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プロパスト Research Memo(4):パターン化でデザイン性と低コストを両立


■賃貸開発事業

1. 事業概要
賃貸開発事業は、首都圏を中心に用地取得から中小規模賃貸マンションの企画・建築・販売を行っており、期間としては1年程度の中期プロジェクトである。プロパスト<3236>は利便性の高い物件を一時的には自社保有し、同社のネットワークを駆使して空室率を最小限に抑制するとともに、優良なテナント付けを行うなかで賃貸業務を行っている。その後は外部環境を勘案しながら、売却時期を検討する。首都圏エリアを中心とした立地で、かつ、最寄り駅から徒歩10分圏内のマンション用地を取得し、40~50坪程度の小さな土地を中心に、1棟20戸~30戸程度の中小規模かつ中低層物件に狙いを定める。売却価格は、1棟で5~15億円程度を目標としているが、最近は15億円以上の大規模物件も売れており、都心の資産価値が高い優良物件に特化した戦略が奏功しているようだ。

賃貸開発事業の2021年5月期の売上高は13,755百万円(前期比14.7%増)、営業利益は2,253百万円(同26.2%増)と引き続き大幅な増収増益であった。同事業は、売上高では会社全体の72.8%、営業利益でも81.5%を占める同社の稼ぎ頭となっている。また、営業利益率も16.4%の高水準を維持し、同社の中では最も収益性が高い事業でもある。売却先は従来より海外投資家(コロナ禍により現在は活動停止中)や、相続税対策として銀行借入によって物件を購入する個人投資家層が多く、企業の社宅ニーズも増えており、最近はファンドによる購入も増えている。さらに、2021年5月期からは大株主シノケングループのREITが加わり、今後も安定的な売却先として期待される。これら種々の投資家ニーズにマッチする物件を供給していることが、賃貸開発事業が好調の理由と言えるだろう。

2. 特長
分譲開発事業などで培った同社のデザイン力を生かし、コストを抑制しながら、ハイセンスな賃貸マンションを建築することで、最終的には投資家やファンド向けに売却を行う。小規模かつ中低層物件に特化することで、物件取得時以降の外部環境の変化や建築費用の上昇等の変動要因の影響を抑制する。

徹底的なコンセプト重視の分譲開発事業とは違い、賃貸開発事業ではパターン化を行うことで、外壁をコンクリートの打ちっぱなしにするなど、デザイン性を損なうことなく、低コストを実現している。「グランジット」シリーズは6階以上の物件でエレベーターが付くが、「コンポジット」シリーズは5階以下の物件でエレベーターはなく、初期投資を少なくできる。また、分譲開発事業と同じく、ローンが付きやすいRC造にこだわって展開している。同社内では、近年にスタートした事業ではあるが、戦略的に重要な位置付けとなっている。視覚的に訴求するような資料を作成し、建物や部屋のデザイン性を強調しながら、立地の良さや利回りを明記し提案に使用しており、仲介会社からも評判が良いようだ。

3. 実績例
賃貸開発事業の最近の主な実績例は以下のとおり。
(1) コンポジット王子(東京都北区王子、2021年5月竣工)
(2) コンポジット中目黒(東京都目黒区中目黒、2021年5月竣工)
(3) グランジット神楽坂ノース(東京都新宿区山吹町、2021年5月竣工)
(4) グランジット目黒不動前(東京都品川区西五反田、2021年3月竣工)
(5) グランジット日本橋浜町(東京都中央区日本橋浜町、2021年2月竣工)
(6) コンポジット新宿(東京都渋谷区代々木、2021年1月竣工)
(7) コンポジット等々力(東京都世田谷区等々力、2021年1月竣工)
(8) コンポジット代々木参宮橋(東京都渋谷区代々木、2020年12月竣工)
(9) グランジット神田司町(東京都千代田区神田司町、2020年9月竣工)
(10) HERMOSA KAWASAKI(川崎市幸区南幸町、2020年9月竣工)
(11) コンポジット野方(東京都中野区野方、2020年8月竣工)

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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