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欧米為替見通し:ドル・円は弱含みか、トランプ政権の減税策に失望も


今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含みの展開を想定したい。米医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案可決に失敗したトランプ政権の大型減税が焦点となる見通し。減税規模が当初よりも小さく、経済の押し上げ効果は薄いとの見方からドル売りが再開されそうだ。

トランプ米大統領は前週、オバマケア代替法案の成立に党内の支持を集められず、下院採決を断念した。これを受け、政策運営の次のポイントである減税がクローズアップされるだろう。ただ、トランプ大統領が表明していた「驚くべき減税策」は、オバマケア撤廃でねん出した費用を財源の一部に充てる方針だったため、同代替法案の撤回で減税規模は縮小せざるを得ない見通し。トランプ大統領が10年間で4兆ドル規模の減税策を打ち出していたことから、その効果を先取りした株高・ドル高に振れていただけに、減税規模の縮小に失望した投資家がドル売りを再開する可能性は十分考えられる。

本日のアジア市場では、年度末に伴う実需筋のドル買いと、米長期金利の持ち直しを背景とした短期筋によるドル買いが観測され、ドル・円は111円台を中心とした値動きが続いている。ただ、111円半ば以上は輸出企業のドル売りや利益確定売りが出やすい。ある短期筋は「年度末に伴う実需の買いは長続きしない」と述べており、トランプ政策の不透明感によるドル売り基調に変わりはなさそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・3月景況感指数(予想:108.3、2月:108.0)
・21:00 独・3月消費者物価指数速報値(前年比予想:+1.8%、2月:+2.2%)
・21:30 米・10-12月期GDP確定値(前期比年率予想:+2.0%、改定値:+1.9%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.7万件、前回:26.1万件)
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(7.00%に据え置き予想)
・22:45 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(決済システム関連)
・24:00 カプラン米ダラス連銀総裁質疑応答(米商工会議所会合)
・24:15 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が討論会参加
・05:30 ダドリーNY連銀総裁講演(金融政策関連)




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