以下は、フィスコソーシャルレポーターの薬味多めで氏(「株式投資ラボ」にて連載、ツイッター:@yakumioomedeを運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年12月7日8時に執筆

ファーウェイのCFO逮捕に関する報道で、昨日の日経平均株価は大きく下落しました。ここで、現時点ではっきりしている情報をまとめておきましょう。

まずは、ファーウェイのCFOである孟晩舟氏をカナダ当局が逮捕したのは、12月1日。これは、アルゼンチンで習近平国家主席とトランプ大統領が首脳会談を行っていた当日です。ロイター通信によると、米当局は2016年頃からファーウェイとイランとの違法取引に関して捜査を開始。ウォールストリートジャーナルによると、HSBCがファーウェイが関与したとされる違法性の高い取引を発見。米捜査当局に報告したとされています。

当初の報道では、容疑はイランへの違法輸出とされていましたが、実際には違法な金融取引の疑いで捜査しているとのこと。対イラン制裁を逃れるため、世界的な銀行システムを利用した疑惑を捜査しているとされており、今回のCFO(最高財務責任者)の逮捕に踏み切った模様です。

時間軸は不明なのであくまで推測ですが、逮捕はおそらく米中首脳による夕食会よりも、時間的には前だろうとは思います。ボルトン米大統領補佐官は、孟晩舟氏の逮捕を事前に知っていたと語りましたが、トランプ大統領は首脳会談前には認識していかなったということをアメリカの複数メディアが伝えているようです。大統領補佐官が逮捕(もしくは逮捕の計画)を知っていたのに、大統領には伝わっていなかったというのは、非常に苦しい言い訳に聞こえます。個人的には恐らくトランプ大統領が米中首脳会談前に逮捕(もしくは逮捕の計画)を知っていたとみています。だとすれば、中国の習近平国家主席としては盛大に“面子”を潰された格好となります。

米国は19年8月13日以降、政府機関·米軍·政府所有の企業がファーウェイを含む中国5社の通信機器製品を使用する事を禁止しています、加えて、20年8月13日以降は、米政府機関が5社の製品を使用する企業との取引を禁止する法案を成立させています。今回の逮捕劇が、中国製造2025を潰す切り札として、米国がファーウェイへの切り込んでいく狼煙と考えれば、米中の貿易摩擦問題は、貿易摩擦以上に発展してくる可能性があります。

米国はカナダに対して身柄の引き渡しを要求しているとのことですが、トランプ大統領は本稿執筆段階でこの問題に何も触れていません。米国としては、90日間の貿易交渉期限中に“あえて関係をこじらせる”事で、中国との今後の覇権争いに優位に立とうとする深慮遠謀であると仮定すれば、腑に落ちます。

こうした報道を背景に、昨日の東京株式市場でも日経平均株価は大きな下落に見舞われましたが、終値では、10月26日の安値と11月8日高値を結んだトレンドチャネル内に収まって取引を終了しています。基本的には、このトレンドチャネル内での持ち合い状態を形成していくのではないかと私は見ていますが、外部要因次第では大きく下方向にレンジブレイクしてくることも想定されます。

欧州では伊の予算問題、英国ブレクジット問題が燻っています。加えて、米露間の軍事面でもきな臭い動きが見られ始めています。加えて、北朝鮮でも極秘にミサイル基地を拡張か?という報道もあり、米中貿易摩擦以外にも市場に影響を及ぼす要因はいくつも見られます。

7日は週末要因ということもあり、今週、新規に売建っていたポジションの買い戻しなども一部見られると思いますが、来週はメジャーSQを控えるため、新規の買い建ての場合には短期目線の打診買い程度にとどめておくことが無難なのではないかと考えています。



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執筆者名:薬味多めで
ツイッター:@yakumioomede

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情報提供元:FISCO
記事名:「薬味多めで:ファーウェイCEO逮捕は、トランプ大統領の深慮遠謀?【FISCOソーシャルレポーター】