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燃え尽きず、泰然と=東京五輪金の永瀬―柔道


 昨年の東京五輪柔道男子81キロ級で金メダルを獲得した永瀬貴規(28)=旭化成=が、世界選手権(10月、タシケント)で2015年大会以来の頂点を目指す。「改めて『永瀬』という強さを証明したい」。静かな口ぶりの中に決意がにじむ。  8月上旬。宮崎県延岡市で報道陣に公開された男子代表合宿では、実業団、大学、警察の各所属から選手が集まった道場でふらふらになるまで乱取りを続けていた。別の日は黙々と階段ダッシュを繰り返した。60キロ級代表の高藤直寿(パーク24)は「合宿は練習量が多い」と悲鳴を上げつつ、「永瀬とか、やるからね」。そう言って、妥協しない姿勢に舌を巻いた。  五輪金メダルを手にしても心が燃え尽きることはなかった。「きょうの練習はこれをしよう」などと日々の身近な目標を立ててきた。以前に比べて、自分の体調を冷静に判断してオンとオフの切り替えもできるように。「経験値が上がったからこそ、今何をするべきなのかを考えることができるようになった」。年齢による変化を感じながらも、泰然と構えている。  男子81キロ級は16年以降、永瀬が東京五輪を制すまで五輪と世界選手権の計5大会で日本が金メダルを取れなかった激戦の階級。「気持ちが守りに入ったら駄目だと思う」と胸に刻む。24年パリ五輪での連覇をにらみ、世界選手権王者の称号も取り戻しにいく。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕柔道の男子代表合宿で乱取りに励む永瀬貴規(右)=8月2日、宮崎県延岡市
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