柿沢未途前副法相（自民党を離党）の議員辞職に伴う衆院東京15区補選（4月28日投開票）で、地域政党「都民ファーストの会」は、作家の乙武洋匡氏（47）を擁立する方針を固めた。特別顧問を務める東京都の小池百合子知事が29日の記者会見で明らかにした。自民は都民フとの連携を視野に入れており、乙武氏が無所属で出馬した場合には支援を検討する。
乙武氏は28日付で、都民フが国政進出に向けて設立した「ファーストの会」の副代表に就任。小池氏は乙武氏について「これからの日本のゲームチェンジを担っていくにふさわしい方。しっかり応援していきたい」と述べた。
乙武氏は先天性四肢切断の障害があり、「五体不満足」の著者として知られる。都の教育委員も務めた。2022年参院選で東京選挙区（改選数6）から無所属で出馬したが、落選した。
都民フは乙武氏の擁立方針を自民、公明両党などに伝えており、自民幹部は「乙武氏が無所属で出馬するかどうかだ」と話した。22年参院選の一部選挙区で都民フと選挙協力を実施した国民民主党は乙武氏を支援する方針で、榛葉賀津也幹事長は29日の記者会見で「正式にオファーがあれば、全面的に応援する方向だ」と述べた。
東京15区補選では日本維新の会と共産党、参政党などがそれぞれ新人を擁立すると発表。立憲民主党も候補を擁立する方針だ。【秋丸生帆、竹内望】
