■今後の見通し

2. 中期成長イメージ
少子化が懸念される今後の日本を考えれば教育への投資政策は正しいと思われ、年少人口に向けた資金の回転は長期的に良化すると考えられる。学研ホールディングス<9470>が教育分野で、コンテンツの活用とシェアアップによってメリットを享受することは可能である。加えて、2020年教育改革もチャンスとなる。「科学」と「学習」以来培ってきた同社のノウハウとコンテンツ、ビジネスモデルはまさに文部科学省の理念に沿うものである。このため、同社のコンテンツに期待するような形で、明光ネットワークジャパン<4668>やZ会で有名な(株)増進会出版社、教育出版の文理や市進ホールディングスなど、提携や買収が増えている。同社は教育産業再編の核となっており、再成長へ向けてまさに千載一遇のチャンス到来と言える。

一方、成長市場と言える医療福祉分野では看護師向けeラーニングや医学書等の出版を行う医療分野の充実したサービスコンテンツと連携し、強みを活かしながら、ニーズの大きいサ高住や子育て支援の拠点数を拡大する計画である。中でもサ高住は住宅賃貸事業のため、入居率が高ければ安定収益源となり、同社の中期成長を牽引しそうである。同社のサ高住に関しては、2011年に制度化された際やその前身の高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の段階から業界で先駆的に拠点開発を進めてきたことで、介護業界での認知度は高いと思われる。このため、同社のサ高住の入居率はその殆どが既に損益分岐点を上回ってきている。同社はすでに117事業所のうち93がサ高住であり(2017年9月期)、同社のサ高住を重視した戦略は、拡大が期待されるマーケットで先行していると言えよう。今後、サ高住など医療福祉分野での施設へのニーズが強まることが予想されるため、同社は中期的にサ高住を年間15拠点、保育園や学童保育などの子育て支援施設を年間5~10拠点程度開設していく計画である。さらに同社は、中期的な戦略として、0歳から100歳までの全ての世帯の人が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができる社会、「学研版地域包括ケアシステム」の構築を掲げており、訪問看護のほか、認知症予防教室や配食事業などに積極的に取り組んでいる。

「コンテンツ・サービス創造企業」への業態進化、持続的成長へのテイクオフに向けた体制はまさに整った。このため今後、コンテンツ展開のマネタイズと施設の投資回収も進むことも予想される。同社は中長期的に新たな成長局面に入ったと言えるだろう。


■株主還元策
同社は安定的かつ継続的な配当を実施することを基本方針とする一方、内部留保資金については企業体質の強化と今後の事業展開に有効投資していく考えである。このため、2017年9月期の1株当たり配当金は60円を実施、2018年9月期の1株当たり配当金は70円を予定している。なお、同社は、株主への同社商品の理解促進のため、株主優待制度を実施している。毎年9月末の株主名簿に従い、カタログ掲載の同社グループ発行の雑誌、書籍、ムック、キャラクターグッズなどから1セット約4,000円相当の希望の商品を、100株以上1セット、300株以上2セット贈呈している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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情報提供元:FISCO
記事名:「学研HD Research Memo(8):教育改革と人づくり革命を好機に教育や介護福祉で培ったノウハウを活用