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テリロジーHD Research Memo(7):2023年3月期は円安の影響や一時的費用発生などで大幅減益


*15:37JST テリロジーHD Research Memo(7):2023年3月期は円安の影響や一時的費用発生などで大幅減益 ■業績動向

1. 2023年3月期連結業績の概要
テリロジーホールディングス<5133>の2023年3月期の連結業績(2022年11月1日付で持株会社設立のため2022年3月期実績はなし)は、売上高が5,676百万円、営業利益が115百万円、経常利益が127百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が46百万円だった。2022年3月期のテリロジーの連結業績との単純比較で見ると、売上高は8.7%増収、営業利益は74.0%減益、経常利益は71.0%減益、親会社株主に帰属する当期純利益が83.1%減益だった。

売上面は全体として増収と順調だった。セキュリティ部門とソリューションサービス部門の高成長が牽引した。ただし利益面は大幅減益だった。為替の急激な円安進行の影響で売上総利益率が低下し、事業拡大に向けた人的資本増強に伴って人件費などが増加した。さらに、M&A・アライアンスに係る費用20百万円の計上や、譲渡制限付株式の精算など組織再編に伴う諸費用として46百万円の計上という一時的費用も影響した。売上総利益は3.3%減少し、売上総利益率は4.4ポイント低下して35.1%となった。販管費は15.9%増加し、販管費率は2.1ポイント上昇して33.1%となった。この結果、営業利益率は6.5ポイント低下して2.0%となった。


売上面はセキュリティ部門とソリューションサービス部門の高成長が牽引
2. 部門別の動向
部門別の売上高は、ネットワーク部門が2022年3月期のテリロジーの連結業績との単純比較で8.1%減の1,286百万円、セキュリティ部門が同24.8%増の2,155百万円、モニタリング部門が同30.3%減の269百万円、ソリューションサービス部門が同14.9%増の1,965百万円だった。

ネットワーク部門は減収だった。DDoS攻撃対策など企業内ネットワークが抱える課題解決で「Radware」の受注が堅調に推移し、ネットワーク構築関連の「Extreme (旧Aerohive)」も企業のWi-Fi利用拡大を背景に順調だったが、IPアドレス管理サーバ製品の「Infoblox」がリプレース需要一巡やサブスクリプション・モデルへの移行などにより減少した。

セキュリティ部門はセキュリティニーズの高まりも背景に大幅増収となり、高成長を継続した。主力のCTI関連が好調に推移し、重要インフラや工場などの産業制御システム分野(OT/IoTシステム分野)のセキュリティ対策に強みを持つ「Nozomi Networks」を採用した制御システム・セキュリティリスク分析案件が増加した。ネットワーク不正侵入防御セキュリティ製品の「TippingPoint」は、特定の組織や企業を標的とするサイバー攻撃への対策として、官公庁や製造業などから案件を獲得した。さらに、ログ情報から脅威をいち早く正確に捉えることができる「Sumologic」や、サプライチェーンのリスクを可視化する「BitSight」などの受注も堅調だった。なお、犯罪に利用されるSNSをAIで分析し、犯罪グループ間の隠れた関係や裏アカウントなどを特定するサービスを本格的に開始した。また、次の大きなテーマとして取り組んでいるソフトウェアサプライチェーンリスクのサービスも順調に立ち上がった。

モニタリング部門は大幅減収だった。テリロジーグループ開発ネットワークパケットキャプチャ製品の新モデル「THXシリーズ」や、テリロジーグループ開発ITシステム運用監視クラウドサービス「CloudTriage」の受注獲得を推進したが、長年使用されてきたレガシーな製品のサポート終了に伴って保守サービスの売上が減少した。

ソリューションサービス部門は大幅増収となり、高成長を継続した。DXの流れを背景にテリロジーグループ開発ソフトウェアRPAツール「EzAvater」が順調だった。多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」は、インバウンド需要再開を背景として商業施設を中心に導入が増加した。また、Zoomの新しい利用方法として「みえる通訳」を組み合わせて利用する需要が拡大し、オールインワンモニターなどの機器の需要も増加した。さらに、IGLOOOが展開する訪日インバウンドメディア「VOYAPON」を活用したプロモーション事業も、インバウンド需要の再開により、訪日外国人観光客を誘客するPR需要が増加した。クレシードが展開する情報システム開発・運用サービスも堅調だった。


財務面の健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2023年3月期末(テリロジーホールディングス)の資産合計は6,144百万円、負債合計は3,698百万円、純資産合計は2,445百万円となった。2022年3月期末(テリロジー)との比較で資産合計は152百万円増加、負債合計は146百万円増加、純資産合計は5百万円増加した。また、2023年2月から3月にかけて総額299百万円の自己株式取得を実施した。この結果、自己資本比率は1.1ポイント低下して39.1%となった。特に大きな変動はなく財務面の健全性が維持されている。キャッシュ・フロー計算書でも特に懸念される点は見当たらない。弊社では、財務面に配慮した規律ある企業価値向上戦略が推進されていると評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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