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観客2500人落胆…民間ロケット延期 「スタートには立てた」


 和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」で9日予定されていた小型ロケットの発射は、直前になって延期された。原因は制限区域への船舶の侵入で、打ち上げを実施する宇宙企業は記者会見で陳謝。串本、那智勝浦両町内の公式見学場には大勢の観客が集まったが、「延期」のアナウンスに大きなため息が漏れた。

 打ち上げ予定だったのは固体燃料式のロケット「カイロス」(全長約18メートル)。情報収集衛星の代替機能を持つ内閣官房の小型衛星を、地上から約500キロの地球周回軌道に投入する計画だったが、午前11時過ぎ、発射直前に急きょ延期された。

 那智勝浦町内のホテルでは、打ち上げを実施する宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)の広報担当者が、打ち上げ後の記者会見に備えつつ、数十人の報道陣と共に中継映像を見守った。発射の直前に日程変更の連絡が入ると、担当者は「詳細は確認中」と繰り返し、会場は重苦しい空気に包まれた。

 会見は午後2時に始まった。阿部耕三執行役員が1人で出席し、打ち上げ前後の時間帯に侵入を制限していた海上警戒区域に船舶が入ったことが発射延期の理由と明かした。次の発射予定日は13日以降で、その際には今回を教訓に警戒開始のタイミングを早めるなどの対策を検討する。阿部氏はこわばった表情で「なんとしても今日打ち上げたいとの思いでやってきたので(延期は)遺憾だ。次はご期待に添えるようにしたい」と述べ、発射を心待ちにしていた人々に向けて陳謝した。

 串本町の田原海水浴場の公式見学場では、約2500人が特設舞台の大型画面の映像を、固唾(かたず)をのんで見守った。カウントダウンの終了後もなかなか打ち上がらず、間もなく「延期」のアナウンスが流れると、一帯に落胆が広がった。

 見学場で報道陣の取材に応じた岸本周平知事は「打ち上げのスタート地点には立てた」と前向きにとらえ、田嶋勝正・串本町長は「約120人の職員が町内各所で集めた、人の入り込み状況や車の流れなどのデータを検証し、次の打ち上げ日に生かしたい」と話した。【駒木智一、松田学】

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