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マイクロアド Research Memo(6):アドテク企業から総合データカンパニーへ


*14:26JST マイクロアド Research Memo(6):アドテク企業から総合データカンパニーへ ■中長期の成長戦略

● 3つの基本戦略で業績拡大と企業価値の向上を実現する
中長期の成長戦略としてマイクロアド<9553>は「アドテクノロジーの企業から、総合データカンパニーへ」というスローガンのもとに、データ活用を軸とした成長戦略を描いている。具体的には「データプロダクトの拡大」「2024年のCookie規制への対応」「新領域へのデータ活用」という3つの基本戦略により、業績の拡大と企業価値の向上を目指す構えだ。

(1) データプロダクトの拡大
インターネット広告市場において「ブランド領域(自動車や飲料・食品など、実店舗での製品提供を行う企業が対象となるマーケティング領域)」に特化しながら、販売体制の強化と新製品のタイムリーな投入によって「UNIVERSE」の稼働アカウント数を増やしていく計画である。ブランド領域に特化する理由は、競合企業がいないためだ。また、既存マス広告4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)からのデジタルシフトによって、市場規模の拡大が見込めることも要因だ。成長する市場のなかでしっかりと利益を確保していく。

販売体制の強化に関しては、2021年10月に営業組織を顧客の属性に特化した組織体制へと変更した。加えて、コロナ禍によってリモートワーク中心に変化している顧客に対応するために、オンラインセミナーを通じた販売体制を構築した。2022年9月期は全40回のセミナーを実施し、問い合わせ件数は6,600件(受注金額は140百万円)まで拡大した。2023年9月期においては、オンラインで営業活動を行う専門の部署を新設し、販売体制をより時代にあった形へと進化させる計画だ。また、「UNIVERSE」が保有するデータを活用した新製品も順調に市場に投入されている。直近では、先述の「まちあげ」などが該当する。

加えて、付加価値の高い製品を継続的に市場に投入し、中長期的な成長を実現するため、その土台となる人材への投資をさらに厚くしていく。具体的には新卒採用にさらに注力し、独自の採用・育成ノウハウによって質の高い人材プールを構築する方針だ。

(2) 2024年のCookie規制への対応
データプロダクトの「UNIVERSE」においては、WEBブラウザの3rd Party Cookieという技術を活用している。この技術に関しては、Google社が提供するChromeブラウザにおいて2024年末にサポートの停止が公表されている状況である。デジタルマーケティングの領域で事業を行う全ての企業が対応を迫られているなか、同社は業界のなかでもいち早く規制に対応することによって、先行者利益を獲得する。具体的には「Privacy Sandboxへの対応」「Cookieに代わる技術の導入」「新しいターゲティング技術」という3つの対策を行っている。「Privacy Sandbox」とはGoogle社が広告企業向けに従来のビジネスの継続を目的に提供を予定している代替技術であり、2024年夏のリリースに向けて対応準備を進めている。また、プライバシーの問題をクリアしながら従来のCookieと同等の動きをする新しい技術を2022年5月から段階的にリリースしてきた。加えて、Cookieを利用せずにユーザーが閲覧しているコンテンツの内容を分析してターゲティング配信を行う技術を2022年2月にリリースしている。直近では、2023年1月にLiveRamp社との連携によりCookieを代替するIDソリューションを同社の全プラットフォームに導入したほか、2023年5月にはThe Trade Desk, Inc.が開発するCookieを利用しないIDソリューションを導入した。ポストCookie時代に向けた代替技術の導入も順調に進んでいる状況だ。

また、非Cookieビジネスを垂直に立ち上げられる点も同社の特徴だ。同社はデータ保有企業向けプラットフォーム(UNIVERSE DATA PLATFORM)、広告主企業向けプラットフォーム(UNIVERSE Ads)、広告掲載メディア企業向けプラットフォーム(MicroAd COMPASS)の全てを自社で取り扱っており、Cookieに代わる技術を迅速に全てのプレイヤー向けサービスに反映ができる。

(3) 新領域へのデータ活用
同社の事業は広告関連が中心であるが、保有している膨大なデータや分析技術を活用し、広告以外の領域にもデータビジネスを拡大していく。新領域へのデータ活用も順調に実績を積み上げている状況だ。また、2022年8月には、機関投資家や金融機関が投資判断に活用できるオルタナティブデータの提供を開始したが、2023年1月からオルタナティブデータを活用した自己資金での投資事業を開始した。さらに直近では先述の通り、インバウンド関連の新規サービスや越境EC関連の新規サービスを順調に開発し、市場に投入している状況である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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