みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。前回のコラムでは、金への資金逃避を促すと想定される「2つの戦争」として、米中貿易戦争と中東地域での戦争があるとご紹介しました。本コラムでは視点を変えて、具体的にどういう国が主に金を買っているのか、そしてその動向について説明してまいります。

■国別の金需要の動向
まず金需要の多い国トップ10(2019年第1四半期)をみてみましょう。中国は250トン超えで1位、インドは150トン超えで2位、3位の米国は50トン未満とインドの需要量から大幅にかけ離れています。4位以降はドイツ、トルコと続きます。金と文化的にも関係の深い中国、インドの需要量が圧倒的ですね。なお、中国を除いた国すべてが2019年第1四半期において需要量が前年同期比でプラスとなっています。2019年第1四半期の世界全体の需要は前年同期比で+7%ですので、中国のマイナス分を他の国が補っているという形になっています。

■中国の金需要は低下傾向
まずトップの中国の需要動向についてみていきましょう。宝飾品としての需要は、前年同期比-2%です。以前までは若者向けのデザイン性の高い金製品を導入した効果が表れていました。しかし、2019年第1四半期では中国の経済成長の鈍化に加えて米、中貿易戦争の激化によって消費者心理が悪化した影響がでているとみられます。投資需要は宝飾品需要よりもっと落ちていて、前年同期比-8%となっています。中国において3大投資ツールといわれているのが不動産、株式、金なのですが、株式は今年に入ってリバウンド基調にあり、金から株式に資金が流れていると考えることもできます。今までは金以外がよくなかったことで、金へ資金が流れていたとみられます。さらに人民元が安定しており、資産防衛の必要性が低下していることも要因として挙げられます。

■インドの金需要は婚姻動向が追い風
続いて次にインドについてみていきましょう。インドはこれから本格的に需要が回復するかどうかを見極める局面にあるとみることもできます。2019年第1四半期の宝飾品需要は、前年同期比で+5%となっています。この要因としては、2月の後半から3月にかけて現地通貨ベースでの金価格が下がり、さらにこのタイミングで婚礼用品を買うシーズンと重なっていたため、安く金が買えるということから需要が増えたとみられます。インドでは婚礼用品として金を買うことが多いと以前のコラムでもお伝えしましたね。こちらに加えて、足もとでは特殊な要因もあります。結婚式が増える吉日の日数が前年同期比で増えているのです。昨年は10日以下だったのですが、今年は20日ほどに回復しています。

さらに投資需要も前年同期比で+4%と増加しました。現地通貨が対ドルで上昇したため、現地通貨ベースの金価格は下げて投資家の買いが入ったとみられます。一方でこれからの懸念事項としてはインドの株式市場が好調になってきているので、相対的に金の需要が乏しくなることも想定されます。これから注視していく必要がありますね。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ


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情報提供元:FISCO
記事名:「金需要トップ2国の動向に迫る~もっと知りたい商品先物取引