秋にかけて茎を伸ばす多年草です。草丈は50~120cmほどで、初秋には素朴な花をつけます。ブタクサよりもさらに繁殖力が強く、生育面積が広いため、花粉の飛散量はかなり多量です。

飛散の距離は数十m程度ですが、河川敷や空き地など身近なところに群生しているので、通勤・通学や散歩などで近くをよく通る場合は影響を受ける場合があります。主な症状はくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などですが、ブタクサ同様、花粉の粒子が比較的小さいため、気管支まで入り込むと咳症状が出ることもあります。

■4. カナムグラ
カナムグラはアサ科の蔓草で、草丈は60~100cm程度、茎に下向きのトゲが生えているのが特徴です。雌花は紫褐色、雄花は黄緑色をしており、手のひらの形のような葉をつけます。日本全土で見られる繁殖力の強い雑草で、道端や空き地、住宅の庭、畑まわりなど至るところに自生しています。一年草なので冬になると枯れますが、種が落ちたところから芽を出すため、同じ場所に繰り返し生えてくる傾向にあります。

カナムグラの花粉症にかかると、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状のほか、目のかゆみや涙目などの症状が出やすくなります。


秋の花粉症対策

秋の花粉症対策に有用な方法を4つご紹介します。

■1. 花粉症用のメガネをかける
花粉は口や鼻だけでなく、目からも入り込みます。裸眼の人はもちろん、通常のメガネやサングラスでは横のすき間から花粉の侵入を許してしまうので、フードラバー付きの花粉症用メガネを使用するのがおすすめです。花粉症用メガネは度が入っていないタイプと、度付きタイプの2種類から選べるので、目が悪い人もそうでない人も着用できます。

■2. 花粉が付着しにくい素材の服を着る
秋花粉が飛散している時期に外出すると、花粉が服に付着し、帰宅した際に部屋の中に持ち込んでしまう可能性があります。とくにウールの衣類はほかの繊維に比べると花粉の付着率が高いので、綿や絹など花粉が付きにくい素材の服を着るのがおすすめです。[注1]

また、外出した際は玄関に入る前に全身を手で払い、花粉を落としてから帰宅する習慣をつけましょう。

■3. マスクを着用する
マスクを正しく着用すると、花粉をおよそ70%削減できるといわれています。[注1]
さらに花粉症用のマスクを着用すると、およそ84%の花粉を減少させる効果があるというデータも報告されています。現在はコロナ禍ということもあり、多くの人がマスクを着用して外出していますが、正しく装着しないとすき間から花粉が入り込みやすくなるので、今一度適切なマスクの付け方をチェックしておきましょう。

■4. うがい・洗顔をする
外出先から帰宅したら、うがいと洗顔を行うことを習慣にしましょう。うがいをすると喉に流れた花粉を除去し、体内への侵入を未然に防ぐことが可能です。洗顔には顔に付着した花粉を洗い流す効果が期待できますが、丁寧に洗わないと目や鼻のまわりについた花粉が体内に侵入し、かえって症状が悪化する可能性があるので要注意です。


秋にもさまざまな花粉が飛散している!日常生活でしっかり花粉対策を行おう

秋はカモガヤやヨモギ、ブタクサといった草本植物由来の花粉が飛散しやすくなる時期です。スギやヒノキといった木本植物の花粉に比べると飛散距離はさほど長くありませんが、身近なところに存在しているため、知らない間に影響を受けるおそれがあります。

秋だからと油断せず、外出する際は花粉症用のメガネやマスクを着用し、なるべく花粉を体内や室内に侵入させないよう注意しましょう。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、毎日の服装選びに役立つ「服装指数」を公開しています。秋の花粉が気になる人は、袖の長さや上着の有無を決めた後に、花粉が付着しにくい素材の服かどうかも確認してみてください。

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