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【事件現場を歩く】オウム真理教のサティアンが建てられた旧上九一色村は「素泊まり1泊4000円」の民宿村になっていた【村田らむ】



僕が青木ケ原樹海を取材しはじめてもう20年になる。このたび『樹海考』(晶文社)として一冊にまとめさせていただいた。


この本では、樹海の成り立ち、樹海の中にある宗教団体、樹海に関して囁かれる都市伝説の秘密、樹海と自殺、などなど様々なアプローチから樹海を取り上げた。


都市伝説の回では「樹海の中でコンパスが効かないってホント?」など様々の疑問を取り上げた。興味がある人は本を読んでいただきたい。


今回はその中でも注目度の高い『樹海の中に村があるってホント?』という都市伝説を解説したい。


「樹海の中には、自殺志願者たちが集まって生活する村がある」「犯罪者や世捨て人が集まって作った犯罪村がある」など妙なな噂が囁かれている。


もちろん樹海の中にはそんな村はない。


ただ確かに樹海の中に、“村”はあるのだ。地図を見ると精進湖の近く、国道139号線から青木ヶ原に食い込む形で集落があるのが分かる。そのような場所は他にないのでとても異様に感じる。古い地名で言えば“上九一色村”だ。あのオウム真理教のサティアンがあった上九一色村である(※06年3月に甲府市と富士河口湖町に分割編入されている)。



やはり宗教チックな、変な村なのではないか? と思うかもしれない。


ただ現場に行ってみると、そんなに怪しげな場所ではないことが分かる。


アスファルトの道路が敷かれ、整然と建物が並んでいる。建物の多くには『●●荘』という看板が出ている。中には『樹海荘』というそのままの名前の民宿もある。


そうここは民宿が集まった“民宿村”なのだ。住人に話を聞くと、そもそもは別の場所にあった村だったらしい。洪水があり壊滅状態になったので、村ごとここに引っ越してきたそうだ。


施設などはまだ上九一色村時代の物も多い。


看板にも「上九一色」と書かれている。


コンクリートブロックで作られた無骨なバス停には落書きで『川島なおみ(原文ママ)』と書いてあった。まだ川島なお美がアイドルとして人気があったころに書かれたんだろうな、と思うとなんだかちょっと切なくなった。



肝心の民宿はまだ十軒以上が営業している。ただ廃業している宿も多い。閉められていたり、民家になったりしている。


かなり人口が多かった時期もあるようで、かつては保育園や小学校もあった。ただどちらも現在は廃墟になっている。







■ホテル予約サイトで素泊まり一泊4000円プラン!? 「樹海のにある秘密の村」の実態


僕も民宿村にある民宿にはお世話になったことがある。


「樹海のにある秘密の村」という幻想を破るようで悪いが、ホテル予約サイトで予約した。素泊まりプランで一泊4000円だった。



3日間、樹海を歩いて死体を探し続けるという、過酷な合宿の宿として利用した。


一日10キロ~12キロほどとにかく歩き続けた。参加した人たちの中では僕が一番体力がなかった。初日を終えてヘトヘトになって民宿に帰ってきて、心底ホッとした。


大きな部屋に自分たちで布団を敷いて寝るスタイルの宿だった。お風呂は大浴場で、富士山の水を使っているから水質はもちろん良かった。荘内には展望台もあって、富士山を一望できる。


ただ、もうそんな民宿を楽しむ余裕はなかった。初日が終わった後は、「あー足が痛い。こんな日があと2日も続くのか……。しんどいよう。しんどいよう」と枕を涙で濡らして寝てしまった。


結局民宿を楽しむところまでは行けなかったので、ぜひ次はのんびりと遊びに行きたいなと思っている。



 

村田らむ <ライター / 漫画家 / カメラマン / イラストレーター>

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教、富士の樹海などへの体験取材、潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ゴミ屋敷奮闘記』(有峰書店新社)など多数。

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