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3月3日 ひな祭り~上巳の節句


今日、3月3日はひな祭りです。あたたかな日和となる地域が多いようですね。女の子の健やかな成長を願う日として定着していますが、その始まりと言われる上巳(じょうし)の節句は陰暦三月に宮中などで行われた曲水の宴に由来します。上巳とは?曲水の宴とは…?


ひな祭りと季語

「ひな祭り」の異称は季語だけで、桃の節句、三月節句、弥生の節句、桃の日、雛の日、雛、ひひな、雛遊び、雛飾り・雛飾る、雛人形などなど、36語。祭の後の「雛流し」の異称には、雛送り、流し雛、捨雛。さらに「雛納め」と40種類もあるのです。古くから雛にまつわる行事が根付いていたことがうかがえますね。歳時記によれば、中国から伝わって来た「曲水の宴」が奈良時代から平安時代に宮中や貴族の邸宅で3月の上巳(巳の日)や桃の節句(3月3日)に穢れを払う儀式として浸透したことに由来したと言われます。え?上巳って3月3日のことじゃないの?と思われた方、実は中国でも最初から3月3日と上巳は同じ日ではなかったそうです。現在のようにご節句が固定されたのは中国の三国時代の頃でした。ちなみに、今年の上巳は3月7日になります。


曲水の宴…水に流す儀式

曲水の宴は、奈良時代から平安時代にかけて宮中や貴族の邸宅で催されていました。上流から流される盃が自分の前を通り過ぎる前に歌を詠むという、ドキドキする行事ですが、穢れを払う儀式として行われ、現在でも福岡・太宰府天満宮で3月第一日曜日に行われています。また、良くないことをなかったことにするとき、今でも私たちは「水に流そう」と言います。流し雛は、人形(ひとがた)の雛を川や海に流すことで邪気を払っていました。曲水の宴も穢れを払うための儀式ですが、ともに「水に流す」ということが興味深いですね。雛人形は早くしまわないといけないということも、邪気払いの氣をいつまでも出していてはいけない、という考え方に基づいています。二十四節気の啓蟄(今年は3月4日)にしまうと縁起が良いとされています。

王羲之(おうぎし)の時代になると「琴・詩・酒」(三友という)が宴に取り入れられ、庭園に文人が集う際のスタイルが定まりました。その中で風流という美意識が生まれ、その後の庭園文化へとつながっていきます。もちろん、日本の庭園の形も宴なしには考えられず、大きな影響を受けています。庭という空間で人が集い、詩作や音楽を楽しみ、酒を酌み交わす…現在私たちが楽しんでいる花見や月見などの野外での集いの源が曲水の宴だったのですね。ひな祭りでごちそうとお酒を楽しむときに、ふと古来の風習を思い出してみてください。素敵な雛の日となりますように。

参考

・『俳句歳時記 春』 角川学芸出版編

・『風月、庭園、香りとは何か』 野村朋弘編 藝術学舎

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