「これだけ長い期間、違法なものを含めてハラスメント行為が繰り返されてきたことに驚いた」。愛知県東郷町の井俣憲治町長による職員への数々のハラスメント行為を認定した調査報告書を提出した第三者委員会が、町役場で23日に開いた記者会見。委員長の堀龍之弁護士は、理不尽な言動が放置され続けた役場の職場環境の異常さをそう表現した。
堀委員長は、町長のハラスメントが大きな原因で退職した職員がいたとみられることや、第三者委のアンケートに対し「しんどくなるので答えたくない」「フラッシュバックが起きてしまうのが怖い」などと記した職員がいたことを明かした。
その上で、アンケートで「自分自身がハラスメントを受けた」と答えた「108人」という人数については、「少なくとも」と強調した。
町長からのハラスメントを受けて「心が削られる思いだった」「吐き気がした」「退職を考えた」などとアンケートに書いた職員も複数いたという。
町長を含め職員には、同じ小中高校の出身者が多い。堀委員長は「いともやすやすと(ハラスメントを)してしまっている。組織が小さく、地縁が深い人たちなので声を上げにくいという意味では、悪質と言えるかもしれない」と指摘した。【荒川基従】