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日本の魚類研究者が「世界最重量硬骨魚」を正確に同定し、マンボウの種が変更される


2017年12月6日



シュプリンガー・ネイチャー



日本の魚類研究者が「世界最重量硬骨魚」を正確に同定し、マンボウの種が変更される



マンボウ属の分類をめぐる混乱を解決



日本の魚類研究者ら*が、今まで捕獲された魚類の中で「最も重い硬骨魚」を正確に同定し、学名を修正しました。当初、一般的によく知られているマンボウMola molaと考えられていた2300キロの巨大魚は、近縁種のウシマンボウMola alexandriniであったことがわかりました。この研究は、元広島大学の澤井悦郎博士のチームにより行われ、日本魚類学会英文誌Ichthyological Researchに発表されました。本誌はシュプリンガーが刊行しています。



【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201712068730-O1-Y6L52GR6



硬骨魚類の骨格は、サメやエイのような軟骨ではなく、硬骨で構成されています。マンボウ類は世界最大級の硬骨魚として知られ、その驚くべきサイズと独特の形態は、何世紀にもわたって船乗りたちを魅了してきました。個体の大きさは全長3メートルにも達し、2000キロを超える個体もいくらか捕獲されています。マンボウ類に尾びれはなく、その代わりに「舵びれ」と呼ばれる舵取りの役割がある幅広い葉状のひれが体の後ろにあります。



澤井博士のチームは、これまでに500年以上前の記録も含めた世界中の1000点以上の文献を集め、1000個体近くのサンプルを調査しました。その目的はマンボウ属Molaに属する種の学名を明確にすることです。



近年のDNAを使った研究によってマンボウ属は3種に分類され、澤井博士のチームはそれぞれの学名を暫定的にMola sp. A(ウシマンボウ)、Mola sp. B(マンボウ)、Mola sp. C(マンボウ属C種)と呼んできました(sp.は属名は判明しているが、種名が判明していない状態)。それら3種のうち、マンボウ属C種(Mola sp. C)の学名は、2017年7月に、マンボウ属で125年ぶりとなる新種・カクレマンボウMola tectaとして発表されました。



この研究では残りのマンボウ属2種(ウシマンボウ、マンボウ)の学名を特定するため、世界各地の生鮮標本と博物館保存標本を含んだ30点の標本を詳細に調査し、解剖や形態計測を行いました。また、情報は写真、古い記録や最近の記録からも収集しました。チームは種の形態的特徴を明確化し、各種の分布を調べました。それらの結果、マンボウ(Mola sp. B)はMola mola、ウシマンボウ(Mola sp. A)はMola alexandriniの学名をそれぞれの種に適用すべきであるという結論に達しました。



また、ウシマンボウの英名は、特徴的に頭部が隆起することにちなんでbump-head sunfishという新しい名を提案しました。「Mola alexandriniに採用した和名ウシマンボウも同様の由来です。ウシマンボウの『ウシ』は、この魚の隆起する頭部を表します」と澤井博士は説明しています。



また、チームは同定の誤りの問題も解決しました。ギネス世界記録には、世界最重量の硬骨魚としてマンボウMola molaが登録されています。しかしながら、澤井博士のチームは1996年に千葉県鴨川市沖で捕獲された2300キロのウシマンボウ(2.72メートルのメス)が今まで実際に計量された中で最も重い個体であることを発見しました。この個体はこれまでマンボウと同定されていましたが、今回の調査により、3点の形態的特徴(頭部の隆起、下顎の隆起、丸みを帯びた舵びれ)に基づき、ウシマンボウであると改めて同定されました。



「したがって、これまでに『実際に体重が計量され記録された世界最重量の硬骨魚』はマンボウではなく、ウシマンボウとなります」と澤井博士は述べ、これよりもさらに大きな個体が海にはいるはずだと語ります。2004年に宮城県網地島沖で3.32メートルのウシマンボウのメス個体が捕獲されましたが、体重は計量されませんでした。



参考文献:Sawai, E. et al (2017). Redescription of the bump-head sunfish Mola alexandrini (Ranzani 1839), senior synonym of Mola ramsayi (Giglioli 1883), with designation of a neotype for Mola mola (Linnaeus 1758) (Tetraodontiformes: Molidae), Ichthyological Research

[ https://link.springer.com/article/10.1007/s10228-017-0603-6 ]



註*: この研究における研究者の所属機関は広島大学、東京大学、マードック大学(オーストラリア)です。



日本魚類学会 http://www.fish-isj.jp/ 





詳細は、次の担当者までお問い合わせください。

山口 芙美子

シュプリンガー・ネイチャー

E:fumiko.yamaguchi@springer.com

英語プレスリリース







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