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高千穂交易 Research Memo(3):システム事業とデバイス事業が2本柱。海外では防火システムも手掛ける(1)


■事業概要

1. 事業概要
高千穂交易<2676>の事業セグメントは、システム事業とデバイス事業に分けられており、各セグメントの売上高(2020年3月期)は、システム事業12,564百万円(売上高比率60.9%)、デバイス事業8,051百万円(同39.1%)となっている。

なお2020年3月期から、システム事業のサブセグメントをそれまでの「商品を中心とした分類」から「市場を中心とした分類」へ変更した。新しいサブセグメントは、リテールソリューション商品類(以下、リテール)、オフィスソリューション商品類(以下、オフィス)、グローバル商品類(以下、グローバル)、サービス&サポート商品類(以下、サービス&サポート)の4つに区分された。デバイス事業は電子プロダクトと産機プロダクトのサブセグメントに分けられており、これらは以前と変わっていない。

以下は各セグメント及びサブセグメントの概要である。

2. システム事業
(1) リテール(2020年3月期総売上高に占める比率27.6%)
EAS(商品監視システム)、映像監視システム、ストアマネジメントシステム、ディスプレイセキュリティシステム及びこれらに関連したシステム構築が含まれる。商品監視(万引き防止)システムの国内シェアはトップクラスとなっている。商品は主に米国センソマチックブランドで、これに監視カメラなどを複合的に組み合わせたソリューションで強固なセキュリティを実現している。これらのセキュリティセグメントの主要顧客は、大手GMS、ドラッグストア、家電やアパレル量販店など。また近年は市場ニーズを捉え、省人化システムをラインナップに加えた展開を行っている。

(2) オフィス(同30.4%)
主要製品は、オフィス入退室管理システム、RFIDシステム、ネットワークシステム及びこれらに関連したシステム構築、メーリング(封入封緘)システムとなる。近年オフィス及びインターネット環境におけるセキュリティが重要視され、より高度なシステムへの要求が高まっているが、外資系オフィスやデータセンターなど特にハイセキュリティを要求される市場での入退室システムの販売を伸ばしている。また世界的にも有力なクラウド系無線LANやテレワークに必要となるリモートアクセスシステムも主要代理店として展開している。RFIDについては大手アパレルショップなどの小売業や工場、物流、図書館などに導入され実績化が進んでいる。

(3) グローバル(同25.1%)
内容は買収した海外子会社(Takachiho Fire, Security & Services (Thailand)とGuardfire)が扱う防火システムが中心となっている。特にGuardfire社は2014年に米国企業の United Technologies Corpから買収した企業で、エネルギー需要が増大する東南アジア地域の石油、ガス、発電等の大型プラントの高度防火システムの設計及び商品供給を行っており、現地において高い信頼性を獲得している。

(4) サービス&サポート(同16.9%)
システムセグメント内の商品の設置・保守・運用管理など。販売したシステムの一定期間のメンテナンス契約や業務委託、サービス契約があり、安定したストック型事業である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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