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不安定な値動きの原油相場~もっと知りたい商品先物取引


みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。今回のコラムでは足元で不安定な値動きをみせる原油相場についてコメントしたいと思います。


■3月以降も原油相場は不安定な動き

まず原油価格の動きを確認してみましょう。東京商品取引所(TOCOM)の原油先物価格(プラッツドバイ原油、2020年8限月)は3月3日につけた35,570円(1キロリットルあたり)を直近の高値として上値を切り下げており、3月末にかけては23,000~25,000円台での推移となっています。

また、3月9日には一時20,940円をつけ、節目の20,000円割れを試す局面もありました。年始に40,000円台後半で推移していた同原油相場ですが、この2-3ヶ月で一気に半値以下になっております。足元の原油相場に一体何が起きているのでしょうか。


■世界の原油需要減少の懸念強まる

3月以降の原油相場の主な下落背景としては、世界の原油需要減少の懸念が強まったことが挙げられます。

当初中国をはじめとしたアジア内のみと意識されていた新型コロナウイルスによる感染者が、イタリアや米国をはじめとした世界各国に本格的な拡大をみせました。これにより、ヒトとモノの移動制限が世界的に強まり、世界の原油需要が減少するのではという不安が極端に強まりました。

また、世界的な株式市場の動揺でリスク回避姿勢が強まったことで、リスク資産を現金化する動きも重しとなりました。


■産油国動向も気がかり

足元の産油国間の交渉動向としては、サウジアラビアが追加の協調減産を提案したものの、ロシアがそれを拒否・反対したことで3月末に産油国が期限を迎えるとされる協調減産の延長は失敗に終わりました。

すると、サウジアラビアも4月から増産姿勢に転じると伝わり、狼狽売りが原油相場の急落を招く形になりました。

引き続き米石油会社の増産も止まらないなか、サウジアラビアは依然として原油価格・生産に関してロシアと協議を行っていないことも表明しており、原油価格戦争の長期化が懸念される格好となっています。


欧米を中心とした世界の新型コロナウイルス感染者数の増加に歯止めはかかっておらず、世界的に拡大する外出制限の長期化と原油需要の減少が警戒されています。

また、産油国間の協調姿勢が決裂していることもあり、原油相場はしばらく上値の重い地合いが継続しそうです。引き続きコロナウイルスの感染者や産油国間の駆け引き動向は一段と注視しておく必要がありそうですね。


フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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